「みんなでやる」は誰もやらない

ITコーディネータの吉田聖書よしだみふみです。

プロジェクトを進めていくうえで、
役割分担を明確にするというのは
基本中の基本です。

担当者が曖昧なタスクは
責任が曖昧なまま放置されることになります。

以前、あるプロジェクトで
こんなことがありました。

なかなか進捗しないタスクを
どう捌いていくかという局面で、
支援に入ったプロマネがリーダーに
「これは誰が担当するんですか?」
と尋ねたところ、そのリーダーは
「みんなで担当します」
というような答えをしました。

当然のことながらプロマネは
リーダーに対して怒ったわけですが、
その時の一連の様子を見ていて、
リーダーは、自分がなぜ怒られたのか
最後まで理解しなかったのではないか
と感じずにはいられませんでした。

タスクが放置されてしまう理由は
割り当てた担当者が適材適所でない
というのが真っ先に思いつくところですが、
その他にもいくつかあります。

(1) 担当者が曖昧

冒頭に書いたように
担当者があいまいだと
当然誰も手を付けません。
順調で余裕があるプロジェクトであれば
誰かが気を利かせて
やってくれることがあるかもしれません。

ですが、炎上プロジェクトの場合、
みんな自分の手持ちの作業で手一杯ですから
担当が曖昧なタスクは基本見て見ぬ振りです。

こういう場合は、
担当者が部署名やチーム名のタスクは
個人名を特定して担当を割り当てるべきです。

複数のメンバーが割り当てられているものは
少なくともどちらかが主担当として
そのタスクに責任を持つべきあり、
責任を曖昧にしたままで改善は見込めません。

(2) 粒度が大きすぎる

例えば、他のタスクに比べて
1人のメンバーが担うには
粒度が大きすぎるということがあります。
他のタスクは数日といった期限が
見えているのに対し、
比較して期限が長いことがあります。

こういう場合は、
タスクをもう少し細分化して
細分化したそれぞれのタスクに
人を割り当てることで
改善することができます。

(3) タスクの成果物が不明瞭

別の理由として、
タスクの境界線(スコープ)が
曖昧であるということがあります。
別の言い方をすれば
タスクの成果物が不明瞭である
ということでもあります。
結局このタスクは何をすればよいのか
が分からないものは
誰も手を付けられません。

こういう場合は、
このタスクが何をすれば終了なのか
を明確にすることで
改善することができます。

(4) 名前がタスクを表していない

また他の理由として、
タスクにつけた名前が
実態を表せていないということがあります。
その場合、タスクを定義した人しか
そのタスクの内容が理解できない
ということが起こりえます。
それでは一々説明しなければならない。

粒度も適切で
成果物も明瞭であるにもかかわらず
放置されてしまうとしたら
名前を見直すことで改善が期待できます。


タスクが放置されるのには必ず理由があります。
もしかしたら以前書いた
この記事のような理由もあるかもしれません。
本当はこの仕事をやりたくありません

いずれにせよ、
理由を突き止めた上で
適切な対処をしていくことが
大切なことだと考えています。



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