新しい手法で結果が出ない理由

プロジェクトオーガナイザの吉田聖書よしだみふみです。

プロジェクトに限らず
ビジネスではよくフレームワークが登場します。
ところが、新しいフレームワークを試したが
思うような成果が出せないということがあります。

フレームワークやツール、整理法などを
ここではまとめて「手法」と呼ぶことにします。

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議論がグルグルと回ってしまう時の対処法

プロジェクトオーガナイザの吉田聖書よしだみふみです。

人と話をしている時、
話題がどんどん変わっていって
しばらくするとまた
元の話に戻っていることがあります。

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欠点を克服する逆転の発想力

ITコーディネータの吉田聖書よしだみふみです。

先日、逆境におけるマイナス面を
プラスに転化した例が報道されました。
面白いと思ったのでご紹介します。

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何故いつも会議の時間をオーバーしてしまうのか?

ITコーディネータの吉田聖書よしだみふみです。

働く多くの人にとって会議というのは避けて通れないもの。
もっと効果的な会議が出来ないものだろうかと
頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。

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「世界で一番やさしい会議の教科書」榊巻亮 著

ここ数年で「~の教科書」というタイトルの書籍が増えてきた気がします。「教科書」という響きからは学校の授業で使う教材をイメージしてしまうので、個人的には入門書の意味合いで教科書と命名するのはいかがなものかと思っております。なぜなら、教科書は浅いけれども必要なことは万遍無く盛り込まれていますが、「教科書」というタイトルが付けられた書籍には必ずしもそうではないものもあるからです。とはいえ、本書は社会人になりたての方々に会議の心得を身に着けさせるための適切なガイドブックと言えるでしょう。

皆さんは会議は好きでしょうか。おそらく出席して良かったと思える会議とそうではない会議があることでしょう。無駄だなぁと思う会議はいろいろありますが、「報告事項を報告者が口頭で発表し、参加者一人一人が手帳にメモする」というのがその最たるものかもしれません。そんなものは資料化して配布すれば済みます。また、「議事録を次回の冒頭で読み上げる」というのもあります。これは開催頻度にも依りますが、例えば1か月前の議事録を次の会議で確認するというのではさすがにスピード感がありませんし、思い出すのも疲れます。議事録は開催直後に配布して認識を合わせておくべきだと思います。

私はどれだけの会議に出席したかは把握していませんが、社会人1年目の時に出席した会議が原体験となっているような気がします。当時はPCが一人一台という状況では(少なくともその職場では)なかったですし、会議もPC+プロジェクタではなくホワイトボード(感熱紙にプリントはできる)を使っていました。会議の「いろは」も分かっていませんでしたが、誰が進行するかによって会議の質も異なっているということは分からないなりにも感じていました。会議の進行については師匠から種々の心得を叩き込まれまして、いつの間にか難なく会議をこなせるようになってきました。進行だけでなく、本書の前半に書かれているような立場で会議の成果を何とか見える形にしようとしてきました。

そんなこともあり、上で述べたような経験を通して私の会議術というのは磨きをかけて行ったものですが、一方では私が身に着けたことをどのように若い人たちに伝えたらよいかという課題があります。本書はその観点でも参考になる部分が多くありました。というのも本書では、「確認するファシリテーション」⇒「書くファシリテーション」⇒「隠れないファシリテーション」⇒「準備するファシリテーション」という風に徐々にステップアップできるように組み立てられているからです。この順序に従うことで、読者ひとりひとりがご自身の成熟度に合わせて取組むことができると思います。

ファシリテーションというといわゆるフレームワークやファシリテーショングラフィックのようなものを連想される方も多いと思いますが、そのような高度なものではありません。会議に参加する心構えを変えるだけなのですが、すぐに効果が出ることが期待できる内容だと感じました。会議を効率化したい、効果が出るようにしたいと思われている、あるいは、そのようなテーマで人に教えたいと思われている方には是非読んでいただきたいです。


 書名:世界で一番やさしい会議の教科書
 著者:榊巻亮
 発行:日経BP社/2015年12月15日
 ISBN:978-4-8222-7178-7

駄洒落と真面目に向き合ったセミナー

本日はIC協会の月例セミナーがあり、2カ月ぶりに参加してきました。本日は「爆笑する組織~人間関係を強くする『だじゃれ』仕事術~」というタイトルでのワークショップでした。駄洒落好きのワタクシとしては何やら楽しそうなテーマではありませんか。講師は一般社団法人日本だじゃれ活用協会(!)代表理事の鈴木さん。「だじゃれは世界を救う」というスローガンを掲げて駄洒落活用法のワークショップを精力的に開催していらっしゃる方です。何でも当初は企業向けの研修を中心だったのが、気が付けば専門学校生やら学童保育のスタッフやら幅広い層を相手に教えていて、ご本人も思いがけない展開だったとか。

