リスク管理の勘所――思考ツールを用いたリスクの整理法

ITコーディネータの吉田聖書よしだみふみです。

前回の記事では、
リスク管理の第一歩として
リスクを見える化するために
リスクの一覧表が必要だという話をしました。

併せて、一覧表がないと
どうなってしまうか
という話もしました。

今回は、前回の話を踏まえて
どうやって一覧を作ればよいか
という話をします。

多くの方はお気づきのことと思いますが、
ただ闇雲に一覧表を作れば良い
ということではありません。

以前、あるプロジェクトで、
現場のリーダーに
「どんなリスクがあるか」
と率直に訊ねてみたところ、
ありとあらゆる心配事を
20項目ぐらい列挙してきた方がいました。

もちろんその心配事は
一部否定の余地はあったものの
それぞれがもっともであり、
少なくとも現場においては
その不安が「実在」しているのでした。

しかし、それだけの項目を管理できるほど
私は有能ではありません。
どうにかして間引いて絞り込みたいと思いました。

ところで、
「TOCfE(教育のためのTOC)」
という思考ツールがあります。

これは、
制約理論(TOC、制約条件の理論)の生みの親、
故エリヤフ・ゴールドラット博士が開発した
子供でも使える「考えるための」道具です。

TOCfEには「ロジカル・ブランチ(ブランチ)」
「蒸発する雲(クラウド)」
「アンビシャス・ターゲット・ツリー」
という3種類のツールがありますが、
ここではブランチを利用しました。

ブランチはあらゆる項目を
因果関係で整理する図法です。
新QC七つ道具の「連関図法」に似ていますが、
ある事象の要因が複数ある場合に
論理積(同時に起こった時に成立する)なのか
論理和(一方でも起これば成立する)なのか
を明示する点や、
書き方だけでなく読み方がある
という点が異なっています。

ブランチの作り方・使い方は
ここでは割愛しますが、
岸良先生の参考図書が
分かりやすく書かれていてお奨めです。

話を元に戻します。

先ほどの、
現場のリーダーが出してきた20項目を
ブランチを使って整理しました。

ブランチを使って、事象と事象の
因果関係を整理していくと、
ツリー状になっていきます。
その中で、要因となる事象が
何もぶら下がらないものが根本原因です。

根本原因の中には、
自分たちの管轄外であり
責任を持って対処できない制約条件が
含まれている場合があります。
そういった制約条件のことを
外部制約と呼びます。
(それに対して、自分たちの
管理が及ぶ範囲内にある制約を
内部制約と呼びます。)
根本原因のうち外部制約を除いた数項目だけを
リスク一覧表に記載しました。

尚、この時、
列挙した根本原因を「リスク要因」、
プロジェクト目標が満たせない
「品質が悪い」
「コストが超過する」
「納期が遅延する」
の3項目(いわゆるQCD)を
「リスク事象」としました。

ブランチを使って整理すると、
論理的に飛躍していたり
前提条件が不足している
ということが明らかになり、
別の要因を補う必要が
出てくるかもしれません。

しかし、図解することで、
ある要因が別の要因となっている場合は、
前者を解決すれば
後者も必然的に解決できる
ということが分かるようになります。

また、論理積で結ばれた要因は
どちらかを対処すれば良い
ということも分かるようになります。

こうすることで
本当に対処すべきリスク要因の数が減り、
現実的に管理できるレベルに
落ち着いていきます。


関連記事

プロマネの右腕

クロスイデアでは、新サービス・新ビジネスの 立上げや計画を中心に
プロジェクトマネジメントの支援を行っています。

新サービスの企画を任されたけど どう進めていいか悩んでいる担当者、
部下に新しい企画を任せたけど このままで大丈夫か不安な管理職の方、
以下のサイトをご参照ください。
https://www.crossidea.co.jp/services/right-hand-pmo.html

YouTubeにて動画配信中!

プロジェクトマネジメントのノウハウを
YouTubeで配信しています。
ブログと併せてご活用ください。

Comments are closed.