業務プロセスを因果関係で整理する練習法

ITコーディネータの吉田聖書よしだみふみです。

物事を考えるとき、
整理の仕方は様々ありますが、
その中でも有用なのが
因果関係で整理することです。

では、その手法を
どうやって練習したらよいでしょうか。

因果関係で整理する思考ツールには、
TOCのロジックブランチ、
新QC7つ道具の連関図法、
インフルエンス・ダイアグラムなど
様々なものがあります。

プロセスマッピングもそんな図法の1つです。
システム導入や業務改善の現場などで使われる業務フロー図も
基本的な要素はプロセスマッピングと共通しています。

業務フロー図の記法に様々な流儀があるように、
プロセスマッピングにも様々な流儀があるようです。

例えば、1つの業務プロセスを作業に分解した時、
作業だけを矢印でつないだり、
作業の流れとデータの流れを別々に表現するなどです。

私がお奨めするのは
作業とその成果物を矢印でつなぐ書き方です。
作業には必ずインプットとアウトプットがあります。
ある作業のアウトプットは、
次の作業のインプットになります。
それらを因果関係と捉えることで
図面で必然性を表現することが出来るからです。
必然性があれば納得感が生まれます。

この図法の練習方法としては
家具などの組立説明書から
プロセスマップを起こすのが良いです。

ceiling_fan

例えば、この写真はシーリングファンという
天井に取り付ける電気製品で(しかも組立式)、
使う前に組み立てる必要がありました。
ですので、組立説明書が付属しています。

ところが、この組立説明書がイマイチで、
組上げるまでに想定よりも多くの時間を費やしてしまいました。
どこがイマイチだったかというと次の2点です。

  1. ある作業工程には補足説明らしき別紙があり、
    本紙と別紙の関係については全く説明がない
  2. ある部品は開梱した時には既に組み合わさっており、
    作業工程の1つを全く実施する必要が無かった

2番目の点については確信が無かったため、
結合されていると思われる部品を一回解体して
もう一度結合しなおしました。
結果的に全く無駄な作業でした。

そうなってしまった背景は知りませんが、
少なくともドキュメントと実態が合っていないという
どこの現場でも見られるような状況です。

それはさておき、
この説明書を基にプロセスマッピングしてみました。
私の場合は作業(コト)を楕円、
部品および成果物(モノ)を長方形で表現し、
更に作業と成果物を矢印でつないでいます。

プロセスマッピングの例

プロセスマッピングの例

太枠のアルファベットは説明書に記載された部品です。
(説明書にもアルファベットで記載されていました)
楕円内の番号は説明書に記載された手順の番号です。
5-1、5-2については5番の手順の中に
2つの異なる作業が記載されていたため
中間成果物を明示するために2つに分けたものです。

作業と作業が直接つながらない、
成果物と成果物が直接つながらないように書くのがポイントです。
ついつい作業と作業をつなぎたくなるかもしれませんが
無理矢理にでも中間成果物を挟みましょう。

説明がないハイフンだけの中間成果物は、
名前があれば可能な限り書いた方が良いですが、
これは練習なので、表現しにくいものであれば
わざわざ命名しなくても良いと思います。
尚、電球だけは付属品ではありませんでしたが
必要な資材として記載してあります。

因果関係というのは時系列とはイコールではありません。
例えば、5-2の作業を行うためには
1~4の作業と、5-1の作業を行う必要がありますが
5-1の作業から着手しても構わないわけです。
つまり、プロセスマッピングから説明書を作成しようという時、
5-1の作業を1番として書いても良いわけです。

今回は組立て家具を例に説明しましたが、
プラモデルの組立説明書でもいいでしょう。
今ではメーカーのサイトからダウンロードできるものもあります。
実戦で試す前に練習したいという人は、
お手元にある説明書で練習してみましょう。

業務フロー図やWBS、スケジュール表など
因果関係で整理する手法の応用範囲は広いので、
是非とも身に着けたいですね。


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