ITコーディネータの吉田聖書です。
もうすぐ異動の季節。
新しい部下を迎えるという管理職の皆さんもいらっしゃることでしょう。
新しいメンバーがスムーズにスタートを切れるようにするということは、管理職の仕事の一つです。
忙しくて受け入れ体制を整えられない現場も多いと思いますが、その中でもできることは何でしょうか。
かつて、
「ちょっと大変な現場があるから1か月だけ手伝って欲しい」
と言われてシステム開発のお手伝いをした時の話です。
当初はマネジメントの話ではなく、
純粋に手が足りないので機能の一部の開発を担って欲しい
ということだったのですが、
しばらくするとこんな相談を受けました。
よくある話ではあるのですが、
そのプロジェクトでは手が足りないので
とにかく人をかき集めてきた状況でした。
スキルのある人がリーダーとして立てられており、
それ以外の20名くらいのメンバーを面倒見ているということでした。
リーダー以外のメンバーは経験の浅い人が多く、
分からないことはすべてリーダーに質問していて、
リーダーが回らなくなっているので、
代わりにメンバーの質問や相談に乗って欲しいという依頼でした。
一人のリーダーが20名もの面倒を見る体制が
そもそもどうなのかとは思いましたが、そこはグッとこらえ、
(私自身は遠隔で作業していましたので)開発チームのいる現場に出向くことにしました。
現場に入るや否や、すぐに何人もの開発者が私のところへやってきました。
主に「このような実装をしたいのだがどうすればよいか」という質問でした。確かに、言語の知識だけではなく、
そのプロジェクトで採用しているフレームワークの知識が必要な状況ではありました。
私も一部の機能とはいえ、開発を担当しましたので、
そのプロジェクトの方針とかお作法については、
まとめられていたドキュメントを一通り読みながら作業を進めていました。
しかも、そのドキュメントは極めて品質が高く、
使用しているフレームワークについてのどの参考書よりも具体的で分かりやすく、
このまま売り物になるのではないかと思ったくらいです。
実は、私が受けた質問はすべてそれらのドキュメントを読めば解決するものでした。
(もっと酷い質問も受けましたがそれはここでは割愛します。)
ドキュメントが存在しないために炎上するなら話は分かりますが、
そのような優れたドキュメントが既に整備されているのに、
活用しないで火を噴いているというのは大変もったいない。
上記は開発プロジェクトの例ですが、
ラインの業務でも同じことが言えると思います。
部門の業務に必要な知識や手順等をまとめたドキュメントを用意して、
あるいは、すでに整備されているのであれば、
それを活用できるような工夫をしてはいかがでしょうか。
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