情報処理技術者試験・受験者としての総括

この年末に向かって目まぐるしい毎日を過ごしている中、この秋に受けた情報処理技術者試験の結果が18日に発表されたそうで、遅ればせながら先ほど確認したところ合格していました。おかげさまでこれにて論文試験はアガリです。なので、ここで情報処理技術者試験への受験者としての取組みを総括したいと思います。

今回受けた区分はSA(システムアーキテクト)で、実は3回目の受験でした。1回目は平成17年秋のAP(アプリケーションエンジニア、SAの前身)で、準備不足もあり論文もうまく書けなかったという記憶しかありません。2回目は平成24年のSAで、ここでもシラバスで定義されている人材像をうまく掴めずに論文もフォーカスがぼやけてしまったかもしれないと感じています。そういう意味では今回はそこを外さずに書き切ったという手応えがあったので、たとえこれで合格しなくても論文試験は終わりにしようと考えていたところでした。

試験制度や試験への個人の取組みついて賛否があることは承知していますが、新しい分野を学ぶ上でとりあえずの目標設定として利用するのは良いと思います。皆さんの中には会社からの奨めであるいは半強制的に受験している人もいらっしゃるでしょうし、合格すれば会社の給料が上がるあるいは一時金が出るから受験しているという人もいらっしゃるでしょう。もちろん、履歴書を飾るためだったり自己研鑚や試験そのものが目的の方もいらっしゃると思います。

私自身も振り返ってみると初めて情報処理試験を受けたのが平成16年の春(国の試験だとどうしても和暦になってしまいますね)でした。会社員時代には全く資格に無関心であったのですが――というのも、医者や弁護士と違って資格で仕事をするわけではなく、あくまでも実力勝負の業界ですので――独立したばかりで経歴といってもタカが知れている者に対してはどんな資格を持っているかぐらいしか見てもらえるところが無いという現実もあり資格試験に取組むことにしたのでした。

私の場合は「こういう仕事をやりたいからこの資格を取る」という取組み方よりも「こういう仕事をやったからこの資格は取れる」という側面の方が強かったせいもあり、全区分を制覇しようという気持ちにはなれませんし、試験に取り組むことで自分の弱点も分かったので、3回受けてダメだったものは無闇に前進するのではなく一旦棚上げするようにしています。来年春の試験で最初の受験から十二支も一回りすることですし、そろそろ未知の分野に手を出して、アイデアの幅を広げていく事を考えていきたいと思います。


最近の排ガス不正、施工データ偽装事件に思う

ドイツの大手自動車メーカーであるフォルクスワーゲン社(VW社)の排ガス不正問題はまだ真相究明に至っておりませんが、最初にニュースを聞いた時には正直驚きました。それは「あのVW社が」というポイントであって規制逃れの手法そのものに驚いたわけではないのですが、そうこうしているうちに、今度は横浜市のマンションの傾きの発覚により施工データの偽装が明らかになりました。いずれもまだ問題の全容が見えていない段階ですので詳しい言及は避けますが、なんとなく似たような臭いを感じます。

特にVW社による不正の類は、IT業界では大なり小なり割とある話なのではないかなと思います。VW社の場合は市場に出してしまったのでかなり大きな問題になっていますが、リリースまでには直す前提で、例えば工程完了判定をパスするために不具合があっても検査に合格したことにするということは、実際にやるかどうかは別として簡単に出来そうなものです。ですので、テスト結果を鵜呑みにするのではなく、あるいはテスト結果だけを評価するのではなく、どのようにテストしたのかというテストのプロセスを評価するような仕組みが必要になってきます。

あるシステム開発でテストの自動化を導入した時のことです。開発チームではメンバー間で生産性や品質にばらつきがあるのは普通のことですが、全体として短納期で高品質を求められた結果、あるメンバーはそれがプレッシャーになったのか自動テストのコードはスカスカで、本体のプログラムは全くダメという状況に陥ったことがありました。この時、自動化したのは単体テストのみで、結合テストは通常通り手動で行うことにしていたのですが、単体テストの時はテスト結果が毎日OKとなっていたので問題ないように思われたのですが、結合テストになって初めてその品質の悪さが露呈したのです。この時はその人の書いたプログラムはほぼ作り直しで、納期には何とか間に合ったものの、当人以外のリカバリーを担当したメンバーは大変な思いをしました。

