プロジェクトオーガナイザの吉田聖書です。
FRAIM株式会社が提供する文書基盤サービスLAWGUE（ローグ）が経済産業省の実証調査事業で採用されたというニュースリリースを取り上げます。
公式サイトのニュースリリースはこちら。
11月5日にFRAIM株式会社がニュースリリースを出しました。その内容を簡単に説明すると、今年の通常国会で提出された法案に沢山の誤りがあったそうです。沢山というのは第204回通常国会に提出された法案（それがいくつあったのかは記載されていませんでしたが）の案文と参考資料に合計181件もあったということです。良く数えたなという印象なんですが、これは何とかしなければならないということで省庁横断で再発防止策が取りまとめられました。
※ この記事は、先日公開した以下の音声コンテンツを基に編集したものです。
条文を読んだことがある方は分かると思いますが、そもそも、法律は厳格に書式（フォーマット）が決まっています。そして、参考資料も含め、とにかく正確さが求められるわけです。ブログのように思い付きでパッパと書くわけにはいかないわけですね。ですが、作成するのは人間です。誤りをしないように作成するために相当神経を使うだろうということが推測できます。
再発防止策と言っても、人海戦術に頼る方法ではもう今の時代においてはだめだと思います。よく、仕事でミスをすると、再発防止策として「周知徹底します」とか「今度から気を付けます」というものがあると思いますが、これは精神論であって策にはなってないわけですよね。
なので、この件の中長期的な再発防止策としては、一言で言うと「情報システム使おうよ」ということになりました。そこで「本当に情報システムを使うと効果的・効率的にミスを防げるのか」ということを検証するために、経済産業省が実証調査を行うことになりました。そしてその事業に、このFRAIM株式会社が提供するAI文書基盤LAWGUEが使われることになったというのがニュースリリースの骨子です。前置きが長くなりましたね。
ではそのLAWGUEが提供する機能について触れてみたいと思うんですが、最初の印象はMicrosoft Wordの進化版といったところでしょうか。法律や契約書など書式やルールが明確に決められている文書を作成する場合には、Wordはよく利用されるアプリケーションかと思いますが、20年以上前からその基本的な機能は変わっていないように見えます。Wordは使いたいんだけど、使いづらいんだよなという声はよく聞きますし、それは私も良く理解できます。そういったWordの使いづらさを克服し、かつWordが本来持つ基本的な機能をクラウドサービスとして提供しています。（ここではWordと書きましたが、Googleドキュメントでも、LibreOffice Writerでも、一太郎でも基本的には同じことです。）アプリケーション単体では単発の文書を編集する分には問題ないですが、複数の大量の文章の体裁を共通化するということが得意ではないため、そこにクラウド文書基盤の可能性を感じます。
LAWGUEは、その名前が示す通り、会社の法務領域の文書を想定して構築されていますけれど、私は情報システムの設計書なんかこのサービスを利用して作成したらいいんじゃないかと思いました。ITシステムの開発現場では設計書などのドキュメントを読み書きすることが多いと思いますが、書式がバラバラだと読みにくいし、逆にバラバラにならないように気を付けて書くのも大変です。レビューする時にも書式のミスなんて言うつまらないところは指摘したくないですし、かといって放置すればドキュメントの品質が上がっていかない。そろそろOfficeスイートで設計書を書くのはやめたいと思っていたところです。
書式を整えるだけでなく、改訂履歴だったりレビューのワークフロー機能だったり、組織で作業し、かつ情報として蓄積・管理していく上で便利な機能が備わっています。このサービスを利用するには会社ぐるみで導入しないと意味がないので、個人的な思いで導入するのは難しいかもしれませんが、一プロジェクトでも使いたいと思わせてくれるサービスです。
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