議論がグルグルと回ってしまう時の対処法

プロジェクトオーガナイザの吉田聖書よしだみふみです。

人と話をしている時、
話題がどんどん変わっていって
しばらくするとまた
元の話に戻っていることがあります。

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リスク管理の勘所――思考ツールを用いたリスクの整理法

ITコーディネータの吉田聖書よしだみふみです。

前回の記事では、
リスク管理の第一歩として
リスクを見える化するために
リスクの一覧表が必要だという話をしました。

併せて、一覧表がないと
どうなってしまうか
という話もしました。

今回は、前回の話を踏まえて
どうやって一覧を作ればよいか
という話をします。

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業務プロセスを因果関係で整理する練習法

ITコーディネータの吉田聖書よしだみふみです。

物事を考えるとき、
整理の仕方は様々ありますが、
その中でも有用なのが
因果関係で整理することです。

では、その手法を
どうやって練習したらよいでしょうか。

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炎上プロジェクトの根本原因を探せ!

JSDG第14回全国大会の2日目は、会員限定のコンテンツとして分科会が行われ、私のものを含めて4コマの企画がエントリーされました。私は「炎上プロジェクトの根本原因を探せ!」というタイトルで、TOC思考プロセス(TOCfEのブランチ)を使ったトラブル原因分析の事例発表を行いました。実はこの事例は、毎月新宿で開催されているTOCfEオンデマンドで発表させていただいたものを分科会企画として練り上げたものです。

思考プロセスの研修はワークショップをやることが多いのですが、私は敢えて事例発表という形式を選びました。というのも、TOCfEの国際認定プログラムでは朝から晩までを計4日間の研修が行われ、しかもブランチについてはそのうち2日間を費やし、尚且つそれでも時間が足りないというものなのです。まして90分という限られた時間でワークショップをやったとしてもブランチを作成するプロセスを会得することは難しく、それが却ってブランチは使い物にならないという結論を招きかねません。ワークショップで扱う事例はシンプルなものばかりですからね。

それなら発想を変え、事例発表を通してブランチは使えるんだという認識を持ってもらい、かつ、どんな事象に対してブランチを使ってみたいかというイメージを思い描いてもらうことで、結果としてブランチを使えるようになりたいと思ってもらうことをこのセッションの目標に設定しました。

分科会後のセッションで北村JSDG会長からも、何も全て解ってスッキリというだけが研修会ではない、むしろ次につながるようにするのも一つの方法であるという趣旨の発言がありましたが、まさにそのような形で各自の学習につながっていけば良いと願っています。

さて、私が担当する分科会に参加してくださったのは11名でしたが、ほとんどの方が「ザ・ゴール」を読んでおられ、少なくとも制約理論についてはある程度の知識を持っておられました。前述した目標を達成するために、事例発表の後に軽くディスカッションをした後、アンケート形式で気付きを書き出してもらいました。最初の質問が「もし、ブランチを使いこなせるなら何に使いたいですか?」というもので、続いての質問が「自分でそれを実践するためにどんなサポートが必要ですか?」という風にしました。この気付きを全員が順番に発表し、このセッションをお開きにしたのですが、全体を通して予想よりも反響が大きかったと思っています。

例えば、私の説明の内容に対して大きくなるほどと頷いてくださったり、既に今実践しておられる方からは「これはすごくいいんだよ」と共感して下さったり、何よりもセッション終了後に「とても楽しかった」と言ってもらえたのがとても嬉しかったです。もっと他の事例も聞きたいという意見もありましたので、私自身ももっと積極的に事例を集めていきたいと思っています。


ブランチ事例を発表させていただきました・その3

昨日27日(火)に西新宿にてTOCfEの月例勉強会(通称オンデマンド)に参加いたしました。私は先々月、先月に引き続き、3回シリーズの最終回のブランチ発表をさせていただいたのですが、本当は15~20分程度を想定していたのに、様々なツッコミを頂いて気づいたら50分にもなっていました。他に発表準備をされていた皆さんごめんなさい。

それだけ深い議論が出来たのではないかと思いますが、いろいろと質問や指摘を受けていく中で私自身がまだモヤモヤしていた個所がクリアになってきて、なるほどと思うところが多数ありました。また、される質問によっては答えに窮する場面もあり、そこは私の中で良い考えが浮かばなかったりまとまらないという状況に陥ったためで、そういう時は開き直って逆に「何か良いアイデアありますか?」のように切り返すことが、会話をテンポよく続ける上で大切かなと思いました。

