JSDG第14回全国大会の2日目は、会員限定のコンテンツとして分科会が行われ、私のものを含めて4コマの企画がエントリーされました。私は「炎上プロジェクトの根本原因を探せ!」というタイトルで、TOC思考プロセス(TOCfEのブランチ)を使ったトラブル原因分析の事例発表を行いました。実はこの事例は、毎月新宿で開催されているTOCfEオンデマンドで発表させていただいたものを分科会企画として練り上げたものです。
思考プロセスの研修はワークショップをやることが多いのですが、私は敢えて事例発表という形式を選びました。というのも、TOCfEの国際認定プログラムでは朝から晩までを計4日間の研修が行われ、しかもブランチについてはそのうち2日間を費やし、尚且つそれでも時間が足りないというものなのです。まして90分という限られた時間でワークショップをやったとしてもブランチを作成するプロセスを会得することは難しく、それが却ってブランチは使い物にならないという結論を招きかねません。ワークショップで扱う事例はシンプルなものばかりですからね。
それなら発想を変え、事例発表を通してブランチは使えるんだという認識を持ってもらい、かつ、どんな事象に対してブランチを使ってみたいかというイメージを思い描いてもらうことで、結果としてブランチを使えるようになりたいと思ってもらうことをこのセッションの目標に設定しました。
分科会後のセッションで北村JSDG会長からも、何も全て解ってスッキリというだけが研修会ではない、むしろ次につながるようにするのも一つの方法であるという趣旨の発言がありましたが、まさにそのような形で各自の学習につながっていけば良いと願っています。
さて、私が担当する分科会に参加してくださったのは11名でしたが、ほとんどの方が「ザ・ゴール」を読んでおられ、少なくとも制約理論についてはある程度の知識を持っておられました。前述した目標を達成するために、事例発表の後に軽くディスカッションをした後、アンケート形式で気付きを書き出してもらいました。最初の質問が「もし、ブランチを使いこなせるなら何に使いたいですか?」というもので、続いての質問が「自分でそれを実践するためにどんなサポートが必要ですか?」という風にしました。この気付きを全員が順番に発表し、このセッションをお開きにしたのですが、全体を通して予想よりも反響が大きかったと思っています。
例えば、私の説明の内容に対して大きくなるほどと頷いてくださったり、既に今実践しておられる方からは「これはすごくいいんだよ」と共感して下さったり、何よりもセッション終了後に「とても楽しかった」と言ってもらえたのがとても嬉しかったです。もっと他の事例も聞きたいという意見もありましたので、私自身ももっと積極的に事例を集めていきたいと思っています。