効率的な仕事 vs 効果的な仕事

プロジェクトオーガナイザの吉田聖書よしだみふみです。

新年あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

法制度の影響か、昨年はやたらと
「働き方改革」という単語を耳にしました。
その文脈の中で「労働生産性の向上」ということが叫ばれています。

労働生産性というのは
労働者一人当たりの成果(付加価値)、
または労働者一人当たりの時間当たりの成果
ということになっています。

そのためか、生産性の向上というと
仕事を早くやって時間単位の成果を増やす…とか
少ない人数でやって一人当たりの成果を増やす
という方向に向きがちです。
でも、これでは結局働く人が疲れるだけで
全然イノベーティブではなく、
働き方改革とは言えないのではないでしょうか。

改革と言えるためには、
少なくともやり方は変える必要があります。
あくせく働かなくても成果が出るような仕組みを導入しようということで、
RPAとかAIといった技術が注目されています。
でも、それらを導入することが改革なのでしょうか。

USAのコンサルタント、トム・デマルコは
著書「ゆとりの法則」で次のように述べています。

過剰なストレスを抱えた組織は、効率を追求するのに忙しくて、「効果」を追求する方法をすっかり忘れている。この二つはまったく違うものである。「効率的」とは、無駄を最小限に抑えてなにかをすることだ。「効果的」とは、適切なことをすることだ。

「ゆとりの法則」(日経BP社)・133ページ

効率的であることと効果的であることは
両立は可能だがまず難しいので
一般的には一方を優先することになります。
そして、どちらかを選ぶ時は迷わず
効果的である方を選ばなければならない
と付け加えています。

つまり、あくせく頑張ったり、
技術や仕組みを導入したりして
どんなに効率的に働いたとしても、
最終的な収益に結びつかなければ
何の意味があるだろうかということです。

同じくUSAのコンサルタント、
G・M・ワインバーグは
著書「コンサルタントの道具箱」で

やる価値のないことは、きちんとやる価値もない

「コンサルタントの道具箱」(日経BP社)・17ページ

と述べています。

やる価値のないことをやらないというだけで
やる価値のないことを効率的に行うよりは
生産性がはるかに向上するはず。
ずっとやってきたから、ルールだから
と様々な理由をつけ、
過去の惰性で無駄な仕事を温存する
残念な組織もあります。

やる意味もない仕事を
いくら熱心にやり遂げたところで
労働力の無駄遣いにしかなりませんよね。
RPAを導入するコツは、
まず「その業務を無くせないか」を考えることだ
という話を聞いたことがあります。

働き方改革では、
投資によるイノベーションによって
生産性を向上させようと謳っているのですが、
それ以上に、やる価値のある仕事と
やる価値のない仕事を判断する能力を養うことが
何よりもまず行うべきことであり、
やる価値のある仕事に集中することが、
投資をより効果的なものにしてくれるのだと考えています。



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