リクルートの口ぐせ・R85に学ぶ


日付が変わってしまいましたが、本日(24日)はIC協会の月例セミナーに3カ月ぶりに参加してきました。今回のテーマは「リクルートの口ぐせ 出版記念セミナー」ということで、書籍『「どこでも通用する人」に変わるリクルートの口ぐせ』を執筆されたR85と呼ばれるリクルート社1985年入社のOBらをパネリストに迎えてのパネルディスカッションが行われました。

私がIC協会に入会したのは2006年末でしたが、正直なところそれまでは「リクルート」という社名及びその商品しかよく知りませんでした。しかし、入会後、今回のようなセミナーを通じて知り合った方々はリクルート出身者が多く、お一人お一人お話を伺っていくうち徐々にリクルート社に興味を持つようになりました。今回はそんな方々が在籍していた頃の内側の様子が聴けるのではないかと大変期待しておりました。

書籍の方には全部で32項目の「口ぐせ」が掲載されているのですが、企画や編集段階で残念ながら掲載を見送ったものもあったそうで、そういったいわゆる「場外」の口ぐせをいくつか披露していただいたのですが、むしろそちらの方が聴き応えがあったかもしれません。

全体を通して私が特に気になったのは次の2つです。

「何をやるか」は重要じゃない

「仕事は選べないけど、仕事に対する態度は自分で決められる」し、「会社に育ててもらうのではなく、自分の心で育っていくものだ」ということなのですが、これは納得です。色々と人のせいにするのは簡単ですけれど、自分の成長は自分で責任を負うしかないのですね。

「で?」(お前はどうするの?)

単純な状況報告をするとこのように切り返され、自分の考えを伝えるまでは何らのアドバイスももらえなかったというエピソードなのですが、逆の(上司の)立場で言えば、そうやって考えさせなければいつまでたっても考えられるようにはならないということですね。時間もかかるし忍耐も必要ですが、だからといって答えを教えてしまったのでは、相手が成長する機会を奪ってしまうことになります。

このように間近で具体的なヒントをたくさん聴くことができ、大変有意義な交わりのひと時でした。


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つるむ安心、つるまない安全


先日、Facebookでシェアされていた記事をたまたま読んで、「これは」と思ったので私の思いを書いてみたいと思います。

(元の記事はこちら)
なにかを本当にはじめるなら一人ではじめよう

私は生まれ育ちが藤沢だったので、江の島も片瀬海岸も庭とまでは言わないにしろ馴染みの深い土地であり、この記事の舞台である鎌倉海岸と似たような光景…つまりいつもサーファーのいる海というものを見ていました。ただ、私自身はサーフィンを全くやらないので、パッと見ただけでは初心者か上級者かは判別は出来ないのですが、上級者から見ると初心者サーファーは海水浴客と同じとみなされるんですね。かつてプロの料理人に自炊は「ままごと」だと言われたことを思い出しました。

さて、一番気になったのは

サーフィンの場合、初心者なら上級者に連れて行ってもらうか、1人で行くかなんです。絶対ヤバいのは初心者数人で行くこと。

そして同様のことが「起業にも当てはまる」と実例も交えて展開し締め括っている点です。

私は一人で起業してしまったので実感はないのですが、状況はよく理解できます。誰が言い始めたか知りませんが「赤信号 みんなで渡れば 怖くない」という川柳があります。これは言い得て妙です。単独では自分の責任で行動するため絶対にしないようなことを、複数でつるんでしまうと裏付けの無い変な安心感が醸成され、元々そのつもりはなかったとしてもつい油断して判断を誤ってしまう、そんな習性が人にはあるように思います。後になって冷静にふりかえると「何であんなことをしてしまったのだろう」となりますが、そうならないようにするためには一人で取組んだ方が良いということのようです。

似たような話で、会議にぞろぞろと大勢のメンバーを連れてくる会社のことを思い出しました。キックオフ的なイベントの場合はともかくとして、スタートした案件の打合せでは各社の担当者が集まれば済む話なのですが、ほとんどの会社は一人ないし二人出席している中で、ある会社だけぞろぞろとやって来るのです。もっとも大きな組織になればなるほど役割が縦割りになっているからという言い分もあるでしょうが、ぞろぞろやって来る本当の理由はよく分からなくて一人だと不安だからではないでしょうか。だからとにかく関係しそうな部門の人を掻き集めてくるのです。

この記事には「どうして初心者でつるんで海に行ってはいけないのか。…(中略)…初心者複数で行くなら、ひとりのほうがよほど安全。」とその理由が書かれていますが、それを「どうしてよく分かってない人がつるんで会議に参加してはいけないのか」真似して書いてみましょう。

  • ひとりなら主体的に会議に参加する
  • ひとりなら事前に準備をしてくる
  • ひとりなら議論の流れに気を配る
  • ひとりなら後で社内に展開しようとメモする
  • ひとりなら判断できないことは保留する

