「見える化」というプロマネの仕事

「プロジェクトマネージャ(PM)の目的は何か」という問いには人によって表現は微妙に異なると思いますが、およそ「成功裏にプロジェクトを完了させること」ということになるでしょう。では「その目的の為にPMが行う作業(=手段)は何か」という問いにはどのように答えるでしょうか。もちろん、これも人によって、特に業種・業態やプロジェクトの特性によって表現は異なると思いますが、私が一言で答えを問われた場合には「見える化(=可視化)」と答えます。

もちろん、PMの仕事というのは究極的には「成功裏にプロジェクトを完了させるために、あらゆる手を尽くす」ということになるのですが、「あらゆる手」に共通するポイントというのが「見える化」なのではないかと考えています。とはいえ「見える化」して終わりという意味ではなく、「見える化」するところから始まるという意味です。念のため。

プロジェクト管理手法というのは数多あるのですが、どれもが管理すべき対象を見えるようにして状況を把握し、様々な手を打つための判断の手助けをしてくれるものだと私は理解しています。例えば、計画の見える化、タスクの見える化、スコープの見える化、スケジュールの見える化、コストの見える化、品質の見える化、リソースの見える化、リスクの見える化、コミュニケーションの見える化…などです。

なので、プロジェクトをマネジメントする立場に就いた場合には、いかなる形式であろうと、これらを「見える化」する、つまり具体的なドキュメントに落とし込むかツールに入力・表示するというところから始める必要があるということです。こういった作業は面倒くさいものですが、「見える化」する作業を省略していったい何をマネジメントするというのでしょうか。

よく、頭の中にはあるから(アウトプットしなくても)大丈夫だということを主張する人も見かけますが、実際にアウトプットしてみると意外と出来ないということが分かると思います。脳内に記憶できる情報量も限られているそうですので、全てを同時に、かつ瞬時に把握し合理的な判断を下すというのはどう考えても無理があります。まして、プロジェクトでは日々想定外の問題が発生し、常に合理的な判断を求められるのです。そのためにいちいち思い出しながら進めるというのは効率が悪すぎます。それにもしそのうちのいくつかを思い出さなかったとしたら、それはどういう結果を招くでしょうか。

ここまでプロジェクトマネジメントのイメージで書いてきたつもりですが、改めて考えてみると一般的な組織のマネジメントにも当てはまるのではないかと思っています。もちろん経営者は判断するのが仕事ですが、瞬時に的確な判断を行うために「見える化」が必要なんだと理解しています。



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