ドキュメントは7~8割の完成度を目標に

ITコーディネータの吉田聖書よしだみふみです。

職種によっては、様々な資料(ドキュメント)を作成する一方で、
部下やチームメンバーにも作成してもらうことがあるでしょう。
その時、暗に100%の完成度を求めていないでしょうか。

いやいや、100%を目指すものではないの?
という反応も聞こえてきそうです。
もちろん最終的にはそうです。
でも、ここで申し上げたいのはそういう意味ではありません。

作成を指示したドキュメントについて
作成者が100%のクオリティまで高めてから提出してきたり、
逆に、大して執筆が進捗しないまま
持ち時間を使い果たしてはいないかということです。

何故このようなことを書くのか。

管理職・マネージャ職の皆さんも若い頃、
100%の完成度に仕上げたドキュメントを
完璧だと張り切ってレビューを受けたところ
たくさんの指摘を受けてボロボロになった経験はないでしょうか。
私もあります。

そもそも、完成とは何かを定義することは難しいのです。

依頼者が作成者に依頼する時、
完成形を示していないのであれば
作成者にとって完成とは主観でしかありません。

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ここで、ドキュメントの作成工程について考えます。
私の場合はおよそ次のように3つに区切っています。

  1. 検討段階:表紙や目次だけ作成して全体を押さえ、記載すべき材料を集める。
  2. 作成段階:本文を執筆し、材料が不足していたら追加で集める。
  3. 仕上段階:レビューを受け、過不足を補ったり、表現や体裁を整える。

作業を依頼する時は、この工程をイメージしてもらった上で、
5割の完成度で一度レビューすると良いでしょう。
レビューの指摘を踏まえて7~8割の完成度まで仕上げてもらいます。

完成しないと気持ち悪いという人もあるかも知れませんが、
残りの2~3割は今後の改定の余地を残しておきます。
これは誤字脱字や体裁の乱れをわざと残すという意味ではなく、
状況が変わったり、内外からのさらなる指摘を受け、
内容を改定する可能性を意識するという意味です。

完璧主義の人の場合、
とにかく自分の高い基準で100%を目指そうとします。
そして時にそれは過剰品質です。
7~8割のクオリティを100%に高める作業というのは
0から7~8割の物を作成するのと同じかそれ以上の時間を費やします。

もし完成されたものが依頼者の目指す方向性とずれていたら、
かなりの部分を作り直してもらわなければなりません。
早めに方向性の確認ができれば、
軌道修正しなければならないとしても
(主観的に)100%に仕上げてから直すよりは影響が小さく済みます。
影響が小さければ時間も節約できます。

ですので、最初から100%の完成度まで高めてくる人に対しては、
まずは一旦5割の完成度で見せてもらうようにします。

一方で、なかなか進捗しない人は
頭から順序良く仕上げて行こうとするタイプが多く、
持ち時間を使い切ってしまってから
「出来てません」と申告してくることがあります。

この場合はまず全体の構成(あるいは章立て)を示すか検討してもらい
かなり早い段階で摺合せをしておきます。
そして順番でなくても良いので書きやすいところから書き始め、
全体をちょっとずつ執筆していくようなやり方も効果的です。



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