これが複数になると…

  • 多くのメンバーがただいるだけの「お客さん」になってしまう
  • 何の準備もせず手ぶらで参加してしまう
  • 議論について来ない人が一人くらいいても平気
  • 他のメンバーがいるからと思ってメモしない
  • 判断が必要な場合、その場で内輪の議論が始まる

…と思いつくままに列挙してみましたが、他にもぞろぞろ会議に参加することの弊害はありそうですね。会議の場合、サーフィンのように命に関わるようなことは無いかもしれませんが、参加する人数分の成果が出ないようなことを続けていけば業績に影響するかもしれませんね。


「ハーバードはなぜ仕事術を教えないのか」佐藤智恵 著


本書はラジオで紹介されて興味を持ち、その日のうちに購入してしまいました。何が私の興味を引いたのか、それはタイトルに掲げられている問いそのものよりも、本書が書かれた趣旨だと思います。もしラジオで中身について触れられなかったら手に取ることはなかったでしょう。以前であれば「ハーバードなんて関係ない」とスルーしていたかもしれません。

タイトルにある「仕事術」ですが、これは組織の中で「部下として」成果を出すためのスキルだと言います。一方、ハーバードビジネススクールで教えていることは「上司として」成果と出すためのスキルなのだそうです。上司としてというとなんだか小難しそうに聞こえますが、何のことはない「リーダーシップ」について教えているということです。当たり前のことですが、いずれも「読めば身に付く」という類のものではなく、実践して時には失敗しながら会得していくものだろうと考えます。

本書は全部で120項目について書かれていますが、見開き2ページで1項目についての解説が完結しているのでスラスラ読めます。この120項目がリーダーシップについて網羅されたリストだとは言っていませんが、「なるほどそうだよね」とか「え、そうなんだ」とか、自分に欠けているものに気付かせてくれ、今後の学びのヒントを得られます。

例えば社内政治。私の想像では(自分がそうだからそう思うのかもしれませんが)きっと多くの人が遠ざけているものでしょう。しかし本書では、社内政治には良いものと悪いものがあり、社内政治そのものは悪くなく、進んで参加するように奨めています。ついでに言うと、この項目は「社内政治」についてだけではなく、偏見を捨てるべきであることを添えていますが、その点こそ記事の本質ではないかと思うのです。

本書もまた、字面だけ表面的に読めばそれでおしまいなのですが、本質に迫る読み方をすることで「悟り」すなわち成長につながっていくのではないかと思いました。

—-
書名:ハーバードはなぜ仕事術を教えないのか
著者:佐藤智恵
発行:日経BP社/2015年4月21日
ISBN:978-4-8222-5071-3

「潜在意識をとことん使いこなす」C・ジェームス・ジェンセン 著


私は社会に出てから、というよりこのIT業界で働くようになってから、技術系の本ばかりでなくビジネス書(いわゆる自己啓発本も含む)をよく読むようになりました。少なくとも私自身は技術力で勝負するつもりはなかったので、もっとビジネス的なセンスを養いたいと思ったからなのでしょう。

ビジネス書をいろいろ読んでいくと、それぞれは素晴らしいのですが、それらを全て実行しようとすると本の数だけやるべきことがあり、挫折感ばかり味わうということになりかねません。社会に出て10年以上が経過しましたが、本書を読んでそれぞれのテーマがようやくつながったのです。さすがに全てとは言いませんが、私が読んだ中で多くの本が持つ共通項は「悟り」です。

悟りや潜在意識というとなんだか胡散(うさん)臭く感じるかもしれませんね。書店で見かけたときも一瞬そのように思って躊躇しました。一時期「マインドコントロール」という言葉が流行り、今でも時々マインドコントロールに関わる事件のニュースを耳にします。そのような事件は何故と思う一方で怖いと感じるものです。それはいかに潜在意識が影響を受けやすいかということを示しています。だから、自分で自分にマインドコントロールを施す(いわゆる自己暗示をかける)ことによって自分を変えることが出来るということのようです。

本書を読み進めていくと、潜在意識の性質(メカニズム)について、またその性質を利用してどのように自分を変えられるのかについて、理論と実例が記されています。そして変化を起こす手順は次の通りです。

  1. 願う
  2. 期待する
  3. 想像する

願っても叶えられないのは願うだけで止まってしまうからです。だからよく成功した著名人が「目標には日付を入れなさい」と言ったり、「出来ない理由ではなく、やるための方法を探しなさい」と言ったりするのは理に適っているのですね。

また、潜在意識は影響を受けやすいため、潜在意識に届ける情報を自分で選択する必要があるそうで、善良な考えを持てば良い事が起こるし、邪悪な考えを持てば悪い事が起こるということです。潜在意識は反論することなく意識(=心の声)の指示に必ず従うのだそうです。そういえば、私がかかっている歯医者では、歯列の矯正をしていた時「この歯で噛みなさい。思うだけでも良いから」と毎回受診の度に言われていました。今思うと、これも歯科医師が潜在意識の力を理解してそのように指導していたのだなと思わされます。

