プロジェクトオーガナイザの吉田聖書です。
先週7月19日に、NTTドコモがiモード版「iコンシェル」と「しゃべってコンシェル」のサービスを来年2023年の6月末で終了すると発表しました。
スマートフォン版「iコンシェル」を「my daiz」へ移行-iモード版「iコンシェル」および「しゃべってコンシェル」のサービスを終了-
(2022/7/19 NTTドコモ)
「iコンシェル」というのは端末の位置情報を取得して、その現在地に応じた天気情報・交通情報・店舗情報・イベント情報などを受信できるサービスです。2008年3月、まだガラケー全盛期の頃にサービスを開始しており、私もガラケー向けのシステム開発や運営に携わっていた頃でしたのでサービスの存在は知っていました。
仕事でいじったことはありましたが、プライベートで利用したことは全くありません。いつの間にかスマートフォンにも対応していたことも驚きですし、そもそもサービスがまだ続いていたということに対しても驚きです。
もう一つの「しゃべってコンシェル」は、スマートスピーカー的なサービスで、端末に話しかけるとアプリを起動したり、情報を調べることができるというサービスです。(まあ、iPhoneで言うSiriですよね。)こちらは2012年3月にサービスを開始したそうなんですが、もうこの頃はガラケーも斜陽でしたので、私は名前だけは聞いたことがあるというレベルです。時期的にはiPhoneにSiriが搭載された頃という理解でよろしいかと思います。
ちなみにスマートスピーカーですが、アレクサでお馴染みのAmazon Echoが2014年、そしてGoogle Homeが2016年に登場していますから、実は「しゃべってコンシェル」はサービスとしてかなり先を行っていたんですね。もしかしたら、音声アシスタントは同時期に開発されていて、スピーカーというハードウェアの製品開発に時間がかかったのかもしれません。
で、今回のニュースリリースで発表されたのは、スマートフォン版の「iコンシェル」と「しゃべってコンシェル」は来年の6月末をもって「my daiz(マイデイズ)」という後継のサービスへ移行されるということ。そして、ガラケー版の「iコンシェル」と「しゃべってコンシェル」は来年の6月末をもってサービス終了するということです。
※ この記事は、先日公開した以下の音声コンテンツを基に編集したものです。
古いネット記事によると、「iコンシェル」の利用者はサービス開始から2年後の2010年末には580万件に達したとあります。ただ、それ以降の日付では特に利用者数についてのネット記事は見当たらなかったので、もしかしたらそれが最大なのかもしれません。果たしてどれだけ使われていたのでしょうか。「iコンシェル」に限っても、私の周辺では使ってるという話を聞いたことがありません。今回、後継サービスに移行するということは、実はそれほど利用者はいなかったのではないかと推測します。
一般的に、サービス終了の記事が出ると、その理由として「経営資源の集中」というキーワードがよく使われます。そう聞くと前向きな理由に聞こえますが、おそらくは投資利益率(ROI)が100を大きく割り込んでいるということなんだと思います。露骨に言えば赤字の垂れ流し、つまり事実上の撤退ですね。いくらユーザーがいるからと言っても投資利益率が低いままであればビジネスとして成立しません。
ユーザーの立場からすれば残念に思うかもしれませんが、経営判断ということで受け入れるしかないでしょう。
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