管理が破綻しないための期限設定

プロジェクトオーガナイザの吉田聖書よしだみふみです。

今回は課題管理における期限管理、
特に期限が切れた場合の処理の仕方
について書いてみたいと思います。
というのも、これは私自身
どうすべきか悩むところでもあるからです。

課題管理の項目は案件にも依存しますが、
共通しているのは大まかに以下の3つです。

  • 質問:不明点を明確にする必要があるもの(Question)
  • 課題:先に進むために意思決定が必要なもの(Issue)
  • 作業:手を動かす/動かしてもらうもの(Task/ToDo)

これらに対して
普通は担当者と期限が定められます。
これがきちんと回っているプロジェクトであれば良いのですが、
全体的にタスクが溢れている場合や、
課題のやり取りが直接ではなく取次の場合、
設定した期限が守られないことが多々あります。

では、期限が過ぎてしまった場合、
プロマネとしてはどうすべきかという論点です。
1つは期限を再設定するというもの。
もう1つは期限設定を維持するというものです。

ある案件で、リーダーが顧客の担当者に
ある依頼をし、期限が設定されました。
期限の日になって、リーダーが状況を確認すると、
顧客担当者が「まだできてません」と回答しました。
リーダーは催促した上で期限を1週間後に再設定しました。

次の週、リーダーが状況を確認すると、
顧客担当者が「まだできてません」と回答しました。
リーダーは催促した上で期限を1週間後に再設定しました。

顧客からは一向に納品がなく、
毎回毎回期限を延ばすだけ。
そうこうしているうちに
とうとうプロジェクトそのものが
期限に間に合わない見込みになりました。

この事例から言えることは、
期限を再設定すると本来の期限を見失い、
締切意識が薄くなるということです。

    ◆    ◆    ◆

もう一つ別の例を紹介します。
ある案件で、リーダーが顧客の担当者に
ある質問をし、期限が設定されました。
期限の日になって、リーダーが催促しても
顧客は一向に回答を返してきません。
そしてそのような課題が溜まっていきました。
課題は増えていく一方で全然減らず、
そのような状況なのに顧客からは質問が来て、
しかも執拗に催促されるという滅茶苦茶な状況でした。

おまけに、
ようやく反応があったかと思ったら
「どれから回答すれば良いか分からないので優先順位を教えて欲しい」
と言ってきて、我々一同憤慨。
「もはや全て期限が切れているのだから、
 期限の古いものから毎日5件ずつ回答しろ」
と叫びたかったです。叫びませんでしたが。

この事例から言えることは、
期限が切れた状態に放置しておくと
管理されていないことと同じになり、
推進力が得られなくなるということです。
(尻を叩く効果が薄くなる)

人間の一般的な傾向として、
締切がちょっと先の日付だと
すぐには手を付けないで
ギリギリになって手を付けがちです。
だから、本当の締切(最終期限)を
期限に設定するのではなく、
例えば次の定例会の日付が選ばれます。
目標が近くにあれば、
馬ニンジン効果が期待できるからです。

かと言って、常に目の前に期限を置くと
本当の期限(最終的な期限)が見えず、
プロジェクト計画を台無しにしないために
どのように着地させていくかといった
プランが練りにくくなるのも事実です。

そうすると、やはり1つの課題に対して
締切と当座期限の2つを設定することで、
ゴールを見据えつつ、日々の駒を
進めていくことができるように
なるのではないかと考えています。
締切とは最終的な期限のことで、
ここを守れなかった場合は
プロジェクト計画の見直しが必要になる
あるいは、何かを諦めなければならない
という日付を設定します。
当座期限とは、当座のアクション遂行の
目標となる日付を設定します。

やりとりが1往復で完了することは少ないため、
予めそういう状況を踏まえて
それぞれの日付を設定すると良いのかな
と考えています。



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