プロジェクトオーガナイザの吉田聖書です。
8月30日にKDDIがニュースリリースを出しまして、あのイーロン・マスクがCEOを務めるスペースX社(Space Exploration Technologies Corp.)と業務提携して、auのスマートフォンで衛星を経由した通信サービスを提供すると発表しました。
KDDIとスペースX、衛星とスマホの直接通信サービスを提供(2023/8/30 KDDI株式会社)
スペースX社の衛星通信サービスと言えばStarlinkですが、au回線を契約していればStarlinkの契約が無くても、つまり専用のデバイスが無くても持っているauのスマートフォンだけでで衛星を経由した通信ができるようになるということです。ただし、今年中にサービス開始するのはショートメッセージだけで、来年以降、順次音声通話やデータ通信に拡張していくとのことです。
KDDIは、人口カバー率99.9%と謳っていますが、これは人が生活をしているエリアはほぼカバーしていますという意味になります。ということは、逆に言うと人が生活をしていないエリアではその限りではないということです。普段使いもしないのに通信網を張り巡らせるにはそれなりの設備投資が必要になるので投資対効果という意味では非効率です。ニュースリリースによると面積でのカバー率は約60%なんだそうです。
ただ、普段は人がいない地域でも例えば無人島だったり山岳地帯ですよね。レジャーでそういうところへ行くというニーズがある地域もあります。そういうところへ一般の人が出かけてスマートフォンを使おうとすると通信ができない、あるいは通信しづらいといった状況が起こります。特に山で遭難して誰かと連絡を取りたいという時などは、(まずはショートメッセージだけでも)このサービスがあると助かる人もいると思うんですよね。
レジャーというと大型の客船とか航空機などもありますが、そういうのはこれまでにも通信衛星を使ったインターネット接続サービスを提供していたようです。客船や航空機だと専用のアンテナを取り付けることができますのでそういうことができるんですね。ところが山とか無人島はそもそもアンテナとかの設備がないところへ出かけていくわけですから、既存の端末で直接通信衛星に接続できれば、追加の設備投資を抑制しながらサービスエリアを拡大できることになります。
※ この記事は、先日公開した以下の音声コンテンツを基に編集したものです。
ちょっと話は変わりますが、個人的に衛星で期待しているのは発電衛星です。通信衛星と同じような発想で、送電線が敷設できない地域でも電気が使えるようになるというものです。すでに無線送電の実験には成功しているということなので、実用化が待ち遠しいです。
既存の電源を置き換えるほどの規模にはならないかもしれないですが、無人島や山岳地帯でも電気が使えたり、あるいは居住地域であっても停電した時のバックアップとして期待できます。そのうち、電動アシスト自転車とか、EV、それこそスマートフォンやノートパソコンなんかはわざわざコードをつないで充電しなくても済むようになるかもしれませんね。
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