リスク管理の勘所――リスクアセスメントをいつ行うか

ITコーディネータの吉田聖書よしだみふみです。

リスクアセスメントでは
リスクの特定、分析、対応計画の手順で
進めていきます。

今回はそもそもリスクアセスメントを
プロジェクトで行う場合、
いつやるのかという話をします。

ここまでの数回で、
リスク管理の第一歩として
リスクの特定(洗い出しと絞り込み)
の話をしました。

これが例えば、
1か月で数人で終わるような
ごく小規模なプロジェクトでなければ
リスク管理の必要性は
持っていただけていると思います。

それでは
リスクアセスメントは
いつ実施したらよいでしょうか。

まあ、なんとなく、
プロジェクトの後半よりは
前半に実施するべきかな
という感覚はあると思います。

多くの組織では
プロジェクトの最初に実施する
という場合がほとんどでしょう。

では、プロジェクトの
開始する前か後かと問われたら
どう答えるでしょうか。

もちろん、
この問いに正確に答えるには、
プロジェクトの開始とはいつか
という厳格な定義が必要になってきます。

でも、ここではそういうことを
述べたいのではありません。

プロジェクトには
かならず計画フェーズがあります。
組織によっては企画フェーズ
と呼ぶかもしれません。

このフェーズでは、
WBSやスケジュールはもちろん
予算や人員のアサインなど
様々な計画が立てられます。

個人的な見解ですが、
プロジェクトの実行フェーズが始まる前の
計画フェーズでリスクアセスメントを
済ませておくべきだと考えています。

それはなぜか。

実行フェーズに入ってから
リスクアセスメントを実施した場合、
計画の変更を余儀なくされるようなリスクが
見つかる可能性が高いからです。

もちろん、計画フェーズで
実施したからと言って、
想定していなかったリスクが
実行フェーズで見つかることはないと
言っているわけではありません。

ただ、少なくとも、
計画フェーズで
リスクアセスメントを済ませておけば、
そこで特定されたリスクを織り込んだ
プロジェクトの計画を
最初から立てておくことができます。

それは、一旦計画を立てて
実行フェーズに移行してしまって
後から計画を変更するよりも
よっぽどロスが少なく、
プロジェクト成功の確率を
より高めることにつながるのです。

そうは言っても、
リスクアセスメントをやる間もなく
既に開始しているプロジェクトだったら、
もうすぐ終わるようなケースを除き、
成功確率を高めるという観点からは
今すぐにでも実施した方が良いと思います。

というのも、仮に、後追いで
リスクアセスメントを実施した結果、
既に開始したプロジェクトを
中止することになったとしても、
結果的にしなくてよかった投資を
抑制することにつながるからです。



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