大規模なWBSの作り方(後編)

ITコーディネータの吉田聖書よしだみふみです。

前回の記事では、
大規模なプロジェクトのWBSを作成する際に
いきなり全体を書くと煩雑になり時間もかかるので
まずは工程とその成果物を洗い出してから
トップレベルのプロセスマッピングを
行う手順について書きました。

今回はその続きです。

前回の手順を踏むと、
工程ごとのインプットとアウトプットを
整理した一覧表と
それらを図示したトップレベルのプロセスマップが
出来上がっていると思います。

トップレベルのプロセスマップ(一部)

次に、その一つ一つの工程ごとに
セカンドレベルのプロセスマップを作成していきます。

もし以前にDFD(データフロー図)の
作成法について勉強したことがあれば
その応用だと考えれば
理解しやすいかと思います。

まず、工程を作業に見立てて
大きな楕円を描きます。
そしてその周りに
第一段階で洗い出した
工程のインプットとアウトプットを全て並べます。

次に、大きな楕円の中に、
工程内で行う作業とその中間成果物を書き出し、
矢印でつなぎます。

工程のインプットは、
工程内のいずれかの作業へつながりますし、
工程のアウトプットは
工程内のいずれかの作業からつながります。

セカンドレベルのプロセスマップの例(結合試験工程)

プロセスマップを作成中に
仮にインプットやアウトプットに
漏れが見つかればラッキーです。

試しに結合試験準備工程を定義してみる

上の例では、トップレベルのプロセスマップで
出所の不明な資源(結合テスト用データ)がありましたが
セカンドレベルのプロセスマップで整理しました。
また、結合テスト用サーバがどのタイミングで構築すべきか
曖昧でしたが、図示することで明確になりました。

漏れていた項目(作業または資源、成果物)を
工程ごとの成果物一覧表と
トップレベルのプロセスマップに
反映しておきましょう。

こうしてある工程のプロセスマップが完成したら、
それを他の工程にも順次適用し、
全ての工程についてプロセスマップを作成します。
これによってトップレベルのマップを介して
セカンドレベルのマップが全てつながることで
プロジェクト全体のマップが完成します。

今回の説明では、
全体のプロセスマップを先に作りましたが、
森よりも木が見えてしまう場合は
先に工程別のプロセスマップを作成してから
全体のプロセスマップを作成しても構いません。
全体と個別を行ったり来たりしながら
整合を取っていくことが大切です。

このやり方であれば
比較的規模の大きいプロジェクトでも
効率よくWBSを作成することが出来ます。
小規模なWBSは作れるけど
大規模になると途方に暮れてしまう
という方はこの方法を試してみてください。



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