前回の「ワーク・シフト」と同じく先輩ICにお奨めされた書籍です。「ワーク・シフト」が2025年の世界を描いていましたが、今回は更に20年先の2045年です。この2045年というのは「技術的特異点」とされ、ここを境にコンピュータの能力が人間の能力を超えるという仮説です。「ワーク・シフト」よりは理系的な読み物かもしれません。
コンピュータの進化の歴史に始まり、現在のコンピュータの進化のトレンド、そして技術的特異点を超えた後の世界を順に紹介しています。面白いのは過去のSF映画を「あの映画のあの場面に描かれている」という具合に引用しながら紹介しているという点です。
そういえば、中学校の技術科か何かの授業だったかコンピュータについてのビデオを見せられた記憶があります。内容は忘れてしまいましたがエンディングが印象的で、それはコンピュータが進化し意識を持ったら人間と戦争をするということがあるのだろうか、もしあるとしたらどちらが仕掛けるのだろうか、といった問いかけでした。
本書にはそういったSF色もあるのですが、私が取り上げようと思ったのはそういう側面ではなく、6章に書かれている「コンピュータが進化すると働き方が変わる」という側面です。これは単に仕事の効率がアップするというローカルなレベルの変化ではなく、ワーク・シフトにもつながるグローバルな変化です。
つまり、産業革命による工業化と、工業のオートメーション化によってブルーカラーの仕事が奪われたように、コンピュータの進化によって今後はホワイトカラーの仕事も奪われるだろうということです。もちろんブルーカラーの仕事がゼロにはならないように、ホワイトカラーの仕事もゼロにはならないでしょう。しかしそれを担うのは限られた人たち。多くは職を失うことになります。
本書は働き方についてのテーマではないので、じゃあどうすれば良いかという処方箋についてはあまり紙面を割かれていないのですが、キーワードは能力アップ。特にコンピュータのリテラシーというのは未来の世界を生き抜いていく上で重要な能力であると改めて認識しました。
書名:2045年問題
副題:コンピュータが人類を超える日
著者:松田卓也
発行:廣済堂出版/2013年1月1日
ISBN:978-4-331-51683-6
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