テスト駆動開発という開発手法も存在しますが、いずれにせよ合否の基準が最初から決まっている場合、エンジニアはその基準に合わせて開発を行う傾向があります。これは何もシステム開発だけではありません。会社の人事評価も同様です。会社が良かれ悪しかれ定めた基準によって、社員はその行動パターンを決定します。例えば、基本給は横並びだけど持っている資格に応じた手当を継続的に出すよということにしたとしたら、多くの社員は本業はそこそこに就業時間中に資格取得のための勉強に励むでしょう。

話を戻してソフトウェアの場合、予めテストの合否基準が決められていることで、効率的に開発を進めることができる部分があるのかもしれませんが、それで全てがうまく行くわけではないという至極まっとうな教訓が得られました。チーム全体が意欲的な場合にはうまく行くが、そうでない場合は特に、人には失敗を隠そう、ごまかそうとする性質があります。VW社の不正も環境負荷の少ないエンジンが供給できず、それを隠すために不正なソフトウェアを組み込んで試験を通そうとしたようですし、施工データの偽装も担当者が失敗を隠すためにデータを偽装したとの報道がなされました。今後全てのことが明らかにされた時、また新たな教訓が得られることと思います。
—-

リクルートの口ぐせ・R85に学ぶ

日付が変わってしまいましたが、本日(24日)はIC協会の月例セミナーに3カ月ぶりに参加してきました。今回のテーマは「リクルートの口ぐせ 出版記念セミナー」ということで、書籍『「どこでも通用する人」に変わるリクルートの口ぐせ』を執筆されたR85と呼ばれるリクルート社1985年入社のOBらをパネリストに迎えてのパネルディスカッションが行われました。

私がIC協会に入会したのは2006年末でしたが、正直なところそれまでは「リクルート」という社名及びその商品しかよく知りませんでした。しかし、入会後、今回のようなセミナーを通じて知り合った方々はリクルート出身者が多く、お一人お一人お話を伺っていくうち徐々にリクルート社に興味を持つようになりました。今回はそんな方々が在籍していた頃の内側の様子が聴けるのではないかと大変期待しておりました。

書籍の方には全部で32項目の「口ぐせ」が掲載されているのですが、企画や編集段階で残念ながら掲載を見送ったものもあったそうで、そういったいわゆる「場外」の口ぐせをいくつか披露していただいたのですが、むしろそちらの方が聴き応えがあったかもしれません。

全体を通して私が特に気になったのは次の2つです。

「何をやるか」は重要じゃない

「仕事は選べないけど、仕事に対する態度は自分で決められる」し、「会社に育ててもらうのではなく、自分の心で育っていくものだ」ということなのですが、これは納得です。色々と人のせいにするのは簡単ですけれど、自分の成長は自分で責任を負うしかないのですね。

「で?」(お前はどうするの?)

単純な状況報告をするとこのように切り返され、自分の考えを伝えるまでは何らのアドバイスももらえなかったというエピソードなのですが、逆の(上司の)立場で言えば、そうやって考えさせなければいつまでたっても考えられるようにはならないということですね。時間もかかるし忍耐も必要ですが、だからといって答えを教えてしまったのでは、相手が成長する機会を奪ってしまうことになります。

このように間近で具体的なヒントをたくさん聴くことができ、大変有意義な交わりのひと時でした。

つるむ安心、つるまない安全

先日、Facebookでシェアされていた記事をたまたま読んで、「これは」と思ったので私の思いを書いてみたいと思います。

(元の記事はこちら)
なにかを本当にはじめるなら一人ではじめよう

私は生まれ育ちが藤沢だったので、
江の島も片瀬海岸も
庭とまでは言わないにしろ
馴染みの深い土地であり、
この記事の舞台である
鎌倉海岸と似たような光景…
つまりいつもサーファーのいる海
というものを見ていました。
ただ、私自身はサーフィンを全くやらないので、
パッと見ただけでは
初心者か上級者かは判別は出来ないのですが、
上級者から見ると初心者サーファーは
海水浴客と同じとみなされるんですね。
かつてプロの料理人に
自炊は「ままごと」だ
と言われたことを思い出しました。

