今回は日刊紙ではなく、東京商工会議所が発行している東商新聞の9月20日付です。経営に活かす!タイミングマネジメントという連載のコラムがあるのですが、その第5回、決断のベスト・タイミングという記事をご紹介します。この連載は株式会社プライムタイム代表取締役・坂本敦子さんの寄稿です。
ここ数年、ビジネスの世界では「選択と集中」という言葉を良く耳にします。ですが、それが単なる掛け声に終わっているということはないでしょうか。ある事業を選択してそれに経営資源を集中させるということは、選択しなかった事業を「やめる」ということでもあります。でもそれがなかなかできない。できないから経営資源が分散する。するとどの事業も中途半端になってしまいますよね。
では、なぜ「やめる」ことができない(=タイミングを逃す)のでしょうか。この記事では例として次のような要因を挙げています。
- 今なんとなくうまくいっている、今特に問題ない状態が続いている
- 他社がやめていないから、自分たちも今やめなくても大丈夫だろうと考える
- 面倒な交渉が必要なので億劫だ
- 今までやってきたことを否定することになることを避けたいというプライドが邪魔をする
- 周囲の目、世間体が気になる
- 相手とのしがらみ、人間関係の情が絡む
- 後でやめても結果はそんなに変わらないだろうという楽観視(予測・判断の甘さ)
いかがでしょうか。ここに挙げられたものはどれも理屈というよりも心理的・感情的な要因ばかりです。やめるリスクを負いたくないという気持ちは当然あるでしょう。しかし、それと同時にやめないリスクも平等に評価しなければなりません。それぞれを天秤にかけた時、どう判断するかです。
そもそもなぜ、選択と集中が必要だと思ったのでしょうか。