プロジェクトオーガナイザの吉田聖書です。
本日は、Internet Explorer、通称IEが、ついにサポートを終了するという話題を取り上げます。
これはアメリカのマイクロソフト社が現地時間の5月19日に発表したもので、IEのサポート終了日は日本時間の2022年6月16日ということです。だからあと1年猶予があるということなんですね。
マイクロソフト社公式のブログはこちら。
Windows Blogs
2000年代からWebアプリを開発してきた私のような人間からすると、隔世の感があります。当時はIEとNetscape Navigator、通称Netscapeのブラウザ戦争なるものがありまして、私は圧倒的にNetscapeを支持していたんですが、IEはWindowsOSにバンドルされているということもあって、少なくとも国内では業務で使う標準ブラウザとしてIE一択だったと記憶しています。
※ この記事は、先日公開した以下の音声コンテンツを基に編集したものです。
IE一択だった頃はまだ良かったんですけど、それでも新しいWindowsが出ればIEのバージョンも新しくなっていったので、徐々にサポートしなければいけないIEのバージョンが増えてきましたね。それに加えて徐々にスマートフォンが普及してブラウザのバリエーションが増えましたし、iPhoneの普及とともにMacintoshも普及してきて、ブラウザのシェアに変化が出てきました。
業務用途と一般用途では事情は違うと思いますが、イマドキのUIを表現できるブラウザに合わせてデザイナーがデザインするようになっていきました。そうすると相対的に古い技術のIEで同じように動作させるようにするために、エンジニアはかなりの苦労を強いられたわけですよね。つまりIEはお荷物になっていったわけです。
それはマイクロソフト社のエンジニアも同様だったようで、古いバージョンのブラウザをサポートし続けるのが苦痛になったんでしょう。Windowsの各バージョンでサポートする最新バージョンのIE以外はサポートを打ち切りました。これは、苦労していたエンジニアにとっては朗報で、個人的にもかなり嬉しかくて、やっと解放されたという気持ちになったのを覚えています。
そのうち、マイクロソフト社もIEのアップデートを諦めて、Edgeという新しいブラウザを開発しました。使いやすいので私は普通に使っています。そういう方は多いでしょう。でもそれでIEが無くなったかっていうとそんなことはなく、おそらく残して欲しいという要望が強かったのだと推測しますが、IEはアップデートしないという前提でEdgeが登場してからもWindowsに搭載され続けています。それが後1年ほどでサポートを終了するということですので、一つの時代が終わるという感じです。
かといって完全にIEとおさらばできるのかというと、Edgeには「IEモード」っていうありがたいのかありがたくないのか微妙な機能がありまして、私は使ったことありませんが、IEのエミュレーションをするのだと思われまして、IEに最適化されたサイトを問題なく表示できるということのようです。こちらのIEモードは2029年まではサポートされるようです。まだまだ先ですね。
マイクロソフト社としてはEdgeをリリースしてからはIEではなくIEモードを使ってほしかったのかもしれませんが、WindowsにEdgeとは別にIEが普通に搭載されているならIEを起動しますよね。しかもアップデートは行わないから環境として安定します。それが逆にIEを使い続けるインセンティブになってしまったのかもしれません。システムの運用にとっては環境の安定が重要な要素だったりしますので。
ごくたまに、いまだにActiveXを使っているサービスがありまして、IEじゃないと動作しないっていうものがあるんですよね。EdgeのIEモードでもActiveXを動かすことはできるようなので、既存のサービスにとっては大きなインパクトにはならないのかもしれませんが、これから構築するサービスでは、動作保障環境としてIEは確実に除外されていくことになるでしょうね。ますます喜ばしいことだと思います。いずれにせよ、私が利用している某サービスには早くIE以外のブラウザのサポートをして欲しいと思います。
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