企業は労働者に本当の裁量を与えられるか

ITコーディネータの吉田聖書よしだみふみです。

裁量労働制――ここ最近急にホットな話題になりましたね。
今回は労働時間と裁量の問題について
考えてみたいと思います。

裁量労働制によって労働者が搾取されるだけなのか。
これは企業の制度運用次第かなと思います。

みなし労働時間制というのは
実際の労働時間に応じてではなく、
あらかじめ取り決めた残業代分を
給与に上乗せして支払ってもらうということです。

これは必ずしも悪い面だけではないと思います。
確かに、やり方によっては
定額で働かせ放題になると思います。

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私は独立するまでいくつかの会社を転々としていましたが、
それぞれの会社の給与体系は全く異なっていました。

ある会社は完全な日給月給制。
遅刻や早退分の減給そして残業代は厳密に計算されていました。
まあ、こういう会社が普通かとは思います。

他のある会社は年俸制に近く
固定給でみなし残業代が支払われていたところもあれば
完全な固定給で残業代が出ないところもありました。

どちらが良いかというのは
会社によっても事情は違うでしょうし
一般論で結論づけられるものではありません。

私の場合、前者の方は、
定刻に1分遅刻しても15分の遅刻とみなされ、
1日病欠でもしようものなら予想以上に減額されててびっくり
ということもありました。
正直あんまりハッピーではありませんでした。

一方で後者の方は、
多少遅刻しても減額されることはないし
病欠しても満額を支払ってもらえていたので
そういう面では大変にありがたかったなと思います。

特にいわゆるSEだったころは、
勤務時間帯であっても展示会や研修に
ある程度自由に参加することが許されていましたし、
やるべきことさえやっていれば
きちんと評価をしていただいていたと思います。

◆    ◆    ◆

以前、「名ばかり管理職」というのが話題になりました。
これも、管理職にしておけば残業代を支払わなくて良い
というルールを悪用したものと言えます。

働き方改革の中で、
裁量労働制が多くの会社で採用されたら
労働者は搾取されるだけだから導入反対、
という意見を耳にします。

でも、裁量労働制を導入するというのは
単にこれまで時間で精算していた残業代を
みなし残業代に切替えるだけという話ではありません。

もちろんこれがうまく行く職種は限られますが、
本気で裁量労働制を導入するのであれば、
成功する秘訣は、名ばかりの裁量ではなく、
本当の裁量を労働者に与えることだと思います。
そうすれば、仮に労働時間が増えたとしても
労働者は生き生きと働くことが出来ますし、
長い目で見て企業が発展していくでしょう。

本当の裁量を与えるというのは
これまで労働者を時間で管理してきた企業にとって
大きなインパクトになることも否定できません。
だからこそ、これが「改革」となりうるのだと思います。


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