2010年の締めくくりに

あっという間に2010年もあと4時間となりました。今年はやりたかったことが全て達成できたわけではありませんでしたが、年初には想像もしていなかったことをやり遂げた感じがしています。皆様もそれぞれ今年を振り返っていろんな思いがあるでしょう。

昨年はどうだったっけな?とふと思うことがあります。一年経過するとその前の年のことは忘れてしまうものですね。そういう意味でももう一度今年一年をゆっくり振り返りたいと思います。そして数時間後には新しい年の計画を立てます。

それではよいお年をお迎え下さい。

ドキュメント保守を怠る罠とツケ

今日はJSDGの中部ミニ研修会(チュンケン)が名古屋で開催され、参加してきました。研修会の発表について、細かい内容はここには書けないというか書いてはいけないことになっているのですが、エッセンスなら書いても赦されると思うので書いてみたいと思います。

人によっておそらく受取ったエッセンスは異なると思いますが、私が引っかかったポイントは、ドキュメントの保守についてです(ちなみに発表のポイントとはズレています)。とあるシステムについて、納品時にドキュメントも納品されるとします。システムが運用開始すると、機能追加や仕様変更は同じ業者に発注するとは限りません。

その時、ちゃんとドキュメントも更新されれば良いのですが、様々な理由で更新されない場合があります。費用を抑えるためかもしれませんし、納期を死守するためかもしれません。ですが一度それを許してしまうとアウトです。その後システムの現状を把握することが困難になってしまいます。そうなると改めて外部に現状把握のための調査を依頼しなければならなくなります。

別のある方は、7年前に作成したドキュメントが、実態は変更されているにもかかわらず、そのまま出てきたと嘆いておられました。それはドキュメントのメンテナンスがどれだけハードルが高いかを物語っています。それは単に意識の問題もあるでしょう。メンテナンスのための時間が取れないという可能性もあります。それ以上にスキルの問題が大きいのではなかと思います。

自分たちではできないからと割り切って外部に委託するというのは悪い選択肢ではありません。もちろんちゃんと勉強して自分たちでできるようにするというのはより良い選択肢であり得ます。ですが、自分たちでやるだけのスキルが有るにせよ無いにせよ、何もしないで放置するということほど悪い選択肢はないと思うのでした。

分岐路が再び合流するとき

今日は以前参画していたプロジェクトでお世話になった会社を訪問し、当時のリーダーと久しぶりに話をしてきました。彼は私と年齢が同じということもあり、お互い刺激を受け合う(…と私が勝手に思っていた)間柄なのですが、以前よりもお互いにビジネスの話ができるようになっていて更に刺激を受けました。

彼はありがたいことに私と会う前に当社のサイトにアクセスして、私がどういった方向性を目指しているのかについて調べて下さっていました。そして驚いたことに、彼もこの数年来、同じようなことを目指すようになってきたと告白してくれたのです。それは当社の企業理念の『組織を元気にする』というフレーズ。今はとかく中国とかインドとか、そういった海外の新興市場にばかり注目が集まりがちだけど、実はもっと良く見渡せば国内にも発展途上のビジネスがあって、そこを支援することで経済の発展に繋げられたら…というような話をされました。

その他にもたくさん話をして強く感じたのは、どの話も深く頷けるということです。ビジネスの話もそう、景気の話もそう、ITというものに関する捉え方もそうです。プロジェクトから離れて6年が経ちましたが(もちろんそれ以降も何度か会いましたが)、お互いがそれぞれ自分の持ち場で仕事を続けてきたにもかかわらず、気がついたら同じような方向に向かって歩んでいたということです。これはまったく不思議としか言い様が無く、彼に出会えたこと、そして彼と一緒に仕事ができたことをとても感謝しています。

「捨てる!」技術は単なる生活の知恵にあらず

今日はIC協会の12月度セミナーが開催され、参加してきました。テーマは『「捨てる!」技術2010-SOHOオフィス編』ということで、家事セラピストとしてご活躍されている辰巳渚さんがご講演をされました。辰巳さんといえば、10年前にベストセラーになった『「捨てる!」技術』の著者としても有名ですよね。その著者から直接生の声を聴けるということで楽しみにしていました。辰巳さんによると、捨てる…のブームは直ぐ終わるだろうと思っていたそうです。でも10年経っても解決されていない。実際今年も「断捨離」(だんしゃり)なんていうのが流行ったりしましたよね。

セミナーの構成は最初の30分で自己紹介&イントロダクション。残りの時間で2班に分かれてのワークショップを行いました。自己紹介では、辰巳さんが現在行っている活動について、具体的な事例を交えながらお話ししてくださいました。ワークショップでは、各自が家庭やオフィスで片付けたくて気になっている場所を一つ選び、その様子を絵と文章で記述し、グループ内で発表し合います。そして他の人の発表を聴いて気になった点を抽出して、そのキーワードを付箋紙に書き出して共有して行きます。それをKJ法を使ってグループ化して分析をしていきました。最後は時間が足りなくて分析し切れませんでしたけど、それぞれの班がそれぞれの結果を発表しあい、最後に辰巳さんからの総評と参加者からの質疑応答という形でお開きになりました。

辰巳さんは本を書くことよりも講義をすることよりもワークショップに重点を置いているそうです。というのも、ワークショップは体験型の学習ということで、自分の中から答えを導き出そうとするプロセスであり、当たり前の原理原則を自分の中で納得するプロセスだからとのことです。今の若い方はすぐ結論に飛びつく。でも結論に至る紆余曲折を経る事が、人の力――特に考える力を伸ばしてくれるのだということを改めて認識させられました。

最初期待していたのとは異なり、予想に反して人間の本質に迫る内容だったので大変勉強になりました。後半の講義は時間の都合で省略されてしまったので、ぜひ続きを聴きたいと思います。辰巳さんはあちこちでワークショップを開催されているそうですので、機会があれば皆さんもぜひ参加してみて下さい。


辰巳渚オフィシャルサイト
http://www009.upp.so-net.ne.jp/tatsumi/index.html