ITエンジニアの生産性をどのように計測するか

プロジェクトオーガナイザの吉田聖書よしだみふみです。

先週1月26日に、ITエンジニアやデザイナーの副業・転職を支援するサービス「Offers」を展開する株式会社overflowがプレスリリースを出しまして、新サービス「Offers MGR」のベータ版リリースが告知されました。

プロダクト開発組織の生産性最大化するサービス「Offers MGR」オープンβ版 リリース開始!(2023/1/26 株式会社overflow)

このサービスは何かというと、組織やチームの生産性向上を支援するために、開発で利用する各種のWebサービス(有名なところではSlackやGitHubなど)から、生産性を測る対象の元データを抽出して、処理した結果を図表の形式で可視化するというものです。今回は正式にリリースしたというお知らせではなく、今後リリースするので利用申込の受付を開始したというお知らせのようです。

ターゲットはプロダクトを開発している組織となっていて、「プロダクト開発組織」という表現から、受託開発している組織にはもしかしたら適さないかもしれないと感じましたが、サービス前なのでその辺りの評価はまだ早いですね。この「プロダクト」がどのようなジャンルのプロダクトかは書かれていないんですが、おそらくITのプロダクトだと思われます。だとすると、IT以外のプロダクト開発をしている組織にも適さないのではと感じましたが、これも同様に評価するのはまだ早いでしょう。

このサービスでは3つの見える化ができると謳っています。その3つとは、業務内容とコンディションと生産性です。業務内容というのは、利用しているWebサービスごとの活動状況から、誰が何をどれくらいアウトプットしたかを測定するというものです。コンディションというのは、メンバー単位に活動量の推移を測定して、パフォーマンスが上がっているのか、下がっているのか、あるいは安定しているのか、不安定なのか…といったことが分かるようです。生産性というのは、利用しているWebサービスの活動状況から、開発効率を表す指標を算出するというものです。

このプレスリリースを見ていると、1チームで導入するよりも、複数のチームあるいは組織全体で導入した方が効果がありそうです。ここで言う効果というのは、例えば1チームで導入しても単にグラフ化して終わりっていうことになりそうだなと思ったんですね。でも、組織全体で導入すれば、メンバー間の比較だけではなく、チーム間の比較もできますので、パフォーマンスの良いチームとそうでないチームが分かります。

そして、パフォーマンスの良いチームはどうしてパフォーマンスが良いのか、そうでないチームはどうしてパフォーマンスが悪いのかの分析までできれば、組織全体としての改善につなげることが期待できます。特にボトルネックですよね。制約理論に基づけば、活動のボトルネックを特定することが改善の第一歩ですので、それこそ推定ではなく特定まで出来るレベルにサービスが成長したら経営者や管理職としては利用するメリットが相当あるはずです。

そのレベルまで行かないとしても、例えば、パフォーマンスが低いメンバーを配置換えしたらパフォーマンスが上がったとか、あるいはその逆もあるかもしれませんが、管理職サイドの判断やアクションのフィードバックが、しかも定量的に得られるだけでも違うかもしれませんね。昔は同じ拠点にメンバーが集まって活動していましたけれども、今では複数拠点にまたがってチームが編成されたり、そもそもリモートワークなどでメンバーの様子の変化が分かりにくくなっているので、そういう組織では導入効果はあるかもしません。


※ この記事は、先日公開した以下の音声コンテンツを基に編集したものです。


ところで、既にサービス開始している「Offers」の方ですが、チラッと覗いてみたところ、私自身が既に開発の第一線を退いているんだなということを自覚させられました。確かにこの数年はプロジェクトマネジメントだったり、要求開発や要件定義などのプロダクトマネジメントを手伝うことがほとんどです。なので、もし私がバリバリ開発してた20代、30代の頃に「Offers」のサービスが有ったら、積極的に利用していたかもしれません。



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