東京メトロが実証実験/号車ごとの混雑状況表示で乗客の行動がどう変わるか

プロジェクトオーガナイザの吉田聖書よしだみふみです。

12月11日に東京地下鉄株式会社(東京メトロ)がニュースリリースを出しまして、行動変容の効果を検証する実証実験第2弾を実施すると発表しました。

号車ごとのリアルタイム混雑状況をホームのディスプレイに表示し、行動変容の効果を検証する実証実験第2弾を実施します!(2023/12/11 東京地下鉄株式会社)

具体的な実験の内容は、東京メトロ半蔵門線の青山一丁目駅のホームに設置しているディスプレイに、次に到着する列車の、号車ごとの混雑状況を表示することで、ホーム上で列車を待っている人の行動がどう変わるかを検証するというものです。ただし、実験が行われるのは渋谷方面行きのホームだけで、半蔵門方面行きのホームとか銀座線のホームは対象外のようです。

これは私も知らなかったんですが、同様の実証実験を昨年、東京メトロ東西線の早稲田駅でも行っていて、一定の効果が見られたと総括されたんですね。そこで、より利用客数の多い青山一丁目駅でやってみようと、そしてディスプレイの台数も増やしてみようということで第2弾の実証実験が企画されたようです。

どうやって混雑状況を測定するのかということなんですが、青山一丁目の隣の駅である永田町駅のホームにDepth(深度)カメラを設置して、その映像をホームに設置したエッジサーバを経由してクラウドサーバに送信し、クラウドサーバ上で混雑状態を解析して青山一丁目駅のディスプレイに表示するのだそうです。てっきり、列車の中にカメラを設置するんだと思っていましたが、それだと列車の分だけカメラを設置しなければいけないのでコストがかかるのかもしれませんね。

ちなみにDepthカメラというのは映像を3次元で捕らえることができるデバイスで、画像解析によって被写体までの距離を把握することができるというものです。私たちの身の回りにあるものですと、スマホやノートパソコンなどの顔認証に利用されています。Depthカメラと言ってもいくつかバリエーションはありますが、今となってはそれほど珍しいものではないということですね。

こういう取り組みは面白いですね。第1弾の実証実験の結果では一定の効果ありと評価されたようですが、いつでもどこでも効果があるかというと、そうでもないんじゃないかなという気がしています。

例えば銀座線だったら大抵はどの車両も混んでいますよね。朝晩のラッシュ時間帯であればどの路線でも混雑してそうです。ディスプレイに表示される混雑状況は「座席に座れる」「ゆったり立てる」「肩が触れ合う」「かなり混雑」の4段階で表示するとのことですが、明らかに号車によって偏りが発生し得る時間帯でないと行動変容にまで至らない気もします。

それに、表示されるのは次に来る列車に乗っている人たちの情報なので、自分が待っている駅でどれだけの人が降りるのかという情報は無いわけです。どの号車も混雑していて、ちょっとだけましな号車に乗ろうとしたとしても、その号車ではあまり人が降りなくて、すごく混雑していた号車からは人が大量に降りてガラ空きになるということもありますよね。


※ この記事は、先日公開した以下の音声コンテンツを基に編集したものです。


今後は、そういった「どの駅でどの号車からどれだけの人が降りるのか」という傾向を可視化して、その情報も併せて表示するようにしてもらえれば、どの号車に乗ろうかなという判断材料がもう一つ増えることになります。でも実際には、自分が降りようとしている駅の出口の位置とか、自分が乗ろうとしている駅で待っている人の行列の長さとか、乗車位置を判断するのにいくつものパラメータがあるので、今回の仕組みが本格導入されたとしても一気に快適な鉄道ライフになるということではなさそうです。

実は私も実際に青山一丁目駅に見に行きまして、貼ってある写真はその時に撮影したものですが、昼間の時間帯だったためか、あるいは「調整中」のためか、どの車両も一様な混み具合と表示されていました。あと、前の駅を発車した後に解析をしないと意味がないので、これが表示されるタイミングが到着の直前だったんですよね。そのタイミングで自分が並んでいる位置が混雑していると表示されても、ホームの混雑具合によっては「じゃあ空いているところに移ろうか」とはならなそうな気がしました。「調整中」とあるので、まだまだ改良はしていくんでしょうね。実験結果を是非とも公表して欲しいですね。



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