駄洒落というとどうしてもイメージしてしまうのが「おやじギャグ」。どうしてもそういううっとうしい世界を連想してしまいがちなのですが、おやじギャグと駄洒落の違いは明白で、おやじギャグというのは自己中心(つまり思いついてしまったので文脈を問わずとにかく言わずにはいられない)であり、駄洒落というのは他者貢献(人を楽しませようとか、場を和ませようとか、とにかく相手のことを考える)であるということでした。

今回のワークショップは、駄洒落を仕事(例えばプレゼンテーションやチームビルディングなど)に取り入れるとどのような効果があるかというテーマでのグループディスカッションから始まりました。プレゼンテーションについては、「注意を引き付ける」「キャッチなことを言うトレーニングになる」「双方向のコミュニケーションを生み出す」など、またチームビルディングについては「伝えにくいことを伝える時に使えそう」「メンバー同士の距離が近くなる」「滑ってもいい=失敗してもいいという雰囲気が生まれる」などの意見が出ました。

説明の中で一番わかりやすかったのは「なでしこジャパン」の佐々木則夫監督が使った駄洒落の事例です。鈴木さんは「爆笑する組織」を著す際に直接佐々木監督に取材したこともあるそうですが、やはり駄洒落というのは無闇矢鱈に使うべきではなく、使う場面は選んでいるのだそうです。メンバーが緊張して固くなっている時はほぐすために使うが、逆に緊張感を維持する必要がある時は言わないといったさじ加減は肝に銘じたいですね。

セミナーの中では実践編として駄洒落をいかに素早く作り出すかといったトレーニングもあり、普段使わない頭を使った気がします。また、今日のセミナーでは範囲外だったのですが、参加者の方々は「スベった時の対処法」に関心が高かったようでした。確かにトラぶった時のための手先に打っておくというのはICらしい発想ではあります。著書では触れているそうですので、ワタクシも読んで勉強したいと思います。もし今後ワタクシが駄洒落を言っても温かく見守ってくださいね。

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一般社団法人 日本だじゃれ活用協会
http://www.dajare-zukai.jp/

「話は最初のひと言で決めなさい」吉田たかよし 著

本書は10年くらい前に買った本ですが、そもそも何で買ったのか当時の背景は忘れてしまいました。私は人前で話すことに苦手意識を持っており、コンプレックスを抱いていたからかもしれません。今回、本棚の整理をしていて捨てるかどうか判断するためにもう一度読んでみることにしました。

著者は元NHKのアナウンサーということで言ってみれば話すことについてのプロフェッショナルです。またNHKを退職してフリーのアナウンサーになるというケースが多い中、著者は政治家の秘書を経て医者になったという異色の経歴をお持ちです。

私がこれまで出会った方々を見ていて、確かに話の上手い下手というのはあると思います。しかし著者は、弁が立つ(=話が上手い)人ほど言いたいことが伝わりにくいと述べています。なぜなら、自分は話が上手いと思っている人は困難な状況に対して口先でごまかしてしまうからだと言います。話が流暢で長い割には中身が無く、聞いている方も時間を奪われ、体力も気力も消耗します。

逆に口下手な人は、それができないので、どのように伝えたら伝わるかということを真剣に考えることができるのです。その考え抜いた結果がタイトルにもある「最初のひと言」だというのです。ただ、「最初のひと言」というのは少し極端な表現にも聞こえますが、「最初の15秒が勝負」だと著者は述べています。何故でしょうか。

ところで、多くの人がSNSを始めた頃はタイムラインに流れてくる記事を1つ1つ丁寧に読んでいませんでしたか。そして、友達やフォローの数(繋がりの数)が増えるに連れ、流れてくる記事の量が増えてくると流石に全ての記事を読むことを諦めざるを得ない状況になっていることもまた現実としてあるのではないでしょうか。

また、幼少の頃は、新聞は最初から最後まで毎日熟読するものだと思っていました。しかしそれではいくら時間があっても足りませんよね。後になってから、新聞というのは見出しだけ見て気になる記事だけを拾って読むものだと知りました。つまり、「最初の15秒」とは記事の見出しの役割を果たし、それにより、その話は聴く価値のある話かどうかを判断するのです。

