e-Taxが確定申告の締切前日にまさかのパンク

プロジェクトオーガナイザの吉田聖書よしだみふみです。

先週3月14日に、国税の電子申告システムe-Taxが接続しづらい状況になりました。3月16日には接続しづらい状況は改善したようですが、個人の所得税の確定申告が翌日の3月15日に締切だったので、読者の中には困った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

e-Taxへの接続障害について(第一報)(2022/3/14 国税庁)

私がこのニュースを最初に知ったのは、TKCからのお知らせメールでした。法人の方でTKCを使っていまして、利用者にはそういったお知らせのメールが届くようになっています。ただ、法人の確定申告は税理士にお任せしていますので、TKCの利用者としては私は全く影響がありませんでした。

一方、個人でも別に小さな事業をしていまして、昨年度までは直接税務署の窓口に提出していたんですけれども、昨年度から青色申告で満額控除を受けるためには電子申告が必須になりましたし、それで去年マイナンバーカードも取得して、今年度はe-Taxを使って電子申告しました。私は2月中に提出したので、今回のトラブルの影響は受けなかったのですが、今回の接続障害でどれくらいの影響があったのか興味があります。

e-TaxのWebサイトには確定申告の利用者の統計が公開されています。

e-Taxの利用件数を更新しました(国税庁)

ちょっと読みにくいので私の方で勝手にグラフにしてみました。

出典 https://www.e-tax.nta.go.jp/topics/topics_kensu/kensu_h15-r2.pdf

e-TaxのWebサイトに掲載されているe-Taxの沿革を見ると、2005年度から全国で運用を開始したと書かれています。私自身は2007年度からe-Taxでの確定申告を行っていまして、ちょうどそのころから利用者がぐんと増えています。そして2009年度から2017年度くらいまではほぼ横ばいで、2020年度はコロナ禍ということもあってだと思われますが、利用者が急激に伸びています。そして、先ほどお伝えしたように、電子申告をしないと青色申告の基礎控除額が10万円減額されるようになったので、おそらく今年度はもっと利用者が伸びたのだと思います。これは年度が締まってから統計が出ると思いますので、具体的な数字はそれを待ちたいと思います。

国税庁の方で今年度の利用者をどの程度と見積もっていたのかは分かりませんけれども、今までこのようなトラブルは記憶に無いので、今年度は相当利用者が伸びたのか、伸びは普通だったんだけどたまたま限界値を超えたということなのかもしれません。いずれにせよ今回のトラブルの原因はまだ調査中ということで今後の発表を待ちたいと思いますが、純粋にアクセス数が膨れただけであればまだしも、まさかサイバー攻撃じゃないよねというのが気になるところです。


※ この記事は、先日公開した以下の音声コンテンツを基に編集したものです。


それにしても、確定申告の受付期間は4週間もあるのに、やはり直前に提出しようとする人が多いんですね。もしかしたら今後、来年度に向けてサーバのリソースを増強する計画が立てられるのかもしれませんが、1年にたった2日のために税金を使ってそんな投資をして良いのでしょうか。

それよりは、例えば、もしかしたら今の法律を変える必要があるかもしれませんが、提出期間の4週間のうち1週目に提出した人にはマイナポイント5000ポイント付与、2週目に提出した人には4000ポイント、3週目に提出した人には2000ポイント、そして最後の1週間に提出した人にはゼロポイントといった具合に、提出日に応じたインセンティブを与えることに同じお金を使ってはどうかと考えます。それでもギリギリに申告する人はいるでしょうけれども、多少ピークは抑えられるのではないでしょうか。



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