さて、私の頭の中でつながった書籍をいくつかご紹介します。

  • なぜあの人だと話がまとまるのか?(田村洋一 著)にて、話をまとめるには明確なビジョンを描くこと、徹底した相手主義を貫くこと、脱力して諦める(つまり悟る)ことの必要性を繰り返し説いています。
  • スーパーエンジニアへの道(G.M.ワインバーグ 著)では、ビジョンを描くこと、物事に対する自分の反応を客観的に説明する(これも悟る)ことだけではなく、心理療法として自己暗示によって自分を変える方法が紹介されています。
  • また、ベストセラーの嫌われる勇気(岸見一郎 著)でも過去が現在の状態を引き起こしているのではなく、過去の出来事に対する自分のスタンスが現在の状態を決めていると書かれています。そしてそのスタンスを変えることによって自分を変えることが出来ると説いています。

このように「悟る」というテーマが異なる切り口のビジネス書の根底に垣間見られることから、「悟る」ということがビジネスでもプライベートでも自分を成長させる鍵になるのではないかと思っています。私も願い、期待し、良い結果をイメージすることから始めたいと思います。


書名:潜在意識をとことん使いこなす
著者:C・ジェームス・ジェンセン
訳者:大沢章子
発行:サンマーク出版/2015年2月20日
ISBN:978-4-7631-3441-7

どうやって仕事で早く立ち上がるか


プロフェッショナルとして仕事をしていると、まず好印象を持ってもらうということが重要な関心事の一つになります。挨拶や笑顔も大事ですが、とにかく早く立ち上がるということを心掛けています。例えば、システム開発の現場に呼ばれて入る場合を考えてみると、契約期間が4か月だというのに立ち上がるまでに2か月も3か月もかかっていたのでは話になりません。クライアントからは使えない奴ということで終わってしまうでしょう。(もっとも、仕事が出来る出来ないを判断するのに1か月もかかることは稀ですが。)

ちなみに、立ち上がるというのは、少なくともクライアントに求められているレベルで仕事ができるようになることです。私自身が新しい仕事を始める時にどのようなことを心掛けているか、ここで整理してみたいと思います。

1. 最初に現状を俯瞰し、全体像を把握する

何はなくともこれでしょう。イメージとしては新しい土地に行ったら展望台に昇って街全体を見渡し、どんな場所なのかを把握する程度で良く、あの路地の先がどうなっているかなど細かいところは追々調べて行けばよいのです。

かつて、あるシステム開発の現場に入った初日にいきなり詳細設計書の説明を始めたSEがいましたが、私はそれを遮って「何の業務をする画面なのか」について説明を求めました。これから取り組む仕事が全体のどんな位置づけなのかを知るというところからスタートします。

2. 今何を期待されているか理解する

次に自分が求められていることを理解します。システム開発だったら設計なのか実装なのか、単純作業なのか頭を使う作業なのかといった仕事の内容だけでなく、クオリティ重視なのかスピード重視なのか、自分が成果を出せばよいのかメンバーを育てて欲しいのか、さらには細かくオーダーされるのかこちらから提案が必要なのかといった仕事の方向性を見極めます。

まあ、この辺りは事前の面談である程度ヒアリングできるのですが、管理者と担当者では思惑が異なっているケースもあるので注意が必要です。

3. 成果を出すために必要な情報を集める

状況を把握して自分の役割が明確になったら次は情報収集です。多くの場合、インストラクションを受けることが多いので(資料だけ渡されるというケースも無くはないですが)説明してくれた人と仲良くし、その人を足掛かりに情報を集めることになるでしょう。情報を全て記憶しておくことは不可能ですので、参考資料があるのであれば資料の場所を確認します。また、分からないことは誰に訊けばよいかということも確認するようにします。

4. 早めに最初の成果を出し、軌道修正する

クライアントにとって自分が使える人間であるか(ニーズにマッチしているか)どうかということを判断してもらうためにも、早い段階である程度の成果を出すことも必要です。その成果とは完璧である必要はなく、最初の2~3日でおよそ求められているものの4~5割くらいの完成度で「こんな感じで良いか」という方向性を確認してもらうことが多いです。確認してもらうサイクルを最初は細かく回して、もし方向性が間違っていた場合でも軌道修正しやすくしておくことも大切です。大作を作り上げてから根本的な部分で指摘を受けたら軌道修正するのはかなり骨の折れる作業になるからです。

5. 継続して成果を出すための自分のリズムを作る

最初は頑張ったけれど息切れしてしまっては元も子もありません。仕事のサイクルもそうなのですが、1日単位、週単位で仕事を含めた生活のリズムを作り上げることで、常に最高のパフォーマンスが発揮できるように心がけます。

あるシステム開発の現場で、着任2か月目から約1か月半毎日終電だったことがあるのですが(しかも土曜日も出勤していました)、ああいった業務を続けていたら体を壊してしまいます。踏ん張りどころではどうしても帰宅が遅くなってしまうという時期があるにせよ、そうでないところでは早めに終業するなど緩急のバランスを取る必要があります。

こうして見てみると、特別なことは何一つやっていないような気もするのですが、これが正解ということはないですが自分はこのようにやっています。