プロジェクトオーガナイザの吉田聖書です。
先週13日に、デジタル庁の河野大臣が接触確認アプリCOCOAの機能を停止すると発表しました。
河野大臣記者会見(2022/9/13 デジタル庁)
https://www.digital.go.jp/news/minister-220913-01/
これによると、国内の全数把握のルールが変わり、COCOAを活用する前提が変わるので、具体的な日付は未定としながらもCOCOAの機能を停止するということです。また、サービスを終了するにあたって、サービス開始からの経緯をふりかえり、次の機会につなげる総括をしっかりやりたいとも仰ってました。
COCOAについては、このブログでも去年の3月にアプリの不具合について取り上げたことがあります。当時は今年のような感染状況になるとは全く想像していませんでしたし、COCOAがこんなに早く終了になるということも全く想像できませんでしたね。
総括ということですが、それは本当に是非お願いしたいと思います。全体的に政策の総括って行われていないと感じています。それはもしかしたら私のアンテナ感度が低いだけかもしれませんが、政策の実施には税金が使われているわけですから、それがどうだったのかという総括は国民としてぜひ知りたいと思いますし、国民ならどなたでも関心を持って頂きたいと思います。
ネット上では「失敗だった」という意見が多いように感じていますけれども、単に成功とか失敗という一言で片づけて欲しくないんですよ。何故かと言うと、どんな施策にも必ず「うまくいった部分」と「うまくいかなかった部分」の両方があるからです。それを一言で片づけてしまったら、そこから教訓を得ることはできません。どの部分がうまくいったのか、どの部分がうまくいかなかったのかを整理して次につなげるための取り組みが必要です。
ここからは個人的な思いを少し書きたいと思います。
COCOAが無意味だったかというと去年の第5波くらいまでは意味があったと思います。あるいは第4波くらいまでかもしれません。つまり、陽性者がどこにいるかの把握が難しかったわけですよ。自分が接触しているかどうかも分からない状態です。なので陽性者の追跡の仕組みとしては一定の意味があったと思うんですよね。
ところが、今年に入って第6波、第7波となると陽性者が爆発的に増えました。そうすると逆に陽性者はどこにでもいるわけです。自分は感染しなくても家族が感染してしまうという状況もたくさんありました。それに、通知が来たところで保健所や相談窓口はパンクしています。クリニックも受け付けてくれません。そうなるとアプリに頼るのではなく、混雑した場所に出かけたら用心するくらいの気持ちでないといけないと思います。
※ この記事は、先日公開した以下の音声コンテンツを基に編集したものです。
あとは、そもそも「Exposure Notification」という仕組みが本当に適切なソリューションだったのかという点も気になっています。というのも、システム屋はソリューションありきでシステムを構築してしまいやすいので(それは私自身もそういうところがあると思いますが)、公平に見て最適だったのかの評価は問うべきだろうと思います。。
パンデミックが始まったばかりの頃は手探りで、ある意味藁にもすがる思いでそういったソリューションを試したという側面はあるだろうと思います。でも、問題があってのソリューションですから、状況が変わったのであれば役割を終えるソリューションだってあると思うんですよね。もしかしたら、それが今だということなのかもしれません。
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