『変化への対応』というテーマは今に始まった話ではない

昨年からJSDGの有志で「近江商人オフ」と題して『てんびんの詩』を鑑賞してディスカッションをするオフ会を去年から続けていましたが、先週末3回シリーズの最終回が開催され、参加して来ました。「てんびんの詩」は3部構成で毎回1部ずつ鑑賞するのですが、去年5月が第1回、11月が第2回、そして今回が完結編となりました。

第3部は「激動編」。第1部「原点編」及び第2部「自立編」もかなり激動だったので、第3部はどれだけ激動なのだろうかと話しながら鑑賞を始めました。内容としては全3部を通して商売の本質というテーマが根底にあるのですが、近江商人の精神を伝えているのは第1部と第2部で、第3部はそれらを踏まえた上で「時代の変化にどう対応すべきか」というテーマで綴られている感じがしました。それはそれですばらしい内容なのですが、メンバー間の感想としてはこのシリーズの真髄は第1部・第2部だね…というところで落ち着きました。

それにしてもバブル絶頂期に制作されたとは思えないほど、今でも通用する原則が描かれていることに驚きます。特に現在は時代の変化が大きくて激動の時代だなどと言われますけど、それは今に始まったことではなくて戦後からそういった状況は続いて来ていたんだと知らされました。そして当時からずっと「変化への対応」が課題であり、しかもそれが未だに解決されていないということにも驚嘆せざるを得ません。きっとこれからもテーマであり続けるでしょう。

過去にこだわって明日を見ず、過去の栄光にしがみついて変化に抵抗すると必ずやられる。むしろ時代に合うように自分を変えていくべしと、繰り返し繰り返し角度を変えてメッセージを伝えていました。作中では『永遠に続く戦争は無い』という台詞が2回出てきましたけれど、私は逆に「永遠に続く繁栄も無い」としても通じるのではと思いました。

尚、時間が余ったので、参加者の一人が持参した「presentation zen」のDVDを鑑賞して意見交換を行いました。下のAmazonのリンクは書籍版ですが(追記:DVDのリンクも追加しました)、それを著者のトークで分かりやすく解説したDVDでした。今まで聴いてきたプレゼンテーションが必ずしもお手本として適していないかもしれない。もっと掘り下げて勉強してみたいです。


てんびんの詩 ―㈲日本映像企画
http://tenbinnouta.com/


Facebookに見出せるビジネス面での可能性とは?

日が変わってしまいましたが、昨日(20日)はIC協会の1月度セミナーが開催され、参加してきました。今回のテーマは『今大注目のソーシャルメディアFacebookで何ができるか?』ということで、株式会社コムニコの代表取締役 林雅之さんが講演されました。日本でも遅まきながらユーザーを増やしつつあるFacebookをビジネスに活用している事例を紹介して下さいました。

林さんは具体的にはFacebookやTwitterなどを使ったマーケティングやブランディング支援を企業向けにされているそうで、Facebookの実物を操作しながら、機能の紹介およびその機能を使って出来ることの実演を行って下さいました。やはり驚いたのはサイトを運営していくために必要なアクセス統計の機能や、簡単に広告出稿できる機能が標準で搭載されているという点でした。しかも広告はプロフィールの属性を基に、特定の層だけに表示させることが可能なのです。こういうのは特にビジネスで利用することを考えている人にとっては嬉しい配慮ですよね。

ファンページという機能の紹介もあり、これがなかなか面白い。何が面白いかというと、これはFacebookというプラットフォーム上に作成するウェブサイトですね。しかもCMSとしての機能が充実していて、自前でサーバーを立ててCMSを構築するより維持管理のコストも抑えられそうです。そして企業やブランドのオフィシャルかそうでないかという区分があるという点もよく練られている。FacebookのPV数がGoogleを超えたというのも頷けます。

Facebookは以前から気にはなっていたのですが、正直なところこれまであまりアクティブでなかった種々のSNSがあり、更にもう一つ加えるのか…という気持ちから登録を躊躇(ためら)っていました。ただ、これまで知らなかったFacebookの側面を知る事が出来、某SNSではやりづらかったビジネスへの活用という発想ならば試してみる価値はあるのではないかということで、帰宅してから早速登録してみました。(まだほとんど書いていませんが)

あと、Facebookは実名登録と一人1アカウントの原則で運営されているというお話を伺ったのですが、それは将来に渡って是非貫いて欲しいなと思いました。というのも某SNSも私が登録した時は皆さん実名だったのに、いつの間にか実名を控えるように方針が変わってしまい、それが残念でならなかったからです。実名での参加は実社会と同じ、トラブルも起こり得る。匿名にしたからといってトラブルが根絶できるわけではない。少なくとも皆が実名で参加できるコミュニティが1つは存在し続けて欲しいと願って止みません。


1年後の自分をイメージする

あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、元日なので一年の計を…と思ったのですが、何気なくネットの記事を読んでいたらあるブログの内容に引っかかりました。それは大木豊成さんの「2011年になって急発進できるわけではない【就活生へ】」というエントリー。私は就活生ではないのでコメントすべきではないのかもしれない。ですが、就活生(という表現が良いのかは別として)だった頃の自分を思い出すと、まさにそこに書かれている「言い訳大好き人間」だったなぁと思うのです。私は4年生のときに就活で挫折を味わいました。ありがたいことに(休学・復学をして)再チャレンジの機会が与えられ、その時には以前の二の舞にならないように卒業までの行動計画を立て、最後の1年を就活せずに学生として全うしたという経緯があります。(卒論が終わってから就活したのですが、このネタはいずれまた。)

少し話が逸れましたが、大木さんによるとゴールから逆算して計画を立てろ…ということなんですね。これも私が苦手なことで、子供の頃には良く親から説教されました。理屈は簡単です。ではなぜ実行できないか。それを考えていたときに別のブログ記事に辿り着きました。それは坂本史郎さんの「頭のいい人ほど気づきづらい「時間のトリック」と「負け癖」」というエントリー。(これは2部構成になっていて、後半の「負け癖」も面白いキーワードなのですが、ここでの本題から外れるので割愛します。)そこで言われている「時間のトリック」というのが一つのキーワードですね。

なぜ計画(夢でも良い)を実現できないか。坂本さんは『夢は段階的に実現するという性質を持っているからです。結果が一足飛びにはやって来ません。』と述べています。それを解決する一つの方法が大木さんも述べている(引用かな?)『ゴールを確認し、タイムラインを引いてから取り組む』つまりゴールから逆算して計画を立てるということです。でもそれができないのは何故か。これは各自の責任だと思うのですが、ゴールを明確にイメージできていないからではないでしょうか。学生であれば就職でも卒業でもゴールになりうる。しかし社会人の場合は難しい。誰かがゴールを設定してはくれないからです。自分で設定するしかない。

そういうことを想起しながら、1年後の自分の姿、仕事の状況、周囲の状況をイメージすることから始めたいと思います。