プロジェクトオーガナイザの吉田聖書です。
今週の金曜日3月12日で
IT業界に入ってちょうど20周年になります。
20年という数字に自分自身が驚いています。
この節目に、
私の人生を二度変えた本を紹介したいと思います。
プロジェクトオーガナイザの吉田聖書です。
今週の金曜日3月12日で
IT業界に入ってちょうど20周年になります。
20年という数字に自分自身が驚いています。
この節目に、
私の人生を二度変えた本を紹介したいと思います。
ITコーディネータの吉田聖書です。
皆さんはこのゴールデンウィークは
どのように過ごされましたか。
私は10連休の前半は旅行に行ったのですが、
新幹線に乗る前に立ち寄った駅の書店で
ふとある書籍が目に留まり
珍しく衝動買いをしてしまいました。
ITコーディネータの吉田聖書です。
今回は約1年ぶりの読書感想です。
実は、年末くらいからよくSNSで見かけていて気になっていました。
なぜ気になっていたか。
気になりながらも読むことを見送っていたビジネス書の
その気になる中身を知ることができると思ったからです。
ITコーディネータの吉田聖書です。
久しぶりにシステム開発の話題です。
10年前に読んだ書籍で、
当時は全くと言っていいほど意味が理解できず、
改めて読んでみたところ新たな発見があった
というものをご紹介します。
数年前、IT業界(…の一部)ではNoSQL(ノー・エスキューエル)というのが流行りました。いや、正直なところ、流行ったと言えるほど一世を風靡したかというとそれほどではない気もしますが、今回ご紹介する書籍はNoUI(ノー・ユーアイ)を提唱しているものです。「Noなんとか」っていうのが流行ってるんですかね?
2010年代に入って日本で携帯電話(ガラケー)一色だったモバイル業界の勢力図がスマートフォンによって一気に塗り替えられてからというもの、様々な面白いアプリや便利なアプリが登場し、それに触発されて(私も含め)猫も杓子もスマートフォンアプリの開発に乗り出すといった状況になりました。スマートフォンアプリの入門書が氾濫し、入門講座もあちらこちらで開催され、本業とは別にアプリ開発でお小遣いを稼いでいる人もいるのではないでしょうか。
最近ではIoT(モノのインターネット)というバズワードに支えられるように、スマートフォンをリモコン代わりにして家電を操作するアプリとか、家や自動車の鍵をスマートフォンで開けるアプリなんていうものも登場しました。確かにそれは今までになかったアイデアではあるものの、それって本当に必要なんだっけ?アプリありき、画面ありきになっていない?と本書では警鐘を鳴らしています。
もちろん、そういったアプリが本当に浸透するためには、単に物理的に操作するだけでは得られないメリットが提供されなければなりません。例えばシェアリングサービスでは部屋や自動車の鍵をソフトウェアで管理することで、物理的なキーの受け渡しや、返却後の無効化など、これまで制約だった点が克服される事例も出てきています。単に、物理を電子に置き換えるだけでは何のメリットもありません。
もう10年近く前になりますが、支援に入ったある企業で業務の運用管理ツールをオンサイトで開発していたことがあります。但し、私が最初から開発したのではなく、過去に在籍していた技術者が残していったツールが乱立していたというのが実情で、私はそれらを整理・集約しつつ、必要な新しいツールを作成していました。当時の依頼者のオーダーのキーワードは「ボタン、ポン!」、つまりワンクリックですべてが完了するというものでした。せっかくツールを作っても複雑な手順が必要だったり、誤操作しやすいUIでは効果も半減。手順書すら必要ないシンプルなUIが技術を知らないオペレータにとっては一番使い易いということを見事に言い表したフレーズだと思います。
本書の本質(と私が考えるところ)は、突き詰めて考えると、「みんながやっているから何となく」という理由ではなくて、きちんと考え抜かれたUIであり、UXを提供するように心がけて欲しいということなのでしょう。システムであれば1から10まで指示しなくても、ワンストップで完結するのがベスト。アプリだってUIだって無くて済ませることが出来ればそれに越したことはないわけです。その為にはどうするか?…というところに知恵を出す。それが新しいイノベーションを生むのではないでしょうか。
書名:さよなら、インタフェース
