仕事とプライベート――オンとオフの境界線

ITコーディネータの吉田聖書よしだみふみです。

どれくらい世の中で実践されているかは別として、
ワークライフバランスという言葉は
随分と社会に認知され浸透してきいると感じます。

ワークライフバランスという言葉が登場して久しいですが、
皆さんは実践しておられるでしょうか。

以前にも書きましたが、
私は(特に社会に出る前は)
仕事とプライベートは明確に線引きすべきだと
何故か考えていました。

なんていうんですかね。
仕事とは辛いことを我慢してやるものだという、
肉体労働のイメージがあったからでしょうか。

工事現場や工場などの肉体労働は
日没や交代制などで
労働時間を区切られるため、
オンとオフの境界線が明確です。

そのような働き方をしている人は
労働時間が限られ、それ以外の時間は
全く別の過ごし方をすることになります。

世の中には一定数そういう仕事がありますし、
誰かがそのような仕事に従事しなければなりません。

ところが、最近はAIや自動化によって
単純作業を人間がやらなくても良くなって来、
その割合は今後も増えていくことと思います。

そうなると、人間はそれ以外の部分
つまり体を動かす作業よりも
考えることがメインの仕事になってきます。

ところで、IT業界は本来は知識労働型の仕事のはずですが
業界内で「IT土方」と揶揄する表現があるように
多くが肉体労働的な労働管理のされ方をしています。

確かにITの仕事と言っても
考える部分と、手を動かす部分があります。
そして、肉体労働的な観点で言うと
手を動かさずに考えている時間は
働いていることとみなされない
といった悲劇が起こりがちです。

嘘だと思ったら
腕組みしてパソコンの前に座り、
ディスプレイをじっと見ていて動かない
作業者の姿を想像してみてください。

考える仕事というのは
見た目だけでは仕事しているかどうかは判断できません。
だからサボっている人と考えている人が
肉体労働的な管理では両方とも
仕事をしていないとみなされるのです。

これが知識労働的な管理ではどうかというと、
結果(成果物)で判断します。
ちゃんと考えていた人は
ちゃんとした成果物を作ります。
サボっていた人は成果物が作れません。
作れたとしても質の悪いものです。

ちょっと話がそれましたが、
考える仕事というのは手を動かす仕事と違って
この時間で終わりという区切りが難しいです。
もちろん宣言することはできますが、
実際には終わりにした後にも
色々と考えてしまうのではないでしょうか。

これは私の経験ですが、
ある仕事をしていた時、
約束の期日が迫ってきて
オフィスで一生懸命考えても
良いアイデアが思いつかずに諦めて帰宅しました。
そしてお風呂に入っている時に
急に閃いてアイデアを思い付いたのです。
ある時はそれが食事をしている時でした。

ではその時間は
オンなのかオフなのかということですが、
状況はオフでも頭はオンという状態ですよね。

ですので、知識労働においては
オンとオフの区別ということが
あまり意味を持ちません。
むしろ、オフと宣言している時間も
常にアンテナを張っていることで
思いがけない閃きにつながるなど
パフォーマンスに寄与することがあります。

最近では
ワークライフバランスに代わって
ワークライフインテグレーションという
言葉が登場してきました。
オンとオフを区別するというよりは
高次元で統合して
人生をより豊かなものにしようという発想です。

そのような働き方ができる会社は
日本ではまだ少ないですが、
今後は、そのような働き方を認め、
積極的に活用できる会社が生き残っていくのでしょう。



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