今回のブランチを共有する中で一番勉強になったのは、所属する組織の評価基準や体制(仕組み)が実態に即していない場合に何が起こるかということで、それは「評価基準や体制に合わせるか、もしくは実態に合わせるか」という内部対立が起こるというアドバイスを頂きました。そして、その内部対立を解消できなかったから、結果として主題に掲げたような問題が起きたという指摘も。

確かに特定の個所でスッキリしなかったのは相反するような複数の原因が1つの結果につながっていたからで、どのように対立を解消したのかというところの前提条件がもうひとつ加わればスッキリするんでしょう。そしてその前提条件を導き出すにはクラウドの出番ということになりますね。このテクニックは是非ともマスターしたいと思いました。

続いて、いつもお世話になってるY2研究所の吉田裕美子さんが今企画されているワークショップの検討会を行いました。「こういうストーリーを考えているんだけれども皆さんどう思いますか」という問いかけから始まり、様々な意見が出されました。集まっているメンバーは皆さん論理的に考える方々ですので、建設的な議論が出来て大変有意義でした。

弊社でも今は中断していますが、新人プロマネ向けのワークショップをTOCのツールを取り入れた形でバージョンアップして再開したいと思っていて、この検討会の中で私がまさにイメージしていたようなアイデアが出てたのでとても参考になりました。実現はもうちょっと先になりそうですが、是非ともチャレンジしたいと思います。


教育のためのTOC国際認定プログラム2013・最終日

いよいよこの研修も最終日です。最後のツールはアンビシャス・ターゲット・ツリー。私が毎月参加させていただいている勉強会でも事例の少ないツールです。「何でアンビシャス・ターゲット・ツリーの事例発表は少ないんでしょうね?」と半分冗談で質問したこともありましたが、「発表したら実行しなきゃいけなくなっちゃうからじゃない?」みたいな冗談が返ってきたこともありました。

私はこれまでにもアンビシャス・ターゲット・ツリーを教わったことがあったのですが、これまでは全ての中間目標に対応した行動(計画)は必ず書き出さなければいけないと思い込んでいました。ですが、今日の説明では中間目標が具体的にイメージできるレベルの行動として表現されているのであれば、わざわざ行動の欄を記述する必要はないということでした。行動を書き出さなければならないのは、中間目標が抽象的な表現であったり達成できそうかどうかわからないような場合なのだそうです。

ブランチやクラウドと比べると、アンビシャス・ターゲット・ツリーは演習の時間が短く、もうちょっとじっくり取り組みたかったなと思いました。その代わり、講師の方がこれまでより教科書に忠実に進めてくださいましたので、理解は確実にすることはできたのではないかと思います。とはいえ昨日までの三日間は疲れを感じなかったものの、さすがに今日は疲れを自覚しまして、なかなか講師のお話が耳に入ってこなかったのは否定できません。

最後には認定書の授与式があり、TOCfE Inc.会長のKathy女史から認定書が手渡されました。Kathy女史は日本語を話されないので(研修中にお話しされる場合はボランティアの方が通訳されていました)あまりおっしゃってることが聞き取れませんでしたが、感謝の気持ちを込めて私のたどたどしい英語で感謝と決意の言葉をお伝えしました。ちなみに、認定書が予想してたよりもかなりしっかりしたものだったので、それにはちょっと驚いてしまいました。

フィナーレとしてオフィシャルの懇親会が開かれましたが、そこである方に「4日間どうでしたか?」と問われて、とっさに「一言で言えません」としか答えられませんでした。とにかく様々なことを深く深く学びました。もちろん私は仕事の中にTOCの考え方を取り入れていきたいので、これからも練習を重ねて習熟できるように励みたいと思います。この研修に関わってくださった皆さん、お目にかかった皆さん、本当にありがとうございました。


教育のためのTOC国際認定プログラム2013・第3日

研修の三日目、今日はクラウドを学びました。教育のためのTOCと本家TOCで唯一共通しているツールがクラウドだと言われていますが、根本は同じだけれど実はやはりTOCfEの方がよりシンプルに削ぎ落とされています。そして、個人的にはクラウドは一通りのトレーニングを受けていたのですが、これまでやっていたクラウドは本家TOCの方のクラウドだということが分かりました。

