ビジネスモデルキャンバス(BMC)で自社のビジネスを見直した


あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

ふりかえると2016年は弊社にとってちょっとした転換点だったかなと感じています。というのも7月と9月に参加したITコーディネータのフォローアップ研修にてビジネス・モデル・キャンバス(BMC)とバリュー・プロポジション・キャンバス(VPC)という2つのツールに出会い、これらのツールを使って弊社のビジネス(サービス)を見直すことができたからです。7月に受講した時の感想は「ビジネスモデルキャンバスの威力を体験してきました」というタイトルで記事を書かせていただきましたので合わせてお読みいただければと思います。

これまでの弊社のビジネスとして掲げていたものは次のようなものでした。

  1. ドキュメント作成サポート
  2. IT活用サポート
  3. 業務推進サポート
  4. システム開発サポート

これらは実績として充分であるものの、見えるサポートの粒度としては細かく現場寄りであり、これまでお付き合いのなかった範囲にもアピールしようとこれまでにも「ITリベンジ」「ITかかりつけ医」「情報システム・ドック」といった「サービス」という別の切り口でアプローチを試みました。それでもそのサービスを届けたい相手にうまく訴求できていなかったのではないかと感じており、ここ数年はどうしたものかと頭を捻ってきました。

ところが、ビジネスモデルキャンバスとバリュープロポジションキャンバスの演習を通して(元々提案営業のための研修で、顧客のビジネスを整理するためのツールとして紹介されたものだったのですが)これは自社のビジネスを整理するのに使えそうだと思い、試行錯誤の末、以下のようなサービスに落とし込みました。これらのサービスの具体的な内容についてはリンク先をご参照いただければと思います。

  1. ソフプロ™
  2. プロマネの右腕™
  3. かかりつけ!ITドクター™
  4. オンデマンドCIO™

実際に演習でも題材とし、演習後に真っ先に整理したのが前半の2つです。「プロマネの右腕」についてはサービス名だけはもう5年以上も前に考えていたものですが、具体的に深く掘り下げて内容を考えるということはできていませんでした。後半の2つは実は元々「ITかかりつけ医」というサービス名で展開していたものでしたが、ビジネスモデルキャンバスとバリュープロポジションキャンバスを使って整理していったところ、1つのサービスの中にやりたいことが2つ含まれていたということに気づき、2つのサービスに分けました。おかげでサービスの輪郭が明確になりましたが、こういうことが出来たのもツールの威力ではないかと感じております。

ところで、ビジネスモデルキャンバスがどういうものかというと、以下のようなフレームに書き込んでいくだけの簡単なツールです。これで整理することによってビジネスがきちんと回るかということを検証でき、自分がどのような価値を提案できるのかということを棚卸できたのは良かったと思います。後になって見直しが必要になった際にもベースの資料として活かせますね。

BMC

それぞれの箱の意味は以下の通りです。頭の中にあるビジネスモデルの要素をこのフレームに沿って書き出していきます。すんなり書き出せない箇所はまだ検討が不充分だったり、見直す必要がある箇所だということが判ります。

  1. CS:Customer Segments(顧客セグメント)
  2. VP:Value Propositions(価値提案)
  3. KR:Key Resources(資源・強み)
  4. KA:Key Activities(主要活動)
  5. CH:CHannels(販売チャネル)
  6. CR:Customer Relationships(顧客との関係)
  7. KP:Key Partners(パートナー)
  8. R$:Revenue Streams(収益の流れ)
  9. C$:Cost Structure(コスト構造)

なお、これらの成果をその研修の講師にフィードバックしたところ、昨年末にブログの記事にしてくださいましたので、こちらも是非お読みいただければと思います。そんなこと言ったっけ…?といった私の発言にまで気に留めてくださり、講師の視点を知ることが出来て勉強になります。

行動につながる学び方 ~アイディアを可視化し、他人に伝えてブラッシュアップする~
http://katsuyo-nakao.blogspot.jp/2016/12/blog-post_31.html

2016年多く読まれた記事トップ3


早いもので2016年も最後の1日となってしまいました。振り返ってみると今年はブログの投稿数が例年に比べて少なかったのですが、今年執筆した記事で良く読まれた記事トップ3を見てみましょう。

◆1位 「世界で一番やさしい会議の教科書」榊巻亮 著

2016年 1月 17日

知り合いのコンサルタント榊巻さんの著書の書評です。会議のファシリテーションについて書かれたものですが、各章ごとにストーリーとまとめが展開されるので大変読みやすく、ストーリー部分は漫画で描かれているので若手のビジネスパーソンにはお勧めです。絵柄は好みが分かれるかもしれませんね。

◆2位 プロセス・マッピングを用いたWBSの作り方

2016年 9月 28日

こちらはシルバーウィーク特集としてWBSについて執筆した記事の1つです。WBSの作り方というのはあまり参考になるものが無く、私自身が実際の業務で試行錯誤して作った過程をまとめて記事にしました。こちらは思ったより好評でしたので来年は続編を書こうかと考えています。

