メンバー構成に応じたタスク管理方式

プロジェクトオーガナイザの吉田聖書よしだみふみです。

前回、前々回とかんばんボードの話の中で
うまくいく時とうまくいかない時がある
ということを書きました。

では、どうしたらうまくいくのか
その条件について少し考察したので
今回はまた別の角度から、
かんばんボードについて書きます。

別の角度というのは、能力差、
あるいはスキル差という観点です。

前提として、
大きいPJのチームを考えますが、
数人の小さいPJなら
全体を1チームと考えます。

仮に4人のチームだとして
リーダー以外にメンバーが3人として
このチームのタスク管理を考えます。

オーソドックスなやり方はWBSを作って
メンバーにタスクを割り当てて
スケジュール通りに進捗しているか
日々確認していくという方法ですが、
ここで、かんばんボードを採用する
と仮定します。

おそらく理想なのは、3人とも
同じようなスキルレベルである構成です。
つまり、かんばんボードっていうのは
ToDoのタスクの優先順位は決まってますが
誰が何をやるかというのは、決めません。

もちろんWBSと同じように
適材適所で割り当ててもいいんですが、
(実際、私たちはそうしましたが)
最大限に効果を発揮するのは、
自分のタスクが終わって手が空いた人が、
残っている中で優先度の一番高いタスク
に着手していくということです。

そうするときれいに優先度の高い順に
タスクがはけていきます。
タスクの大きさによっても
終わる順番は前後するかもしれませんが、
少なくとも優先度の高い順に
着手していくことができます。

ここで仮に
メンバー間に能力差があるとどうなるか。
能力差というのは
1つのスキルの成熟度と考えてもいいし、
保有スキルの幅と考えてもいいです。
相対的な能力差として、例えば、
Aさんはベテランでオールマイティー。
Cさんは新人なので保有スキルは少なく、
Bさんはその中間といった感じですね。

能力差があるっていうのは、例えば
Cさんがタスクを終わらせて手が空いて、
最優先のタスクをやろうとしますが、
Cさんには担当できるだけのスキルがない
という場合が考えられます。
すると最優先のタスクを差し置いて
Cさんが担当できる中で
最優先のタスクに着手せざるを得ないわけです。

優先度2番目とか3番目ならいいですが、
忙しいさなかに優先度10番目のタスクを
やられても困ります。
かといってスキル不足で着手すれば、
誰かのフォローが必要かもしれません。
これはあまり良い状況ではありませんね。

なので、かんばんボードは
メンバー間に能力差がある場合には
(不可能ということはありませんが)
あまり適してないのではと考えています。

でも実際のPJでは、このような
能力差のある構成はよくありますよね。
そういう時は、
やはりオーソドックスにWBSを作って
詳細なスケジュールに落としこんで、
予め能力差を考慮した
役割分担をしておくのが無難です。

そうすれば、AさんもBさんも
自分のタスクに集中できますので、
全体の効率は上がると思います。
もちろん必要に応じてCさんを
フォローすることになると思いますが、
自分のタスクが予定通り進捗しさえすれば
全体の進捗としては問題なく、
むしろCさんをフォローした方が
全体が進捗するということすらあります。

そうはいっても、どうしても
かんばんボードでやりたいのであれば、
スキルレベルの揃ったメンバーを集めるとか、
あるいは、今回の例で言えば
AさんとCさんは必ずセットで動くようにし
Aさんは常にCさんのフォローをし続け
自分のタスクは持たないようにします。

最初は効率悪いかもしれませんが、
Cさんが成長すると
Bさんレベルまでいかなくても
フォローすべきことが減ってきます。
そういう布陣もありだと思います。
Aさんの成果は
あくまでもCさんが成果を出すこと
というルールにしてしまうのです。

それで最終的にCさんが独り立ちできれば
これは最強なわけですよね。
理想的な形ではないかもしれませんが、
状況に応じて柔軟に考えていくことが
必要なのだろうと思います。



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