何故いつも会議の時間をオーバーしてしまうのか?

ITコーディネータの吉田聖書よしだみふみです。

働く多くの人にとって会議というのは避けて通れないもの。
もっと効果的な会議が出来ないものだろうかと
頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。

会議に関する書籍はたくさん出版されています。
一言で会議と言っても、その位置付けや目的によって
最適な会議のスタイルは異なってきます。
どんな書籍でも参考になるかというとそんなことはなく、
全ての会議で共通して参考になるものは無いと言っていいでしょう。

私がかつて師匠に呼ばれて
技術的な支援として関わったクライアントでの話です。
その会社の技術部門では、
毎週月曜日に2時間の枠で定例会議を行っていました。
しかし、話し合うべき内容も多く、
2時間をオーバーしてしまうこともよくありました。

そうなると当然、
各従業員が自分の作業を行う時間が少なくなります。
そしてみんなが自分の持ってきた議題を
優先的に取り上げてもらいたいと思っています。
そういう議題の多くは準備不足で、
みんなで話し合うには充分に練られていません。

そういう会議が続いた後、
師匠が議題の優先度のつけ方について以下ようなルールを作りました。

  1. 資料が用意され、案のあるもの
  2. 資料が用意され、案がないもの
  3. 資料はないが、案のあるもの
  4. 資料も案もないもの

シンプルで納得感のあるルールです。
これに対してだれも反対する人はいませんでした。

この単純なルールによって、
ちゃんと準備してくる人を優先することになり、
準備して来ない人は取り上げてもらえないので
誰もが準備せざるを得ない環境を作ることが出来ました。

以上の事は10年以上も前の話ですが、
今春発売された会議についての書籍
「最高品質の会議術」にはこのように書かれています。

提案内容の水準が高ければ、定例会議でも簡単な質疑応答で疑問点を確認すれば、ほんの数分で十分に意思決定ができることもあります。効率的な会議を実現するためには、提案そのものの水準を高める努力が不可欠なのです。

前田鎌利著「最高品質の会議術」(ダイヤモンド社)

会議の質は準備で決まると言っても過言ではないということ。
師匠もよく口癖のように
「手ぶらの会議はするな」
と言っていました。
これは、準備が不十分な思い付きの会議では
時間を無駄に過ごすばかりで大した成果は出ない
ということを知らしめたかったのでしょう。

会議は時間をかければ良い成果が得られるという活動ではありません。
もし時間をかけるとしたら、その準備にかけるべきです。
そのことによって短い時間でも期待する成果を得られるのです。

尚、本書は会議全般というよりも、むしろライン部門など
組織における会議のノウハウが詰まっています。
組織形態によっては完全にマッチしないかもしれませんが、
ある程度応用は出来るのではないかと思います。

また、単なる会議のノウハウに留まらず、
人材育成などキャリアアップの方法論も具体的で
同じような形態の組織に属している方にとっては
参考になる面が多い内容となっています。

会議を通して部下を育成するという発想はなかったですが、
マンツーマン(本書の表現では1on1)での話し合いも
広い意味で会議と言えるでしょう。
そう考えると何も突飛なアイデアではなく、
多くの組織でごく普通に行われていることを
伝えるために上手く表現したのだと捉えています。


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