プロジェクトオーガナイザの吉田聖書です。
昨年(2023年)の5月17日に東京都デジタルサービス局が、都政のポータルサイト「#シン・トセイ」に記事を投稿しまして、「東京都アジャイル型開発に係るプレイブック」を公開したと発表しました。
「アジャイル型開発プレイブック」を公開しました(2023/5/17 東京都 構造改革推進チーム)
このプレイブックとは何かというと、東京都は2022年度からデジタルサービスをアジャイル型開発に取り組んでいて、その取組みの様子を東京都職員向けに発信する目的で取りまとめられたレポートです。本紙と別紙で構成されていまして、それぞれ本紙が60ページ、別紙が111ページとなっています。結構しっかりした分量があります。
本紙の構成は、まず「アジャイル型開発とは何か」について書かれていて、続いて「アジャイル型開発の取組み事例」「アジャイル型開発の流れ」が書かれています。2番目の取り組み事例については、実際に東京都庁で実施したアジャイル開発の事例を4件収録しています。ちなみに本誌ではなく別紙の方にはこの取組み事例の詳細版が掲載されています。
3番目のアジャイル開発の流れについては、実際に東京都庁で実施したアジャイル開発のプロセスやチームメンバーの役割分担について詳細に書かれています。アジャイル開発については専門書もありますけれども、専門書よりも平易に書かれているので、これまで全くアジャイル開発をやったことが無いという人は読んでみる価値はあるかと思います。
尚、最後の章には「デジ局(東京都デジタルサービス局)のアジャイル型開発への参加方法」が書かれていて、これは東京都の職員でない人には直接関係ない話かもしれません。
※ この記事は、先日公開した以下の音声コンテンツを基に編集したものです。
ただ、システム発注者としての心構えとか、お願い事項は、都政でなかったとしても全く無関係とは言い切れないと思います。というのも、アジャイル開発は何よりシステム発注者側がカロリーを使う手法で、発注者側の動きによって成否が左右されると言っても過言ではないからです。このレポートは都の職員向けに書かれていて、まさにシステム発注側の立場で初めてアジャイル開発に取り組む人たちが読むには最適です。
このレポートの良いところは、ただアジャイル開発のお作法を掲載しているのではなく、プロセスを自分たちの組織に適合するようにアレンジしたものを掲載しているところです。組織によっては、アジャイルとは呼んでいるものの、本当のアジャイル開発をやっていないところもあります。私はよく「なんちゃってアジャイル」とか「名ばかりアジャイル」と呼んでいますけれども、実態はウォーターフォールなのにドキュメントを作りたくないからアジャイルと呼んでるだけのケースを見かけることがあります。それって本当のアジャイルをやっている人に対して失礼だと思うんですよね。
一方で、本当のアジャイルをやってみたいけど事例が無いからと二の足を踏んでいる組織もあると思います。それは大変もったいないので、そういう組織はこのレポートを参考に取組まれたらよろしいかと思います。
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