副題:脱「画面」の思考法
著者:ゴールデン・クリシュナ
監訳:武舎広幸
翻訳:武舎るみ
発行:BNN新社/2015年9月16日
ISBN:978-4-86100-993-8
ここ数年で「~の教科書」というタイトルの書籍が増えてきた気がします。「教科書」という響きからは学校の授業で使う教材をイメージしてしまうので、個人的には入門書の意味合いで教科書と命名するのはいかがなものかと思っております。なぜなら、教科書は浅いけれども必要なことは万遍無く盛り込まれていますが、「教科書」というタイトルが付けられた書籍には必ずしもそうではないものもあるからです。とはいえ、本書は社会人になりたての方々に会議の心得を身に着けさせるための適切なガイドブックと言えるでしょう。
皆さんは会議は好きでしょうか。おそらく出席して良かったと思える会議とそうではない会議があることでしょう。無駄だなぁと思う会議はいろいろありますが、「報告事項を報告者が口頭で発表し、参加者一人一人が手帳にメモする」というのがその最たるものかもしれません。そんなものは資料化して配布すれば済みます。また、「議事録を次回の冒頭で読み上げる」というのもあります。これは開催頻度にも依りますが、例えば1か月前の議事録を次の会議で確認するというのではさすがにスピード感がありませんし、思い出すのも疲れます。議事録は開催直後に配布して認識を合わせておくべきだと思います。
私はどれだけの会議に出席したかは把握していませんが、社会人1年目の時に出席した会議が原体験となっているような気がします。当時はPCが一人一台という状況では(少なくともその職場では)なかったですし、会議もPC+プロジェクタではなくホワイトボード(感熱紙にプリントはできる)を使っていました。会議の「いろは」も分かっていませんでしたが、誰が進行するかによって会議の質も異なっているということは分からないなりにも感じていました。会議の進行については師匠から種々の心得を叩き込まれまして、いつの間にか難なく会議をこなせるようになってきました。進行だけでなく、本書の前半に書かれているような立場で会議の成果を何とか見える形にしようとしてきました。
そんなこともあり、上で述べたような経験を通して私の会議術というのは磨きをかけて行ったものですが、一方では私が身に着けたことをどのように若い人たちに伝えたらよいかという課題があります。本書はその観点でも参考になる部分が多くありました。というのも本書では、「確認するファシリテーション」⇒「書くファシリテーション」⇒「隠れないファシリテーション」⇒「準備するファシリテーション」という風に徐々にステップアップできるように組み立てられているからです。この順序に従うことで、読者ひとりひとりがご自身の成熟度に合わせて取組むことができると思います。
ファシリテーションというといわゆるフレームワークやファシリテーショングラフィックのようなものを連想される方も多いと思いますが、そのような高度なものではありません。会議に参加する心構えを変えるだけなのですが、すぐに効果が出ることが期待できる内容だと感じました。会議を効率化したい、効果が出るようにしたいと思われている、あるいは、そのようなテーマで人に教えたいと思われている方には是非読んでいただきたいです。
書名:世界で一番やさしい会議の教科書
著者:榊巻亮
発行:日経BP社/2015年12月15日
ISBN:978-4-8222-7178-7
IT業界で仕事をしていると、様々なことが技術的な問題として片づけられやすいのですが、実際には人の問題であり、突き詰めると組織の問題だったということが往々にしてあるものです。担当者によってスキルはばらつきがあると思いますが、個々の担当者はレベルが高いのに失敗が起こるとしたらそれは組織の問題と捉えて良いだろうと考えています。
多くの場合に失敗は現場で顕在化するため、組織は現場の問題として片付けたがる傾向がありますが、もし問題の根っこがプロセスや組織にあるとしたら、現場の問題、個人の問題として扱っている限りは失敗は無くならないでしょう。それ以上現場の担当者を責めても励ましても効果は上がらないと考えるべきです。