さて、一番気になったのは

サーフィンの場合、初心者なら上級者に連れて行ってもらうか、1人で行くかなんです。絶対ヤバいのは初心者数人で行くこと。

そして同様のことが「起業にも当てはまる」と
実例も交えて展開し締め括っている点です。

私は一人で起業してしまったので実感はないのですが、
状況はよく理解できます。
誰が言い始めたか知りませんが
「赤信号 みんなで渡れば 怖くない」
という川柳(?)があります。
これは言い得て妙です。
単独では自分の責任で行動するため
絶対にしないようなことを、
複数でつるんでしまうと
裏付けの無い変な安心感が醸成され、
元々そのつもりはなかったとしても
つい油断して判断を誤ってしまう、
そんな習性が人にはあるように思います。
後になって冷静にふりかえると
「何であんなことをしてしまったのだろう」
となりますが、
そうならないようにするためには
一人で取組んだ方が良いということのようです。

似たような話で、
会議にぞろぞろと大勢のメンバーを
連れてくる会社のことを思い出しました。
キックオフ的なイベントの場合はともかくとして、
スタートした案件の打合せでは
各社の担当者が集まれば済む話なのですが、
ほとんどの会社は一人ないし二人出席している中で、
ある会社だけぞろぞろとやって来るのです。
もっとも大きな組織になればなるほど
役割が縦割りになっているから
という言い分もあるでしょうが、
ぞろぞろやって来る本当の理由は
よく分からなくて一人だと不安だから
ではないでしょうか。
だからとにかく関係しそうな部門の人を掻き集めてくるのです。

この記事には
「どうして初心者でつるんで海に行ってはいけないのか。
…(中略)…初心者複数で行くなら、
ひとりのほうがよほど安全。」
とその理由が書かれていますが、
それを「どうしてよく分かってない人が
つるんで会議に参加してはいけないのか」
真似して書いてみましょう。

  • ひとりなら主体的に会議に参加する
  • ひとりなら事前に準備をしてくる
  • ひとりなら議論の流れに気を配る
  • ひとりなら後で社内に展開しようとメモする
  • ひとりなら判断できないことは保留する

これが複数になると…

  • 多くのメンバーがただいるだけの「お客さん」になってしまう
  • 何の準備もせず手ぶらで参加してしまう
  • 議論について来ない人が一人くらいいても平気
  • 他のメンバーがいるからと思ってメモしない
  • 判断が必要な場合、その場で内輪の議論が始まる

…と思いつくままに列挙してみましたが、
他にもぞろぞろ会議に参加することの弊害はありそうですね。
会議の場合、サーフィンのように
命に関わるようなことは無いかもしれませんが、
参加する人数分の成果が出ないようなことを
続けていけば業績に影響するかもしれませんね。


駄洒落と真面目に向き合ったセミナー

本日はIC協会の月例セミナーがあり、2カ月ぶりに参加してきました。本日は「爆笑する組織~人間関係を強くする『だじゃれ』仕事術~」というタイトルでのワークショップでした。駄洒落好きのワタクシとしては何やら楽しそうなテーマではありませんか。講師は一般社団法人日本だじゃれ活用協会(!)代表理事の鈴木さん。「だじゃれは世界を救う」というスローガンを掲げて駄洒落活用法のワークショップを精力的に開催していらっしゃる方です。何でも当初は企業向けの研修を中心だったのが、気が付けば専門学校生やら学童保育のスタッフやら幅広い層を相手に教えていて、ご本人も思いがけない展開だったとか。

