大学入学共通テスト、カンニングは防げるか

プロジェクトオーガナイザの吉田聖書よしだみふみです。

先月行われた大学入学共通テストで、試験時間中に問題が外部に流出したという事件が発生しました。今回はこのニュースを取り上げ、カンニングを防ぐ手立てを考察してみたいと思います。

ニュース記事は様々なメディアに掲載されていますので、代表的なものを一つリンクしておきます。

電子機器進化に対策追いつかず 後絶たぬカンニング(2022/1/29 THE SANKEI NEWS)

この記事にもあるように、電子機器を使ったカンニングというのは過去にもありました。ただ、過去の事件はガラケーだったのに対し、今回はスマートフォンであり、過去の事件は文字ベースの流出だったのが、今回は動画の流出だったというのが印象的です。昔は計算機能付きの腕時計の持ち込み禁止という注意書きがありましたが、最近ではスマートウォッチが持ち込み禁止ということになっているのでしょうか。

今後、スマートグラスとかが普及すれば眼鏡と区別するのが難しいという状況も起こり得ます。また、ブレイン・マシン・インタフェースといって頭で考えただけでコンピュータにアクセスする研究もされており、そうなるともはや持ち込むといった概念が変わってきそうです。電子機器の持ち込みを禁止したとしてもそれはあくまでもポリシーの話で対策にはならないですし、逆に持ち込む人がいるという前提で対策を考える必要があると考えます。

テストの話から外れますが、15年くらい前までは電車の中では「混雑時は携帯電話の電源をお切りください」というようなアナウンスが流れていました。当時はまだ回線が第2世代、いわゆる2Gと呼ばれるものでして、心臓ペースメーカーなどの医療機器に悪影響があるからという背景がありました。

私がひねくれているのかもしれませんが、そのアナウンスを聞いていつも不快な気持ちになっていました。電車内で携帯電話を使うなと言っても使う人がおり、一方でそれを不快に思う人が注意して車内がざわつくといったことを度々経験したからです。だから、電車の車体を丸ごと電磁遮蔽して、いっそのこと技術的に使えなくしてしまえばいいんじゃないかと当時は思っていました。

電磁遮蔽っていうのは分かりやすく言うと電子レンジの扉です。あれはよく見ると金網のような構造になっていて、特定の波長の電磁波が外に漏れないように設計されています。もしあれがなかったら我々は死んでしまいます。ただ、電車を電磁遮蔽しても、携帯電話の電源が入って電波を出していれば、通信は出来なくても医療機器に影響があるのは変わらないのでこの案はダメです。

ですが、カンニング対策には使えるのではないかと思います。つまり、試験会場全体を電磁遮蔽してしまえば、試験会場にスマートフォンのような外部と通信できる機器を持ち込んでも、結果的に通信できないということになります。あるいは電磁遮蔽が物理的に難しければ、電波を使って試験会場内をジャミングしてはどうでしょうか。


※ この記事は、先日公開した以下の音声コンテンツを基に編集したものです。


あるいは、今の時代、選択式のテストなのに紙のマークシートをOCRで読み取るという方式がそもそも古いですよね。いっそのこと、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を使ったCBTにしてしまい、カンニングしようとしてHMDを外したら強制的に試験終了というルールにすれば、カンニングは防げるのではないでしょうか。

これらの話は半分冗談ですが、実現しようとするとそれなりにコストがかかると思います。もうちょっと安価で現実的なソリューションとしては、アンテナを使って電波を可視化する装置が開発されているので、問題を配布する時などに試験官がそれを持って会場内を歩き回り、電波が強くなったらその付近の受験生を調べて電子機器を預かるという方法が有効かもしれません。



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