自ら変化を起こすべきか

ITコーディネータの吉田聖書よしだみふみです。

私のように契約ベースで仕事をしているとよく
大変ですねと言われることがあります。

質問する人によってその意味するところは異なると思いますが、
組織の中でしか働いて来なかった人にとっては
独立して仕事をするということのイメージが湧かないのでしょう。

ところで、こういう契約ベースで仕事をしていると、
その契約を継続するかどうかという判断が
あるタイミングにおいて双方で必要になります。

依頼する企業にとっても継続して依頼するのか
あるいはもう終わりにするのかという判断をしますし、
私の方でも継続したいのかしたくないのかということを
そこそこシビアに判断しています。

私のような働き方でなく組織に属していても、
外部の会社に出向したり、派遣という形で人を出すことがあります。
そんな時、会社としてその状態を継続するか戻すかの判断は
私のようなインディペンデント・コントラクター同様に必要になってきます。
また、転職を考えている人の場合でも当てはまるかもしれませんね。

その判断基準は人それぞれだと思いますが、
私の場合はおよそ以下の3点のいずれかで説明できます。

(1) クライアントの役に立っているという実感があるか

いくら口で助かってますと言われていても
日々の態度であまりそういう風に感じない時があります。
仕事柄、必要があって嫌われ役をやることもありますが、
少なくとも感謝が無いとか敬意が払われていないなどと感じたり
どこからともなく陰口の噂が聞こえてきた場合は
ああそろそろかな、と考えます。

(2) 本人が成長しているという実感があるか

どんなに大変な思いをしても、
本人がテーマを持って取り組んでいて
日々得るものがあるのであれば継続は歓迎ですが、
大体やるべきことはやり切ったかな、
あとはこれまでの惰性でなんとかなるなと感じ始めたら
もうそろそろかなと考えます。

(3) 継続することが相手にとって良い結果をもたらすか

これは前の2つに比べるとやや判断が難しいのですが、
継続して欲しいという依頼があっても、
継続することが相手の為にならない場合があります。
例えば特定の業務についてこちら側に依存しているケースなどです。
珍しいケースとしては、
依頼があってコストカットを断行した結果、
私にかかるコストが目立ってきたために
最終的に自分の首を切ったということもありました。

人それぞれ考え方はあろうかと思いますが、
私が契約を交わす時には、その潮時についても想定をします。
もちろん当初の想定通りになるとは限りませんが、
それは別に構わないのです。
少なくとも、自分にとって良い条件の契約だからといって
それがいつまでも続くとは思わないようにしています。

だからというわけではないのですが、
大抵の場合は、契約が切られるのを待つのではなく、
自分で進んでタイミングを判断して
更新を辞退することが多いです。

先日、以前ある現場で一緒になったことのある
先輩エンジニアと15年ぶりに会いました。
その方は10年以上も同じ現場で活躍されていたのですが、
そろそろ判断をしようと考えて相談してきました。

クライアントから頼られているという感覚は得難く、
頼られている限りそこにいたいという思いは理解できます。
今任されている業務は他の人ができるわけでもなく、
クライアントからの強い要請もあるので
これからもそこに居続けるという選択も無くはないそうです。
それにしても頼られ過ぎているのではないか
今後のお互いの事を考えたら…と感じているようでした。

ただ、新しいクライアントを見つけようと思っても、
ずっと長いこと同じ現場にいたせいで
そういった営業活動の感覚も失われており、
少々困惑していると話してくださいました。

それに応答する私の話がその方にとって
あまり参考になったとは思えないのですが、
その方の話を伺っていて、一時期流行った
「チーズはどこへ消えた?」を思い出しました。

いつのまにか自分がチーズのない状態に慣れてしまっていたことに気づいた。
これまで、ほかにチーズはないし、みつけることはできないだろうと思いこんでいた。それが恐ろしくて身動きがとれず、だめになっていたのだ。

スペンサー・ジョンソン著
「チーズはどこへ消えた?」(扶桑社)・41ページ

この物語には
環境の変化を感じ取り先回りして行動する2匹のネズミと
決定的な局面に至るまで環境の変化に気づかない2人の小人
という対照的な二組のキャラクターが登場します。
各キャラクターがチーズをめぐって特徴的な行動をし、
それが私たちに示唆を与えてくれます。

尚、「チーズ」とは、私たちが人生で求めるもの
(仕事、家族、財産、健康など)の象徴として描かれています。

これは決して他人ごとではなく、
私自身もある別の人の活躍を目にして
「ああ、置いていかれたなぁ」
と感じることはあります。
だからといって、その人のところに行くのが
ベストな選択肢だとも思えません。

ただ、自分が置かれた環境において
自分にとっての新しいチーズを探す旅は
止めてはいけないんだろうと思います。

変化に反応し適応しようとするよりもっといいのは、できるうちに自ら変化を起こすことじゃないかな。

同・79ページ


関連記事

プロマネの右腕

クロスイデアでは、新サービス・新ビジネスの 立上げや計画を中心に
プロジェクトマネジメントの支援を行っています。

新サービスの企画を任されたけど どう進めていいか悩んでいる担当者、
部下に新しい企画を任せたけど このままで大丈夫か不安な管理職の方、
以下のサイトをご参照ください。
https://www.crossidea.co.jp/services/right-hand-pmo.html

YouTubeにて動画配信中!

プロジェクトマネジメントのノウハウを
YouTubeで配信しています。
ブログと併せてご活用ください。

Comments are closed.