「失敗学」といえば元々は製造業界や建築業界で発生した事故の分析というイメージがありますが、今ではそこに留まらず幅広く組織で発生するトラブルを分析されているようです。本書は、失敗学を紹介する本ではなく、そんな失敗学の研究の成果を個人レベルで実践できるようにアレンジされたものです。見開きで右ページの本文と左ページの図解がセットで1つのトピックとなっており、読み進めやすく構成されています。
大まかな章立ては次の通りです。
こうして見ると、最初は確かに個人レベルの話なのですが、最後は組織レベルの話になっています。担当者一人一人が担当者としてスキルアップすることが、必ずしも組織としてレベルアップすることと等価ではなく、行きつくところは組織レベルでの取組みが必要だと理解しました。本書にもあるように「組織としての失敗対策はトップダウンしか為し得ない」ということです。
失敗についての情報はどうしてもネガティブなものとして捉えられ、蓄積や活用が進みにくいものです。特にトラブルの直接的な引き金になった担当者であれば尚更だと思います。そういうこともあり、組織のトップが率先して現場の失敗情報を吸い上げ、それをまた各現場に下ろして組織全体に行き渡らせるといった取組みが必要なのだと考えています。
書名:図解 使える失敗学
著者:畑村 洋太郎
発行:中経出版/2014年7月31日
ISBN:978-4-04-600238-9
本書はラジオで紹介されて興味を持ち、その日のうちに購入してしまいました。何が私の興味を引いたのか、それはタイトルに掲げられている問いそのものよりも、本書が書かれた趣旨だと思います。もしラジオで中身について触れられなかったら手に取ることはなかったでしょう。以前であれば「ハーバードなんて関係ない」とスルーしていたかもしれません。
タイトルにある「仕事術」ですが、これは組織の中で「部下として」成果を出すためのスキルだと言います。一方、ハーバードビジネススクールで教えていることは「上司として」成果と出すためのスキルなのだそうです。上司としてというとなんだか小難しそうに聞こえますが、何のことはない「リーダーシップ」について教えているということです。当たり前のことですが、いずれも「読めば身に付く」という類のものではなく、実践して時には失敗しながら会得していくものだろうと考えます。
本書は全部で120項目について書かれていますが、見開き2ページで1項目についての解説が完結しているのでスラスラ読めます。この120項目がリーダーシップについて網羅されたリストだとは言っていませんが、「なるほどそうだよね」とか「え、そうなんだ」とか、自分に欠けているものに気付かせてくれ、今後の学びのヒントを得られます。
例えば社内政治。私の想像では(自分がそうだからそう思うのかもしれませんが)きっと多くの人が遠ざけているものでしょう。しかし本書では、社内政治には良いものと悪いものがあり、社内政治そのものは悪くなく、進んで参加するように奨めています。ついでに言うと、この項目は「社内政治」についてだけではなく、偏見を捨てるべきであることを添えていますが、その点こそ記事の本質ではないかと思うのです。
本書もまた、字面だけ表面的に読めばそれでおしまいなのですが、本質に迫る読み方をすることで「悟り」すなわち成長につながっていくのではないかと思いました。
—-
書名:ハーバードはなぜ仕事術を教えないのか
著者:佐藤智恵
発行:日経BP社/2015年4月21日
ISBN:978-4-8222-5071-3
私は社会に出てから、というよりこのIT業界で働くようになってから、技術系の本ばかりでなくビジネス書(いわゆる自己啓発本も含む)をよく読むようになりました。少なくとも私自身は技術力で勝負するつもりはなかったので、もっとビジネス的なセンスを養いたいと思ったからなのでしょう。
ビジネス書をいろいろ読んでいくと、それぞれは素晴らしいのですが、それらを全て実行しようとすると本の数だけやるべきことがあり、挫折感ばかり味わうということになりかねません。社会に出て10年以上が経過しましたが、本書を読んでそれぞれのテーマがようやくつながったのです。さすがに全てとは言いませんが、私が読んだ中で多くの本が持つ共通項は「悟り」です。
悟りや潜在意識というとなんだか胡散(うさん)臭く感じるかもしれませんね。書店で見かけたときも一瞬そのように思って躊躇しました。一時期「マインドコントロール」という言葉が流行り、今でも時々マインドコントロールに関わる事件のニュースを耳にします。そのような事件は何故と思う一方で怖いと感じるものです。それはいかに潜在意識が影響を受けやすいかということを示しています。だから、自分で自分にマインドコントロールを施す(いわゆる自己暗示をかける)ことによって自分を変えることが出来るということのようです。
