引き受ける責任、断る責任

組織の中にはいろんなタイプの人がいますが、頼まれた仕事を何でも一つ返事で引き受けるというタイプの人がいます。そして一般的にはそういうタイプは人一倍責任感が強く、仕事熱心だと思われているふしがあります。ところが安易に仕事を引き受けた結果、仕事が回らなくなって周囲が苦しくなってしまうというケースも見受けられます。

私も、かつては頼まれた仕事を一つ返事で引き受ける方が責任感が強いと漠然と考えていました。でもある時から、実は全く逆なのではないかと思うようになってきました。

確かに何でも頼まれた仕事を引き受ける人は、仕事を頼む方から見れば非常に頼もしい存在です。だから周りの人が次から次へとその人に仕事を頼みます。しかし一人でこなせる仕事量はたかが知れていて、だから部下に仕事を回すことになります。仕事を回した分、自分の手が空くので更に仕事を引き受け…そして部署全体が飽和してしまうのです。すると、期限に間に合わないか、間に合っても品質の悪い仕事が増えてきて、仕事を頼んだ方は次第に不満を募らせるという結果を招きます。頼んだ方が文句を言おうものなら、頼まれた方は悪びれるでもなく「成果が出ないのは次から次へと仕事を頼んだ方が悪い」という態度を取ってしまいがちです。

一方、頼まれた仕事を全て引き受けるのではなく、内容を吟味した上で引き受けたり引き受けなかったりする人は、仕事を頼む方から見ればあまり面白くないかもしれません。しかし断る時は、依頼された仕事を高い品質で納めることができないと判断したから断るのですし(いや、単純にやりたくないというケースもないわけではないですが、気分が乗らなければ品質も落ちますよね)、引き受ける時も、依頼された仕事を高い品質で納めることができると判断したから引き受けるのだと思うのです。だからこのタイプの人が引き受けた仕事は品質が高いし、成果が出せなかった場合でも頼まれた方は「成果が出ないのは自分の力不足だ」という態度を取る傾向にあり、最後まで誠意を持って対応できるのではないでしょうか。

仕事を「引き受ける」ことと「成し遂げる」ことは全く違いますよね。一度引き受けたことは最後まで成し遂げるというのは当たり前のことです。自分に出来そうかどうかを精査しないで、むやみに仕事を引き受けることはむしろ無責任な行為なのではないでしょうか。



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