◆3位 ビジネスモデルキャンバスの威力を体験してきました

2016年 7月 9日

こちらはITコーディネータ協会が主催している集合研修に参加しての感想です。初めてビジネスモデルキャンバス(BMC)に触れ、その面白さに心を動かされました。もともとこの研修はBMCをコンサルティングに活用する目的として設計されたもののようでしたが、それを私は自分の会社のビジネスを見直すために使いました。

そして厚かましくも弊社のビジネスモデルをBMCに落とし込んで講師の方に添削をしていただき、おかげさまで弊社のサイトをリニューアルすることができました。そのことを講師の方がブログ記事にしてくださったのでご紹介します。

行動につながる学び方 ~アイディアを可視化し、他人に伝えてブラッシュアップする~

今年は弊社にとっても環境に変化のあった年でしたが、何よりも自社のビジネスを見直すことができたということが一番有益だったのではないかと感じています。

来年は心を入れ替えてもうちょっと投稿の頻度を上げたいと思います。皆様どうぞ良い年をお迎えください。

プロセス・マッピングを用いたWBSの作り方


これまでWBSの必要性やたびたび議論される話題を取り上げましたが、今回は、前回述べた「プロセス・マッピング」を使ったWBSの作成方法をご紹介します。

私が初めての現場で最初にWBSを作成する場合には、全ての成果物あるいは作業を洗い出すためにプロセス・マップというものをまず作成します。プロセス・マップを作ることをプロセス・マッピングと呼びます。私がネットで調べた限りではプロセス・マップについて決まりきった型は無いように見えました。少なくとも業務プロセスを図示して見える化したものを指していると思ってもらえば良いです。

よく見かける業務フロー図もそのひとつです。定常業務の業務改善ではプロセス・マッピングにより現状の業務を全て書き出して問題点を見つけるというアプローチを取ります。しかし、プロジェクト業務の場合は(似たようなプロジェクトを繰り返し実施するというケースはあるでしょうが)基本的には初めてやることなのでゼロベースで作成することになります。

ゼロベースと言ってもプロジェクトのゴールは決まっているわけですから、ゴールをまず明記します。例えば何かのサービス開発だったら「カットオーバー(あるいはゴーライブ)」というのがそれに当たりますね。決まりきった型は無いと述べましたが、私が使うときには独自にルールを設定しています。ルールとはいえ記法というよりは考え方のルールです。より良い考え方があればどんどん改良して構いません。尚、記法についてはDFD(データフロー図)の記法を拝借しています。

  1. まず、プロジェクトの開始(スタート)と終了(ゴール)を決める。実はゴールが明確であればスタートは何でも良い。「キックオフ」のようなものを書いても良いし、単に「スタート」でも構わない。外部のトリガーで始まるのであればそれを書く。
  2. 作業を楕円、成果物を長方形で表し、作業と成果物を矢印で結んでいく。この時、ゴールから逆に辿って、成果物を生み出すために必要な作業、作業のために必要な成果物…という風に。
  3. 作業には最低1つずつ入力になる成果物と出力になる成果物とが矢印で結ばれている必要がある。成果物を生まない作業は無いし、どの作業にも使われない成果物は無い。
  4. プロジェクトチームの外部に依頼する作業、または外部から受取る成果物については、その外部の主体を長方形で表し、プロジェクトチームと外部主体との境界線を破線で引く。
  5. 締切のある成果物にはその日付を長方形の外に書く。作業の担当者を楕円の外に書く。日数のかかる作業についてはその所要日数を楕円の外に書く。
プロセス・マップの例

プロセス・マップの例

このようにするとDFDとPERT図を組合わせたような図が出来上がると思います。参考までに過去に私が作成したプロセス・マップを説明用に改変したものを掲載します。これは私があるプロジェクトに途中から参画した時に、メンバーにヒアリングしながらホワイトボードに描いたものです。実際にはここに担当者や期日などが書き込まれたりしましたが、これによりプロジェクトメンバーの意識を合わせることができ、期日に間に合うか見えていなかった案件を無事に完成させることができました。

尚、この後このプロセス・マップを工程別あるいはマイルストーン別に区切って整理し、ガントチャートを作成します。本当に小規模なプロジェクトであれば(先ほどのサンプル・プロジェクトもそうでしたが)ガントチャートに書き換えずにこのまま進捗管理をしてしまうことも可能です。余談ですが、定常業務にこれを適用し、作図したものをさらに担当者別(あるいは部門別・会社別)にスイムレーン式に整理すると業務フロー図になります。

WBS作成の流儀は様々あるでしょうが、まだ作り方がよく分からないという方は是非参考にして、自分なりの作り方を確立していただければと思います。