タスクが溢れて忙しい現場

プロジェクトオーガナイザの吉田聖書よしだみふみです。

前回は、メンバーに能力差のあるチームで
かんばんボードを導入したらどうなるか
ということについて書きました。

今回はその流れで、タスクの偏りと
それを解消する手段としての
かんばんボードの性質について
考えてみたいと思います。

本稿は、4か月ほど前に投稿しようと
元々別のテーマで書いていたものですが、
読み返してみると、
テーマから逸れてしまっていたので
お蔵入りとしていました。

ところが、ここ数回の投稿で
かんばんボードの話題を取り上げ、
タスク管理の話からチーム管理の話に
シフトしてきたので、
このタイミングで公開するのが良かろう
と考えました。

私は昔、調理場で働いたことがあります。
個人で営業しているような
比較的小規模な飲食店は別として、
そこそこの規模の調理場というのは
部門(セクション)が決まっています。

私が働いたことのある調理場では、
和食・洋食・中華など(ファミレス)
板場・煮方・焼場など(和食の居酒屋)
ワンプレートで盛り付けるケースなど、
メニューによっては複数の部門が共同で作業しますが、
それ以外は基本的に部門内で作業が完結します。

当時、私は若かったので、
自分の部門の事ばかりを考えていました。
しかしマネージャに当たる上司は
調理場全体のことを考えます。
顧客からの注文というのは
どの部門にも満遍なく行くわけではなく
どうしても偏りが発生します。

すると、ある部門は暇なのに
ある部門は大忙しという状況が生まれます。
そんな時、マネージャは
忙しい部門を自らサポートするか、
余裕のある人をサポートに回します。
特定の曜日など忙しさが想定される日には
人員を厚めに配置して、
どの部門にも属さない人を置いておき
その時一番忙しい部門をサポートさせます。

これを当たり前だと思うでしょうか。

もし、そういった手当を行わないと、
暇な部門はだべったり休んだりします。
たまに注文が入ればそれを捌きます。
忙しい部門だけがずっと動いているけど
注文が捌けずタスクが溢れている状態。
想像しただけでも辛い状況です。
リーダーがこの状態を放置しているとしたら
この組織は立ち行かなくなるでしょう。

でも、このような状態のオフィスが
よく見られるのではないでしょうか。
仕事が偏ったまま、一部の人だけが忙しい
という状態が放置されていないでしょうか。

きちんと仕事をしているマネージャは
チーム内でタスクの偏りが発生していたら
役割分担を見直してタスクを平準化するか、
負荷を乗り切れるようなサポートを行います。

気付かれたかもしれませんが、
この采配を半自動的にやる仕組みが
かんばんボードには備わっています。
もっと言うと最初から偏らないような
タスクの割り当てを実施できるのです。
もちろん能力差が無い、あるいは有っても
カバーできる体制であることが前提です。

ただ、かんばんボード方式は
みんなで協力して頑張り続けるという
結構なタフさが求められるモデルです。

仕事量に波がある現場では有効ですが、
仕事量がいつも程々の現場では
導入のメリットがありませんし、
仕事量がいつも溢れている現場では
メンバーがすり減ってしまいます。
短距離走だと思っていたら
ゴールテープも一緒に
前に移動しているような感じです。

もし、メンバーにまだ伸びしろがあれば
スキルアップによる効率化によって
タスク溢れの解消が期待できますが、
既に疲弊している場合は
一次的なヘルプ要員ではなく、
単純に増員が必要だと考えます。



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