25日付日本経済新聞の社会面に「秋入学移行 賛否は二分」という見出しの記事が有りました。秋入学というのは東京大学が秋入学を検討しているという件のことを指していますが、この話題について少し考えてみたいと思います。
最初にそのニュースを耳にしたのは7月ごろでした。それも日経の一面だったと思います。今回の記事は、その続編というか、そのニュースに対する他大学の反応について分析しています。
他大学の反応についてはアンケート調査の統計が示され、576校中263校の回答のうち、秋入学を行おうとしている大学は、春・秋併用を合わせて43%。秋入学は不要としている大学は39.5%とあります。正に賛否両論といったところでしょうか。
東大が秋入学に移行する理由は、一言で言えば国際化への対応ということになります。しかし、私は敢えて秋入学のメリットではなく、秋入学と春入学との混在のメリットを考えてみました。ここで「併用」ではなく「混在」としたのは、一校で春と秋を併用するということのみならず、大学全体で春入学と秋入学が在る状態をも含めて考えているからです。
それはつまり、1年の中で春入学に合わせた入試と秋入学に合わせた入試が行われる状態ということです。そうすることで浪人しても半年後には次のチャンスが訪れるようになり、大学を目指す人たちの過度なストレスを軽減できるかもしれません。
そうなると卒業も春と秋の年2回になります。例えば、大学も年次という概念をなくし、基準単位を満たせば半年ごとに学位が取得できるというようにすると、カリキュラムによっては3年とか3年半で卒業できたりするわけです。
卒業が年2回なら、企業や役所も4月一括入社ではなく、4月入社と10月入社があって良いと思います。もちろん通年採用を行っている会社も有りますが、まだまだ新卒は4月だけという会社が多数です。なので、年2回の採用活動を標準にすれば、4月入社に向けた就職活動で失敗した場合でも、やり直すチャンスが半年後に巡ってくることになります。留学などで半年間卒業が遅れた場合でも、安心して就職活動ができることになります。
以上のことを実現するには、解決しなければならない課題も多いとは思います。しかし、秋入学を採用する大学が増えて行けば、全くの空想とも言い切れないのではないでしょうか。