駄洒落というとどうしてもイメージしてしまうのが「おやじギャグ」。どうしてもそういううっとうしい世界を連想してしまいがちなのですが、おやじギャグと駄洒落の違いは明白で、おやじギャグというのは自己中心(つまり思いついてしまったので文脈を問わずとにかく言わずにはいられない)であり、駄洒落というのは他者貢献(人を楽しませようとか、場を和ませようとか、とにかく相手のことを考える)であるということでした。

今回のワークショップは、駄洒落を仕事(例えばプレゼンテーションやチームビルディングなど)に取り入れるとどのような効果があるかというテーマでのグループディスカッションから始まりました。プレゼンテーションについては、「注意を引き付ける」「キャッチなことを言うトレーニングになる」「双方向のコミュニケーションを生み出す」など、またチームビルディングについては「伝えにくいことを伝える時に使えそう」「メンバー同士の距離が近くなる」「滑ってもいい=失敗してもいいという雰囲気が生まれる」などの意見が出ました。

説明の中で一番わかりやすかったのは「なでしこジャパン」の佐々木則夫監督が使った駄洒落の事例です。鈴木さんは「爆笑する組織」を著す際に直接佐々木監督に取材したこともあるそうですが、やはり駄洒落というのは無闇矢鱈に使うべきではなく、使う場面は選んでいるのだそうです。メンバーが緊張して固くなっている時はほぐすために使うが、逆に緊張感を維持する必要がある時は言わないといったさじ加減は肝に銘じたいですね。

セミナーの中では実践編として駄洒落をいかに素早く作り出すかといったトレーニングもあり、普段使わない頭を使った気がします。また、今日のセミナーでは範囲外だったのですが、参加者の方々は「スベった時の対処法」に関心が高かったようでした。確かにトラぶった時のための手先に打っておくというのはICらしい発想ではあります。著書では触れているそうですので、ワタクシも読んで勉強したいと思います。もし今後ワタクシが駄洒落を言っても温かく見守ってくださいね。

—-
一般社団法人 日本だじゃれ活用協会
http://www.dajare-zukai.jp/

「ハーバードはなぜ仕事術を教えないのか」佐藤智恵 著

本書はラジオで紹介されて興味を持ち、その日のうちに購入してしまいました。何が私の興味を引いたのか、それはタイトルに掲げられている問いそのものよりも、本書が書かれた趣旨だと思います。もしラジオで中身について触れられなかったら手に取ることはなかったでしょう。以前であれば「ハーバードなんて関係ない」とスルーしていたかもしれません。

タイトルにある「仕事術」ですが、これは組織の中で「部下として」成果を出すためのスキルだと言います。一方、ハーバードビジネススクールで教えていることは「上司として」成果と出すためのスキルなのだそうです。上司としてというとなんだか小難しそうに聞こえますが、何のことはない「リーダーシップ」について教えているということです。当たり前のことですが、いずれも「読めば身に付く」という類のものではなく、実践して時には失敗しながら会得していくものだろうと考えます。

本書は全部で120項目について書かれていますが、見開き2ページで1項目についての解説が完結しているのでスラスラ読めます。この120項目がリーダーシップについて網羅されたリストだとは言っていませんが、「なるほどそうだよね」とか「え、そうなんだ」とか、自分に欠けているものに気付かせてくれ、今後の学びのヒントを得られます。

例えば社内政治。私の想像では(自分がそうだからそう思うのかもしれませんが)きっと多くの人が遠ざけているものでしょう。しかし本書では、社内政治には良いものと悪いものがあり、社内政治そのものは悪くなく、進んで参加するように奨めています。ついでに言うと、この項目は「社内政治」についてだけではなく、偏見を捨てるべきであることを添えていますが、その点こそ記事の本質ではないかと思うのです。

本書もまた、字面だけ表面的に読めばそれでおしまいなのですが、本質に迫る読み方をすることで「悟り」すなわち成長につながっていくのではないかと思いました。

—-
書名:ハーバードはなぜ仕事術を教えないのか
著者:佐藤智恵
発行:日経BP社/2015年4月21日
ISBN:978-4-8222-5071-3

「潜在意識をとことん使いこなす」C・ジェームス・ジェンセン 著

私は社会に出てから、というよりこのIT業界で働くようになってから、技術系の本ばかりでなくビジネス書(いわゆる自己啓発本も含む)をよく読むようになりました。少なくとも私自身は技術力で勝負するつもりはなかったので、もっとビジネス的なセンスを養いたいと思ったからなのでしょう。