これまで何度も対立という言葉を使ってきましたが、単に対立と言っても誰かと誰かの対立(外部対立)を扱うこともあるし、誰かの葛藤(内部対立)を扱うこともあってそれは区別する必要があるということも分かりました。なぜならば、内部対立というのは言ってみれば個人の心の内面の問題であり、アプローチの仕方を工夫しなければならないからでしょう。

TOCでの質問の表現は、それが翻訳に起因するものなのかもしれませんが、多少きついなと思えるところがあり、特に誰かの内部対立を解消しようとしてファシリテーションするためには相当の配慮(相手に寄り添う気持ち)が必要だということも分かりました。これがビジネスの場であったり、あるいは学びたいという人に対するトレーニングの場であればそれほど気にすることでもないんでしょうけどね。なので、ここはTOCという理論だけではなくプラスアルファ他の手法で補った方が(これを理論の実装と表現すると私はしっくりきます)うまく行くケースがあるのではないかと感じました。

あと、これはクラウドに限らないのですが、複数人で実践する場合にファシリテータは愚直に(つまりしつこいくらいに)質問を繰り返すとうまく行くということも分かりました。特に何かの要素を思いつく限り列挙するという場合、2~3個挙がるとその良し悪しきに関わらず安心してしまう傾向があり、そこで質問をやめてしまうと本当は出てきたはずの要素が出てこなくなる可能性があります。なので、60秒くらい待っても何も出てこなくなるまで粘り強くやるというのが重要ですね。

尚、今夜は半オフィシャルの懇親会があり60名ほどのメンバーが集まりましたが、食事もそこそこに各テーブルで内部対立のクラウドが始まりました。途中席替えがあり、最初のグループで作り始めたクラウドは完成できなかったそうですが、後半のグループで途中から見させてもらったクラウドは見事に完成し、解決策を見出すことが出来ました。内部対立のクラウドでしたので、当事者の方は新たな発見があるたびに笑顔が増しておられました。個人的にはこんなにリアルに切実な問題が解決した瞬間を目の当たりにしたのは初めてです。これは大変励みになりました。

「居酒屋の会話」というと重たい気持ちで悩みや愚痴を言い合い、でも日付が変われば元通りというのが常ですが、飲みながら楽しく建設的な議論ができ、しかも場合によっては解決策が生み出せるというのは驚異的ですね。


教育のためのTOC国際認定プログラム2013・第2日

昨日から始まった研修の二日目です。今日も学ぶツールはブランチなのですが、今日は更に発展してCLRというブランチを検証するための手法と、更にはそのブランチが望ましくない状況を表現している場合にその状況を改善するための手法を学びました。

特に前者は、私は何度も聴いたし本でも読んだにも関わらず、なかなか理解できなかったことの一つで、今回実際に演習で実践してみることでようやくおぼろげながら理解に向かって進み始めたといった感触です。その検証の手段とは次のようなものです。

  1. 用語や文章の意味があいまいでないか?
  2. 文章の意味するところが厳密に妥当であるか?
  3. 因果関係がちゃんと成立しているか?
  4. 結果の原因となる要素が不足してないか?

言葉で書くと単純で、なんとなく分かったような気になるのですが、これが難しい。特に複数人で集まっている場合に誰かに質問するのは簡単ですが、逆にそれに答えるのはものすごく難しい。なので、自分一人でブランチを作っているときに検証しようとすると、自分で質問して自分で答えなければならないので難しく感じられるのでしょうね。まあでも、これは慣れていけば身に付きそうな気がしています。

ブランチのカリキュラムは今日で終わりなのですが、実は余録があって、夜にこぞって夕食を囲んだ際に、ある方が付箋紙を提供してくださいまして、課外授業というか延長戦というか場外乱闘というか、自主的にグループワークをやってしまいました。

発端は参加者のある方の何気ない発言に対する「え、それは何で?」というような疑問から、じゃあブランチやろうぜという流れで始まりました。しかも皆さん飲みながらなので厳しいツッコミが出る出る。題材のターゲットとなった方にとっては苦しい局面もあったかもしれませんが、(TOCfEは初めてだという)彼にとっても、ツッコミを入れた方々にとっても今日の内容を復習出来て良い学びの時間となったのではないでしょうか。

