ドイツの駅には改札口がない?

ITコーディネータの吉田聖書よしだみふみです。

前回に引き続きドイツでの話です。
前回は道路交通についてでしたが、今回は鉄道の話題です。

日本でも、観光客と思われる外国人から電車のことを質問されることがあります。
おそらく外国人にとって日本の鉄道も相当分かりにくいものなのでしょう。

 

まず感心したのはタイトルにも掲げたように、駅に改札口が無いことです。
とは言っても、無料ということではなく、
切符は自分で調べて正しいものを購入し、
駅または車内にある機械で日時を印字します。
始発駅・終着駅の指定はなく、指定エリア内で切符の種類に応じた有効期限があります。
覚えている例では、日時を印字した翌日の朝6時まで有効…とか。
これは日本だとフリーパスを持っている状態に近いですね。

 

改札が無いので、当然自動改札で前の人が詰まってぶつかりそうになるなんてこともなく、ホームへのアクセスが非常にスムーズでした。
日本では地方だと駅に改札がなく車内に運賃箱があるという鉄道もありますが、
ドイツでは都市部のメジャーな鉄道でもそのような仕組みです。
この仕組みだと入場券も必要ないし、駅ナカがあれば自由に行けていいですね。
逆に誰でもホームに入れてしまうので、治安が悪化するかなという心配も。

今回の訪問ではたまたま遭遇しませんでしたが、
係員(コントロールというそうですが)の抜打ちチェックが時々あるそうで、
その時に正しい切符を持っていないと罰金とのこと。

あと、お金を払えば、犬や自転車も一緒に乗せることが出来ます。
地下鉄やトラム(路面電車)などでそのような人をよく見かけました。

トラムに乗車している犬。割と普通な光景

トラムに乗車している犬。割と普通な光景

料金所も改札口も、言ってみれば制度によって設けられたもので、
制度が制約となってそこにETCや自動改札といった技術が発展する素地が生まれるということ。
逆に、制度がなければそこにはシステムも必要なかったのだということに改めて気付かされました。

まあ考えてみれば当たり前のことなんですが、
ずっと1つの制度にどっぷり漬かって暮らしていると
それが当たり前の事のように感じられてくるので貴重な経験でした。

 

日本を発つ前に、路線図を見てある程度下調べをしようとしたのですが、
見慣れていないせいもあってか、これがなかなか頭に入ってこない。
例えばJRの時刻表の冒頭にあるような全国の路線図的な全体を見渡せるようなものが見当たらない。
でも、行ってみて分かったのは、基本的には日本と路線網は変わらないということ。
日本でも東京・名古屋・大阪を初めとした都市部では地上も地下も鉄道網が発達していますが、
例えば東京周辺の鉄道網がそのまま名古屋に伸びているかというとそうではないですよね。
ドイツではそういう都市圏の鉄道がSバーン、地下鉄がUバーンです。

 

一方で都市を結ぶ長距離列車があり、日本だと東海道本線、中央本線、東北本線のようなものです。
REという急行か快速のような列車に乗ったのですが、
これがちょうど乗った列車は2編成連結されていて、
途中の駅で分離してそれぞれ違う行先に向かうものだったのです。
最初違う行先の列車に乗ってしまいました。
正しい方の列車が連結されていたので、次の駅で移ることが出来ましたが、
もし連結されていなかったらということも覚悟はしました。

 

また、ICEという日本だと新幹線のような列車にも乗りました。
新幹線というよりは整備新幹線のように在来線と同じ線路を走っています。
そして日本の新幹線のような指定席と自由席といった区別はなく、
予約されていない座席は自由席ということらしいです。

ICEの座席の上にある電光掲示板。ここに表示されている区間は予約されている

ICEの座席の上にある電光掲示板。ここに表示されている区間は予約されている

 

生活の足としては日本では路面電車が次々とバスや地下鉄に置き換えられて行きましたが、
ドイツではバスよりも路面電車が活躍していました。
長距離列車はDB(ドイツ鉄道)が運営しているので、全国どこでも同じシステムですが、
路面電車は切符の買い方(自販機のインタフェース)とか、
切符の種類が地域によって若干異なっており、かなり困惑しました。
あと、工事している区間があると、本来の路線図と全く違ったルートに変わるらしく、
これもまた観光客泣かせな状況でした。(ドイツ人でも地元の人以外分からないのでは?)

 

次回はその他気づいたことを書いてみたいと思います。



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