自立と自律

今日はIC協会の月例セミナーでした。

今回の講師はIC協会前理事長・秋山進氏。テーマは『ICの自立と自律』です。IC(=インディペンデント・コントラクター)という言葉を日本において定着させた方と言っても過言ではないでしょう。秋山さんご自身は既にICではありませんし、私は秋山さんの著書(共著)をきっかけにIC協会に入会しましたので、今日のセミナーではどんなお話が聴けるのだろうとワクワクしていました。

私は以前は自己紹介のときに「個人(事業主)で…」の他に「フリーで…」「フリーランスで…」という説明をよくしてきた者ですが、秋山さんが強調しておられるのは「フリーランスとICは違う」ということ。そのポイントが正に「自立と自律」なのだということです。「フリー」というと束縛からの解放(自由)というイメージがあり、奔放に生きているように見られがちですが、ICはそうではない。会社組織を離脱しながらもきちんと会社組織と(時には内部に入って)うまく付き合っていく、そんな生き方なのだということです。

また、会社から独立して仕事をするというと一般には「自立」の方だけをイメージされやすいのですが、それではICのI(=Independent)だけで、C(=Contractor)を伴うためには自分と他者との関係を構築し、あるいは整理して自分が活躍できるような環境を整えていかなければならないというお話でした。

今日のセミナーを通してまず感じたのは、秋山さんはICではなくなってもICの精神を持ち続けておられる方だなぁということ。また、秋山さんはA4用紙1枚のレジュメのみでお話しをされ、ありがちな「パワポ」の資料配布及びプロジェクタへの投影がなかったことは特筆すべきでしょう。講演というと何かと「資料を作らなきゃ」という気持ちになってしまうのですが、中身があればこれだけ充実した時間を作り出すことができるのだなと実感しました。