ビジネス書をいろいろ読んでいくと、それぞれは素晴らしいのですが、それらを全て実行しようとすると本の数だけやるべきことがあり、挫折感ばかり味わうということになりかねません。社会に出て10年以上が経過しましたが、本書を読んでそれぞれのテーマがようやくつながったのです。さすがに全てとは言いませんが、私が読んだ中で多くの本が持つ共通項は「悟り」です。

悟りや潜在意識というとなんだか胡散(うさん)臭く感じるかもしれませんね。書店で見かけたときも一瞬そのように思って躊躇しました。一時期「マインドコントロール」という言葉が流行り、今でも時々マインドコントロールに関わる事件のニュースを耳にします。そのような事件は何故と思う一方で怖いと感じるものです。それはいかに潜在意識が影響を受けやすいかということを示しています。だから、自分で自分にマインドコントロールを施す(いわゆる自己暗示をかける)ことによって自分を変えることが出来るということのようです。

本書を読み進めていくと、潜在意識の性質(メカニズム)について、またその性質を利用してどのように自分を変えられるのかについて、理論と実例が記されています。そして変化を起こす手順は次の通りです。

  1. 願う
  2. 期待する
  3. 想像する

願っても叶えられないのは願うだけで止まってしまうからです。だからよく成功した著名人が「目標には日付を入れなさい」と言ったり、「出来ない理由ではなく、やるための方法を探しなさい」と言ったりするのは理に適っているのですね。

また、潜在意識は影響を受けやすいため、潜在意識に届ける情報を自分で選択する必要があるそうで、善良な考えを持てば良い事が起こるし、邪悪な考えを持てば悪い事が起こるということです。潜在意識は反論することなく意識(=心の声)の指示に必ず従うのだそうです。そういえば、私がかかっている歯医者では、歯列の矯正をしていた時「この歯で噛みなさい。思うだけでも良いから」と毎回受診の度に言われていました。今思うと、これも歯科医師が潜在意識の力を理解してそのように指導していたのだなと思わされます。

さて、私の頭の中でつながった書籍をいくつかご紹介します。

  • なぜあの人だと話がまとまるのか?(田村洋一 著)にて、話をまとめるには明確なビジョンを描くこと、徹底した相手主義を貫くこと、脱力して諦める(つまり悟る)ことの必要性を繰り返し説いています。
  • スーパーエンジニアへの道(G.M.ワインバーグ 著)では、ビジョンを描くこと、物事に対する自分の反応を客観的に説明する(これも悟る)ことだけではなく、心理療法として自己暗示によって自分を変える方法が紹介されています。
  • また、ベストセラーの嫌われる勇気(岸見一郎 著)でも過去が現在の状態を引き起こしているのではなく、過去の出来事に対する自分のスタンスが現在の状態を決めていると書かれています。そしてそのスタンスを変えることによって自分を変えることが出来ると説いています。

このように「悟る」というテーマが異なる切り口のビジネス書の根底に垣間見られることから、「悟る」ということがビジネスでもプライベートでも自分を成長させる鍵になるのではないかと思っています。私も願い、期待し、良い結果をイメージすることから始めたいと思います。


書名:潜在意識をとことん使いこなす
著者:C・ジェームス・ジェンセン
訳者:大沢章子
発行:サンマーク出版/2015年2月20日
ISBN:978-4-7631-3441-7

どうやって仕事で早く立ち上がるか

プロフェッショナルとして仕事をしていると、まず好印象を持ってもらうということが重要な関心事の一つになります。挨拶や笑顔も大事ですが、とにかく早く立ち上がるということを心掛けています。例えば、システム開発の現場に呼ばれて入る場合を考えてみると、契約期間が4か月だというのに立ち上がるまでに2か月も3か月もかかっていたのでは話になりません。クライアントからは使えない奴ということで終わってしまうでしょう。(もっとも、仕事が出来る出来ないを判断するのに1か月もかかることは稀ですが。)

