どうやって仕事で早く立ち上がるか

プロフェッショナルとして仕事をしていると、まず好印象を持ってもらうということが重要な関心事の一つになります。挨拶や笑顔も大事ですが、とにかく早く立ち上がるということを心掛けています。例えば、システム開発の現場に呼ばれて入る場合を考えてみると、契約期間が4か月だというのに立ち上がるまでに2か月も3か月もかかっていたのでは話になりません。クライアントからは使えない奴ということで終わってしまうでしょう。(もっとも、仕事が出来る出来ないを判断するのに1か月もかかることは稀ですが。)

ちなみに、立ち上がるというのは、少なくともクライアントに求められているレベルで仕事ができるようになることです。私自身が新しい仕事を始める時にどのようなことを心掛けているか、ここで整理してみたいと思います。

1. 最初に現状を俯瞰し、全体像を把握する

何はなくともこれでしょう。イメージとしては新しい土地に行ったら展望台に昇って街全体を見渡し、どんな場所なのかを把握する程度で良く、あの路地の先がどうなっているかなど細かいところは追々調べて行けばよいのです。

かつて、あるシステム開発の現場に入った初日にいきなり詳細設計書の説明を始めたSEがいましたが、私はそれを遮って「何の業務をする画面なのか」について説明を求めました。これから取り組む仕事が全体のどんな位置づけなのかを知るというところからスタートします。

2. 今何を期待されているか理解する

次に自分が求められていることを理解します。システム開発だったら設計なのか実装なのか、単純作業なのか頭を使う作業なのかといった仕事の内容だけでなく、クオリティ重視なのかスピード重視なのか、自分が成果を出せばよいのかメンバーを育てて欲しいのか、さらには細かくオーダーされるのかこちらから提案が必要なのかといった仕事の方向性を見極めます。

まあ、この辺りは事前の面談である程度ヒアリングできるのですが、管理者と担当者では思惑が異なっているケースもあるので注意が必要です。

3. 成果を出すために必要な情報を集める

状況を把握して自分の役割が明確になったら次は情報収集です。多くの場合、インストラクションを受けることが多いので(資料だけ渡されるというケースも無くはないですが)説明してくれた人と仲良くし、その人を足掛かりに情報を集めることになるでしょう。情報を全て記憶しておくことは不可能ですので、参考資料があるのであれば資料の場所を確認します。また、分からないことは誰に訊けばよいかということも確認するようにします。

4. 早めに最初の成果を出し、軌道修正する

クライアントにとって自分が使える人間であるか(ニーズにマッチしているか)どうかということを判断してもらうためにも、早い段階である程度の成果を出すことも必要です。その成果とは完璧である必要はなく、最初の2~3日でおよそ求められているものの4~5割くらいの完成度で「こんな感じで良いか」という方向性を確認してもらうことが多いです。確認してもらうサイクルを最初は細かく回して、もし方向性が間違っていた場合でも軌道修正しやすくしておくことも大切です。大作を作り上げてから根本的な部分で指摘を受けたら軌道修正するのはかなり骨の折れる作業になるからです。

5. 継続して成果を出すための自分のリズムを作る

最初は頑張ったけれど息切れしてしまっては元も子もありません。仕事のサイクルもそうなのですが、1日単位、週単位で仕事を含めた生活のリズムを作り上げることで、常に最高のパフォーマンスが発揮できるように心がけます。

あるシステム開発の現場で、着任2か月目から約1か月半毎日終電だったことがあるのですが(しかも土曜日も出勤していました)、ああいった業務を続けていたら体を壊してしまいます。踏ん張りどころではどうしても帰宅が遅くなってしまうという時期があるにせよ、そうでないところでは早めに終業するなど緩急のバランスを取る必要があります。

こうして見てみると、特別なことは何一つやっていないような気もするのですが、これが正解ということはないですが自分はこのようにやっています。