高輪ゲートウェイと決定プロセスの納得感

ITコーディネータの吉田聖書よしだみふみです。

今回は、最近話題になったニュースから、
マネージャがチームのマネジメントを
成功させるポイントを考えてみたいと思います。

JR東日本がこの12月4日、
公募した山手線の新駅の名前を
「高輪ゲートウェイ」
と発表し、世間を騒がせています。

公募の集計結果は、
1位・高輪、2位・芝浦、3位・芝浜と、
どれに決まっても納得のいく名前が連なっています。
しかし、実際に決まった名前は
130位の「高輪ゲートウェイ」でした。

この直後の先週12月10日、
産業革新投資機構(JIC)の
9人の取締役全員が辞任するという
ニュースが入ってきました。

どうも約束した報酬額について
それまでの合意を一方的に反故にされた
ということが原因のようです。

2つのニュースは全く別の事柄ですけど、
私にはどこか無関係には思えませんでした。
共通しているのは決定プロセスの問題
ということです。

幼児教育において、
本当は教諭が意思決定をしているのだけれども
幼児たちに納得してもらうために
自由に意見を出させつつ教諭が誘導する
ということが行われています。

高輪ゲートウェイの例は
穿った見方をすればこれと同じで、
既に内部では決まっており、
利用者に納得してもらうために
公募という形をとったのではないかと
考えることが出来ます。
茶番という意見すら出ています。

ここは推測の域を出ませんが、
報道されている36票という数は、
社員または関係者だけで
簡単に集めることのできる数です。
票が全く入っていないのに
決定するのは明らかにおかしいため
そういう工作をしたと考えられなくもないです。

もしこれが邪推だというのであれば
「総合的に判断した」と濁すのではなく、
得票結果から最終決定に至るプロセスを
全て公表していただきたいと思います。

JICの例も意思決定プロセスが全く不透明で、
全く話にならないと思いますし、
辞任された取締役の方々のお気持ちを
僭越ながらお察ししています。

こういうことは割と普通にあって、
仕事でも契約に記載のない作業を
立場を利用されて強要されたことも
私自身経験しました。

会社員時代は特に、
会社組織の意思決定プロセスが全く見えず、
説明を求めれば説明はしてくれるのですが、
肝心の部分が隠されていたために
納得できずに不信感が募ったものです。

こうなるとメンバーのモチベーションはダダ下がりで
もはや組織の維持が難しいものとなってしまいます。

ここから言えることは、
マネージャがチームや組織をまとめるために
メンバーに納得してもらうことが
必要だということです。

特に意思決定プロセス、
判断の根拠・理由という
そのロジックを抜け漏れなく
きちんと丁寧に説明することで
メンバーに納得してもらうことが出来ます。

しかし一方で、マネージャとして
その意思決定にやましい点があれば
そうすることは難しいだろうとも思います。
もし、やましいことがあれば
ロジックの一部を隠したくなります。
そうするとロジックに穴ができるため
聴いている方は納得感が無くなるのです。

メンバーが納得のいくロジックを説明できるか、
そこがマネージャとしての優劣を分ける
ポイントの一つだと考えています。



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