バリュープロポジションキャンバス(VPC)でビジネスが刺さるか検証した

今年最初の投稿で、ビジネスモデルキャンバス(BMC)とバリュープロポジションキャンバス(VPC)を弊社のビジネスに適用した事例をご紹介しました。その中で、ビジネスモデルキャンバスについてはテンプレートとそれぞれの要素について触れましたが、とバリュープロポジションキャンバスについては詳しく触れなかったので、今回改めて取り上げたいと思います。

私が学んだ範囲では、バリュープロポジションキャンバスはビジネスモデルキャンバスほ補完する機能を持ち、セットで活用すると効果的だと考えています。それはなぜか。


ビジネスモデルキャンバスはビジネス全体の構造を俯瞰してみることが出来ます。単なるプロダクトやサービスのデリバリだけに着目せず、資源やお金の流れも含めて矛盾や過不足がないかということを検証できるのです。それに対してバリュープロポジションキャンバスは、ビジネスモデルキャンバスの9つの要素のうち、CS:Customer Segments(顧客セグメント)とVP:Value Propositions(価値提案)を深堀するためのフレームワークです。つまり、想定しているターゲットと、そのターゲットに対して提供する価値がきちんとマッチしているか(つまり刺さるものになっているか)を検証できるのです。

その時、資源やお金のことは一旦棚に上げて考えられるというところがポイントではないかと思っています。資源やお金の流れは重要ですが、そこばかりに頭が行ってしまうと肝心のプロダクトやサービスの中身について深堀することが出来なくなってしまいます。ビジネスモデルキャンバスと併用することで、そのような心配がなくなります。

では、バリュープロポジションキャンバスについて簡単に説明しますと、ビジネスモデルキャンバスと同様に以下のようなフレームに書き込んでいくだけのツールです。これで整理することで、今考えているプロダクトやサービスが想定しているターゲットに刺さるかを検証します。尚、このフォーマットはオリジナルのものよりも書き込むスペースを広く取れるように少し変形してあります。

VPC

最初にビジネスモデルキャンバスからVP:Value Propositions(価値提案)とCS:Customer Segments(顧客セグメント)を転記します。そして右側に「顧客のしたいこと」そしてそのしたいことを実現しようとするときに「(顧客にとって)嬉しいこと」「(顧客にとって)嫌なこと」は何かということを記入していきます。

それに対して、左側は「提供するプロダクトやサービス」を書きます。そしてそれらのプロダクトやサービスにおいて(顧客の)嬉しいことを増す要因は何か、また(顧客の)嫌なことを減らす要因は何かということを考えて記入していきます。最後に、そうやって書き出した内容を左右見比べて、プロダクトやサービスが顧客にとって必要なものであるかを検証していきます。

このバリュープロポジションキャンバス、一見簡単そうに見えます。実際にやってみると分かるのですが、これが意外に難しい。それはなぜか。私の場合はターゲットが絞り切れていなかったことが原因でした。マーケティング業界ではよくペルソナと呼ばれていますが、とにかくターゲットを顔がイメージできるくらいに鮮明にすることが必要です。ターゲットが鮮明であれば、どういうプロダクトやサービスであればターゲットの課題を解決できそうかが分かる、つまりそれが価値の提案ということになります。

バリュープロポジションキャンバスが一通り書けたらそこで終わりではありません。最後にもう一度ビジネスモデルキャンバスに戻ります。おそらくバリュープロポジションキャンバスを書き切ったことによって、当初考えていたVP(価値提案)とCS(顧客セグメント)は多少なりとも変化したはずです。それを反映したら、全体的に見渡しておかしいところがないかを再点検します。

弊社のサービスを見直した時もこのようにバリュープロポジションキャンバスとビジネスモデルキャンバスを併用しました。両者を行ったり来たりしましたが、むしろバリュープロポジションキャンバスの方が役に立ったのではないかとさえ思います。説明は以上ですが、バリュープロポジションキャンバスがビジネスモデルキャンバスを補完する機能を持っているということがお分かりいただけるのではないでしょうか。



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