やめる決断・やめない言い訳

今回は日刊紙ではなく、東京商工会議所が発行している東商新聞の9月20日付です。経営に活かす!タイミングマネジメントという連載のコラムがあるのですが、その第5回、決断のベスト・タイミングという記事をご紹介します。この連載は株式会社プライムタイム代表取締役・坂本敦子さんの寄稿です。

ここ数年、ビジネスの世界では「選択と集中」という言葉を良く耳にします。ですが、それが単なる掛け声に終わっているということはないでしょうか。ある事業を選択してそれに経営資源を集中させるということは、選択しなかった事業を「やめる」ということでもあります。でもそれがなかなかできない。できないから経営資源が分散する。するとどの事業も中途半端になってしまいますよね。

では、なぜ「やめる」ことができない(=タイミングを逃す)のでしょうか。この記事では例として次のような要因を挙げています。

  • 今なんとなくうまくいっている、今特に問題ない状態が続いている
  • 他社がやめていないから、自分たちも今やめなくても大丈夫だろうと考える
  • 面倒な交渉が必要なので億劫だ
  • 今までやってきたことを否定することになることを避けたいというプライドが邪魔をする
  • 周囲の目、世間体が気になる
  • 相手とのしがらみ、人間関係の情が絡む
  • 後でやめても結果はそんなに変わらないだろうという楽観視(予測・判断の甘さ)

いかがでしょうか。ここに挙げられたものはどれも理屈というよりも心理的・感情的な要因ばかりです。やめるリスクを負いたくないという気持ちは当然あるでしょう。しかし、それと同時にやめないリスクも平等に評価しなければなりません。それぞれを天秤にかけた時、どう判断するかです。

そもそもなぜ、選択と集中が必要だと思ったのでしょうか。


あの年賀状作成の定番製品の盛衰

本日21日付日本経済新聞の15面に「プリントゴッコ来年末事業終了」というべた記事がありましたのでご紹介します。

プリントゴッコと聞いて「うわっ、懐かしい!」と言える人はもはやいい大人ではないかと思うのですが、実は本体の販売は既に2008年6月で終了していたのだそうです。ですので今は補充用インクなど消耗品の提供やユーザーサポートだけを行っているようです。そしてついにそれらの業務も来年末で閉じるということのようです。

私はこの記事を読んで時代の流れを感じました。利用実態として実感できるものでいうと主なものは年賀状でしたが、プリントゴッコで印刷した年賀状をよく見かけたのは15~25年前くらい。他には部活やサークル勧誘のビラなど、今のようにパソコンやカラープリンタが普及していなかった時代にはとても流行りました。

私も一時期あこがれた時期がありましたが、我が家はワープロがあったので年賀状もワープロで作成していました。(もっとも、ワープロだって専用機は絶滅危惧種ですね。どのメーカーも製造していません。)

新しい道具が普及すると、それまで定番だった道具が廃れていくのはやむを得ないことですが、プリントゴッコは独特の味わいがあっただけに少し寂しい気持ちもします。現在当たり前のように家にパソコンがあって当たり前のようにカラープリンタがあるという状況は、プリントゴッコ全盛期から考えると実は全くとんでもないことなのだなと思わされました。