本書はタイトルの割には内容が散漫な印象を受けますが、著者がアナウンサー時代に培った「すぐにでも使える具体的で実践的なテクニック」が豊富に掲載されていますので、プレゼンテーションやスピーチの腕を磨きたい人にはお勧めです。


書名:話は最初のひと言で決めなさい
副題:長い話じゃ人は聞かない
著者:吉田たかよし
発行:中経出版/2004年2月19日
ISBN:4-8061-1971-7

「申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。」カレン・フェラン 著

何とも過激なタイトルに惹かれてつい手に取ってしまいました。最初は懺悔の手記かと思ったのですが、そうではなく(一部は懺悔もありますが、実際に潰したということではないようです)著者自らがコンサルタントとして携わった失敗事例と成功事例とに基づく研究の成果をまとめた本です。

世の中にはビジネスモデルや経営理論といったもので溢れており、状況によってはフレームワークとか、ソリューションとか、メソッドとか呼ばれることもありますし、コンサルファームに在籍していなくてもある種の資格試験に出題されることもありますので、それらのうちいくつかは知っているという方が多いと思います。ただ、例えば3Cや4Pなどの名前や内容は知っていても、それらが生まれた背景まで辿って理解している人は少ないかもしれません。(私だけでしょうか。)

本書は次のようなテーマを扱っています。

  1. 戦略計画
  2. 最適化プロセス
  3. 数値目標
  4. 業績管理システム
  5. マネジメントモデル
  6. 人材開発プログラム
  7. リーダーシップ開発
  8. ベストプラクティス

本書はこれらのモデルや理論の欠点をあげつらって溜飲を下げるための本ではありません。本書を読む限り、少なくとも1回はそれらのモデルや理論は効果を表し、成功を収めたものがほとんどです。ポイントはそれらのモデルや理論が「いつでもどこででも効果的」というわけではない点です。

モデルや理論の適性や、状況を見極めずにそれらを適用した場合にどのような悲劇が起こるかという悪いシナリオが事実に基づいて記されています。最後には、クライアントの立場で物を考えずに闇雲にベストプラクティスを当てはめようとするコンサルタントを避けるように警鐘を鳴らして締めくくっています。

これらのモデルや理論がうまく機能するためには。それぞれいくつかの前提条件があります。それらの前提条件が満たされていなければ当然ながらそれらに基づく活動は失敗します。前提条件の中には業種や業態といった固定的なものから、事業規模や従業員といった流動的なものまであります。

うまくいかなかった失敗事例では、単なる事の顛末の記録に止まらず、何故うまくいかないのか、その理由について分析しており多くの示唆を与えてくれます。また、それらのモデルや理論に頼らずに(むしろモデルや理論の方針とは正反対のことを実施して)成功を遂げた例も豊富に記されています。モデルや理論があくまでも「型」に過ぎないのだということを再び想起させてくれます。

2週間くらい前に買ってから既に2回通読しましたが、これからも度々読み返そうと思います。


書名:申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。
副題:コンサルタントはこうして組織をぐちゃぐちゃにする
著者:カレン・フェラン
訳者:神崎朗子
発行:大和書房/2014年3月30日
ISBN:978-4-479-79433-2

講演・セミナーを円滑に進めるアイスブレイク

日付が変わってしまいましたが、昨日10日はIC協会の月例セミナーがあり、参加してきました。今回のテーマは「3分で心をつかむアイスブレイク」ということで、IC協会の会員でもあるマイソリューションズの山村祐里江さんを講師に招きワークショップを行いました。

アイスブレイクというと、講演やセミナーに全く参加したことない方にはイメージが湧かないかもしれないのですが、芸で言うと「つかみ」に当たる部分と言えば理解して頂けるでしょうか。つまり、参加者の緊張をほぐしてセッションを円滑に進めるためのテクニックです。講演やセミナーの中では脇役であるため普段なかなかフォーカスが当たらないものですが、私自身も数は少ないながら講演やセミナーで登壇した経験から、アイスブレイクは是非身に着けたいスキルであると感じていました。

私の中ではアイスブレイクも含めて事前に周到に準備しておくものと思っていたのですが、必ずしもそうではなくて、準備の不要なものであればネタのバリエーションをストックしておいて必要な時にアドリブで実施することもあるようです。何より、目的(セッションのテーマや参加者の属性など)に合わせてどんな手法を用いるかを選択すべきなんだなということを理解しました。

いずれにせよ、アイスブレイクは講演やセミナーの全体からすれば枝葉末節であり、まず考えるべきは講師自身がその時間・空間を楽しみ、笑顔で参加者と接することを心掛けるべきで、アイスブレイクはその延長線上において実施されて初めて効果があるものだということを認識しました。