ただ見守っているだけではマネジメントとは言わない

ITコーディネータの吉田聖書よしだみふみです。

前回に引き続き、
今回もプロジェクトの現場で起こりうる
進捗管理の話題です。

前回の記事はどちらかというと
プロジェクトのメンバー(担当者)に
フォーカスを当てた話でした。

今回はプロジェクトマネージャ(プロマネ)に
フォーカスを当ててみたいと思います。

ここで言うプロマネは必ずしも
正式に任命されたプロマネとは限りません。
例えば営業部門と製造部門という
よくある体制で業務を行う場合、
顧客の窓口となる営業担当者が
「事実上の」プロマネの役割を
担っていることがあります。

余談ですが、そういう時、
「私はプロマネではない」
とは言わないで、
是非ともプロマネとして
動いていただきたいと思います。

さて、プロジェクトのメンバーに
進捗を確認した時、
前回の記事のように
遅延を隠されると困るのですが、
一方で、堂々と遅延を報告し、
しかも改善の兆しが見えず、
改善しようという姿勢も見られない
というメンバーがいる場合があります。

期日になってもタスクに着手していない、
あるいは着手はしたがずっと仕掛中のまま
(例えば進捗率90%のまま)
一向にタスクが完了しません。

遅延の本当の理由は
スキル不足だったりするのですが、
それでも大抵の場合は
「思ったより進まなかった」
「他のことで忙しい」「時間が足りない」
といった理由を述べてきます。

そんな時、プロマネはその報告を
毎日ただ聞いていてはいけません。
メンバーにどんな事情があろうと
確実に納期は迫ってきます。
その時、遅延の責任を問われるのは
メンバーではなくプロマネです。
「メンバーが悪いんです」
なんて理由は通用しません。

私が過去の携わったあるプロジェクトでは、
メンバーが「忙しくてできない」というので
プロマネがその上司に
「メンバーが忙しいので出来てません」
と報告したのを耳にしました。

確かにそのメンバーは仕事の進め方が
うまくなかったのかもしれませんが、
それでもプロマネは
プロジェクトを進捗させるために
あらゆる手段を講じるべきです。
人のせいにしたところで
自分の責任を免れることはできません。

まず、そのメンバーにとって
このプロジェクトに専念できる環境を
どうにかして作る必要があります。
特に、複数のプロジェクトや業務を
掛け持ちしているメンバーの場合、
どうしても比較的難易度の低い
タスクを優先してしまいやすいです。

時には上長・部門長を巻き込みながら、
タスクを再割当てする必要があるかもしれません。
そんな事頼めないよ、
という声もあるかもしれませんが、
上長・部門長にとっても
タスクが進捗しなければ困るのです。

そういう環境を用意してもなお
進捗しないという可能性も残ります。
その場合は別の面からの
サポートが必要かもしれません。
スキルが不足していれば補うとか、
ちょっとしたコーチングのようなことも
実施する必要があるかもしれません。

ある別のプロジェクトを支援していた時、
外注先の会社に、これは間に合いませんと言われ、
「間に合わせるためにどのようなサポートが必要か」
と、尋ねたことがあります。
そしてそれに対して要請された事項を
上長に伝え、実行してもらいました。

突き詰めていくと、
出来ない原因をすべて明らかにして
その原因となるものをすべて取り去ってやる。
それくらいの覚悟は必要だと思っています。



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