ちなみに、立ち上がるというのは、少なくともクライアントに求められているレベルで仕事ができるようになることです。私自身が新しい仕事を始める時にどのようなことを心掛けているか、ここで整理してみたいと思います。

1. 最初に現状を俯瞰し、全体像を把握する

何はなくともこれでしょう。イメージとしては新しい土地に行ったら展望台に昇って街全体を見渡し、どんな場所なのかを把握する程度で良く、あの路地の先がどうなっているかなど細かいところは追々調べて行けばよいのです。

かつて、あるシステム開発の現場に入った初日にいきなり詳細設計書の説明を始めたSEがいましたが、私はそれを遮って「何の業務をする画面なのか」について説明を求めました。これから取り組む仕事が全体のどんな位置づけなのかを知るというところからスタートします。

2. 今何を期待されているか理解する

次に自分が求められていることを理解します。システム開発だったら設計なのか実装なのか、単純作業なのか頭を使う作業なのかといった仕事の内容だけでなく、クオリティ重視なのかスピード重視なのか、自分が成果を出せばよいのかメンバーを育てて欲しいのか、さらには細かくオーダーされるのかこちらから提案が必要なのかといった仕事の方向性を見極めます。

まあ、この辺りは事前の面談である程度ヒアリングできるのですが、管理者と担当者では思惑が異なっているケースもあるので注意が必要です。

3. 成果を出すために必要な情報を集める

状況を把握して自分の役割が明確になったら次は情報収集です。多くの場合、インストラクションを受けることが多いので(資料だけ渡されるというケースも無くはないですが)説明してくれた人と仲良くし、その人を足掛かりに情報を集めることになるでしょう。情報を全て記憶しておくことは不可能ですので、参考資料があるのであれば資料の場所を確認します。また、分からないことは誰に訊けばよいかということも確認するようにします。

4. 早めに最初の成果を出し、軌道修正する

クライアントにとって自分が使える人間であるか(ニーズにマッチしているか)どうかということを判断してもらうためにも、早い段階である程度の成果を出すことも必要です。その成果とは完璧である必要はなく、最初の2~3日でおよそ求められているものの4~5割くらいの完成度で「こんな感じで良いか」という方向性を確認してもらうことが多いです。確認してもらうサイクルを最初は細かく回して、もし方向性が間違っていた場合でも軌道修正しやすくしておくことも大切です。大作を作り上げてから根本的な部分で指摘を受けたら軌道修正するのはかなり骨の折れる作業になるからです。

5. 継続して成果を出すための自分のリズムを作る

最初は頑張ったけれど息切れしてしまっては元も子もありません。仕事のサイクルもそうなのですが、1日単位、週単位で仕事を含めた生活のリズムを作り上げることで、常に最高のパフォーマンスが発揮できるように心がけます。

あるシステム開発の現場で、着任2か月目から約1か月半毎日終電だったことがあるのですが(しかも土曜日も出勤していました)、ああいった業務を続けていたら体を壊してしまいます。踏ん張りどころではどうしても帰宅が遅くなってしまうという時期があるにせよ、そうでないところでは早めに終業するなど緩急のバランスを取る必要があります。

こうして見てみると、特別なことは何一つやっていないような気もするのですが、これが正解ということはないですが自分はこのようにやっています。

「話は最初のひと言で決めなさい」吉田たかよし 著

本書は10年くらい前に買った本ですが、そもそも何で買ったのか当時の背景は忘れてしまいました。私は人前で話すことに苦手意識を持っており、コンプレックスを抱いていたからかもしれません。今回、本棚の整理をしていて捨てるかどうか判断するためにもう一度読んでみることにしました。

著者は元NHKのアナウンサーということで言ってみれば話すことについてのプロフェッショナルです。またNHKを退職してフリーのアナウンサーになるというケースが多い中、著者は政治家の秘書を経て医者になったという異色の経歴をお持ちです。