このスキルを学んだせいか、帰ってテレビをつけ、流れていたニュースに対して思わずツッコミを入れたくなっている自分に気が付きました。


教育のためのTOC国際認定プログラム2013・第1日

タイトルにあるような研修に今日から参加しています。これは4日間でTOCfEの3つのツールについて一通りの学習を行うもので、今日と明日はそのうちのブランチ(今日はロジック・ブランチとも言ってた)を学びました。

ブランチというのは物事の因果関係を整理して、その対象を理解するためのツールです。私はこれまで単純に原因(Cause)と結果(Effectとおっしゃっていたかな?)を矢印でつなげたものというぐらいにしか理解していませんでしたので、今回ちゃんとしたツールの使い方・考え方を学ぶことが出来ました。

出発点はどうするのかということについて、たまたま質疑応答コーナーで質問されていた方がいたのでメモしておくと、最初に現象を書き出してその原因は何かという風に掘り下げていくパターンと、最初に行動を書き出してその結果どうなるかという風に未来を予想していくパターンと、目的によって使い分けて良いということでした。

どのような粒度でブランチを描いていけば良いかということについては、少なくともそのブランチを共有するメンバーが納得して合意できるレベル(これを good enough と説明されていましたが)でよく、粗過ぎてもいけないし、むやみに細かすぎても本質を見失ってしまうということでした。

また、「教育のための」ということで、こういう利用の仕方はいいなと思ったのは、文章の図解の手段としてブランチを利用するということ。例えば教科書の記述をブランチにしてみるというのは、良い練習になりそうだと思いました。しかもそれを児童に教えることが出来れば、その子供たち自身の読解力・思考力の向上も期待できそうです。ただ、図解で気を付けなければと思ったのは、文章の記述に引きずられてしまうと図解の妨げになることがあり、いかにシンプルで的確な表現に改めるかという点が一つのポイントなのかなと思いました。

あと、ブランチは単に目に見えている現象(あるいは文章として与えられている記述)だけを採り上げて並べるだけでは不充分で、背後に隠れている前提条件をあぶりだす作業(これを「推論」と呼んでいましたが)を通して、ロジックの穴を埋めていく必要があるということを学びました。これこそがきちんと考えるという作業であり、この視点が私には乏しかったので、これまでに作ったブランチも見直してみようと思います。

余談ですが、この研修は山本五十六の精神に則って(?)、講義⇒例題⇒演習⇒共有という流れで行われます。その有名なフレーズを最後に引用します。

やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。

山本五十六.net より
http://www.ym56.net/meigen.html

この4日間しっかりと学んでいきたいと思います。


TOCの移行ツリーを実践してきました

今日のYWTMの完成形

今日のYWTMの完成形

8月が始まりましたが、昨日1日は月初からTOCの勉強会に参加してきました。今回の勉強会は定例の…ではなく、とあるFacebookグループ内で呼びかけがあり、実際に会社で困っている知り合いに対して移行ツリーを使って手助けしてあげられないかということでご本人以外に有志が6名集まりました。

前回の勉強会では、ファシリテータを務めたにもかかわらず未完成で終わってしまい心残りだったのですが(実は数日後にオンラインで完成させましたが)、今回も再びファシリテータに手を挙げ、完成には至らなかったもののほぼ筋道をつけることが出来たのでホッとしています。

最初は移行ツリーにしては大きな目標を掲げてしまったことでなかなか先に進まなかったのですが、ご本人が予めやりたいこととして検討して来られた内容を列挙し、それらを要望として並べることで結果的に移行ツリーに落とし込むことが出来ました。ここら辺は反省会で行ったYWTMでも「分かったこと」として挙がったのですが、私が前回参加してモヤモヤしていたことが納得でき、とてもスッキリしました。

やはり思考ツールは場数を踏むことが大切だなと思いました。場数を踏むことで見えてくるものもありますし、それが結果的に問題の解決につながり易くなると思うのです。そして何よりも演習のための題材ではなく、実際の(しかもまだ解決してない)身近な問題に対して適用してみるというのは得難い経験でした。