本書を読み進めていくと、潜在意識の性質(メカニズム)について、またその性質を利用してどのように自分を変えられるのかについて、理論と実例が記されています。そして変化を起こす手順は次の通りです。
願っても叶えられないのは願うだけで止まってしまうからです。だからよく成功した著名人が「目標には日付を入れなさい」と言ったり、「出来ない理由ではなく、やるための方法を探しなさい」と言ったりするのは理に適っているのですね。
また、潜在意識は影響を受けやすいため、潜在意識に届ける情報を自分で選択する必要があるそうで、善良な考えを持てば良い事が起こるし、邪悪な考えを持てば悪い事が起こるということです。潜在意識は反論することなく意識(=心の声)の指示に必ず従うのだそうです。そういえば、私がかかっている歯医者では、歯列の矯正をしていた時「この歯で噛みなさい。思うだけでも良いから」と毎回受診の度に言われていました。今思うと、これも歯科医師が潜在意識の力を理解してそのように指導していたのだなと思わされます。
さて、私の頭の中でつながった書籍をいくつかご紹介します。
このように「悟る」というテーマが異なる切り口のビジネス書の根底に垣間見られることから、「悟る」ということがビジネスでもプライベートでも自分を成長させる鍵になるのではないかと思っています。私も願い、期待し、良い結果をイメージすることから始めたいと思います。
書名:潜在意識をとことん使いこなす
著者:C・ジェームス・ジェンセン
訳者:大沢章子
発行:サンマーク出版/2015年2月20日
ISBN:978-4-7631-3441-7
本書は10年くらい前に買った本ですが、そもそも何で買ったのか当時の背景は忘れてしまいました。私は人前で話すことに苦手意識を持っており、コンプレックスを抱いていたからかもしれません。今回、本棚の整理をしていて捨てるかどうか判断するためにもう一度読んでみることにしました。
著者は元NHKのアナウンサーということで言ってみれば話すことについてのプロフェッショナルです。またNHKを退職してフリーのアナウンサーになるというケースが多い中、著者は政治家の秘書を経て医者になったという異色の経歴をお持ちです。
私がこれまで出会った方々を見ていて、確かに話の上手い下手というのはあると思います。しかし著者は、弁が立つ(=話が上手い)人ほど言いたいことが伝わりにくいと述べています。なぜなら、自分は話が上手いと思っている人は困難な状況に対して口先でごまかしてしまうからだと言います。話が流暢で長い割には中身が無く、聞いている方も時間を奪われ、体力も気力も消耗します。
逆に口下手な人は、それができないので、どのように伝えたら伝わるかということを真剣に考えることができるのです。その考え抜いた結果がタイトルにもある「最初のひと言」だというのです。ただ、「最初のひと言」というのは少し極端な表現にも聞こえますが、「最初の15秒が勝負」だと著者は述べています。何故でしょうか。
ところで、多くの人がSNSを始めた頃はタイムラインに流れてくる記事を1つ1つ丁寧に読んでいませんでしたか。そして、友達やフォローの数(繋がりの数)が増えるに連れ、流れてくる記事の量が増えてくると流石に全ての記事を読むことを諦めざるを得ない状況になっていることもまた現実としてあるのではないでしょうか。
また、幼少の頃は、新聞は最初から最後まで毎日熟読するものだと思っていました。しかしそれではいくら時間があっても足りませんよね。後になってから、新聞というのは見出しだけ見て気になる記事だけを拾って読むものだと知りました。つまり、「最初の15秒」とは記事の見出しの役割を果たし、それにより、その話は聴く価値のある話かどうかを判断するのです。
本書はタイトルの割には内容が散漫な印象を受けますが、著者がアナウンサー時代に培った「すぐにでも使える具体的で実践的なテクニック」が豊富に掲載されていますので、プレゼンテーションやスピーチの腕を磨きたい人にはお勧めです。
書名:話は最初のひと言で決めなさい
副題:長い話じゃ人は聞かない
著者:吉田たかよし
発行:中経出版/2004年2月19日
ISBN:4-8061-1971-7