私がこれまで出会った方々を見ていて、確かに話の上手い下手というのはあると思います。しかし著者は、弁が立つ(=話が上手い)人ほど言いたいことが伝わりにくいと述べています。なぜなら、自分は話が上手いと思っている人は困難な状況に対して口先でごまかしてしまうからだと言います。話が流暢で長い割には中身が無く、聞いている方も時間を奪われ、体力も気力も消耗します。

逆に口下手な人は、それができないので、どのように伝えたら伝わるかということを真剣に考えることができるのです。その考え抜いた結果がタイトルにもある「最初のひと言」だというのです。ただ、「最初のひと言」というのは少し極端な表現にも聞こえますが、「最初の15秒が勝負」だと著者は述べています。何故でしょうか。

ところで、多くの人がSNSを始めた頃はタイムラインに流れてくる記事を1つ1つ丁寧に読んでいませんでしたか。そして、友達やフォローの数(繋がりの数)が増えるに連れ、流れてくる記事の量が増えてくると流石に全ての記事を読むことを諦めざるを得ない状況になっていることもまた現実としてあるのではないでしょうか。

また、幼少の頃は、新聞は最初から最後まで毎日熟読するものだと思っていました。しかしそれではいくら時間があっても足りませんよね。後になってから、新聞というのは見出しだけ見て気になる記事だけを拾って読むものだと知りました。つまり、「最初の15秒」とは記事の見出しの役割を果たし、それにより、その話は聴く価値のある話かどうかを判断するのです。

本書はタイトルの割には内容が散漫な印象を受けますが、著者がアナウンサー時代に培った「すぐにでも使える具体的で実践的なテクニック」が豊富に掲載されていますので、プレゼンテーションやスピーチの腕を磨きたい人にはお勧めです。


書名:話は最初のひと言で決めなさい
副題:長い話じゃ人は聞かない
著者:吉田たかよし
発行:中経出版/2004年2月19日
ISBN:4-8061-1971-7

自分はICとしてイケているか

日付が変わってしまいましたが、昨日15日はIC協会の月例セミナーがあり、参加してきました。実は今年初参加だということに直前で気付きました。今回のテーマは「キャリア転職のプロに聞く、企業が働きたいプロワーカーの条件 ~イケてるIC・イケていないICとは~」と題して、IC協会の立ち上げにも携わった丸山貴宏さん(株式会社クライス&カンパニー代表取締役)が登壇されました。

丸山さんはずっとキャリア採用&転職のコンサルタントとしてご活躍され、そのご経験を踏まえICとしてやっていける人の特性、やっていけない人の特性について事例を交えながらズバリ解説していただきました。様々なテーマがありましたが、ここではその中の一部をご紹介します。

企業がICを使うことのメリットはいくつかあると思うのですが、その一つとして専門性が挙げられます。私自身も最初はそうでしたが、自分に自信が無いとどうしても「何でもできます!」というアピールになりがちです。実際に何でもできて何でもやれるとしても、それをそのまま表現したところで特徴が見えず、受け手にとってはまったく刺さりません。(一方で、採用する側もまるでスーパーマンのようなハイスペックでオールマイティな人材像を描くこともありますね。)専門性というのは「○○だったらこの人」のような尖がった部分の事。まだまだ途上ですが、常にブランディングを意識して活動していきたいと思います。

今回の講演とその後の懇親会を通して伺ったお話は、最近読んだ本、そしてかつて読んだ本の内容とも重なっており、それぞれは全く異なる出自のはずなのですが全てつながりまして、特に最近はそのことに驚いています。どういう人が成功するのか、そしてどういう人が失敗するのか、やはりそれぞれ共通点があるようです。例えば、リアルに思い描いたイメージ通りに物事が実現していくということ。逆に思ってもいないことは実現しないということです。丸山さんも「潜在意識ってやっぱりあるんですよね」とおっしゃってました。そのことについてはいずれまた書きたいと思います。

 


丸山さんの記事がダイヤモンド・オンラインで読めます。
「転職で幸せになる人、不幸になる人」
http://diamond.jp/category/s-mtenshoku