健康状態を可視化するビジネスマン向けスマートシューズ/アシックス

プロジェクトオーガナイザの吉田聖書よしだみふみです。

先週9月21日に、株式会社アシックスがプレスリリースを出しました。それによると、株式会社ORPHEと共同で開発したスマートシューズの先行予約販売を開始するということです。

ココロとカラダを整え、日々のパフォーマンスを高めるスマートシューズ「RUNWALK ORPHE」を発売(2022/09/21 株式会社アシックス)

アシックスは言わずと知れた靴のメーカーで、私も小学生の頃はよくお世話になっていました。一方のORPHEというのはセンサを活用した製品を開発している会社で、元々スマートシューズも開発・販売している会社のようです。公式サイトを見るとその分野で様々なことに取り組んでいて興味深いですね。

株式会社ORPHE 公式サイト
https://orphe.io/

元々アシックスにはRUNWALKというブランドのビジネスシューズがあるんですが、それとORPHEのスマートシューズの技術を組み合わせて、「RUNWALK ORPHE」という名前のスマートシューズを共同で開発したということです。

センサーを靴に埋め込むことで、歩数や歩行スピード、歩幅、接地角度、立脚時間などを計測して、その計測したデータをアシックスが研究開発したアルゴリズムに基づいてスコアリング、つまり点数化してスマートフォンに表示するという機能を提供するとプレスリリースには書かれています。

この手のソリューションとして、高齢者の歩行データから健康状態をチェックするといったものがありましたが、これはバリバリ働くビジネスマンの歩行データから、見た目では分からない心身の好調・不調を可視化するというソリューションのようです。

社会人になり、30歳前後で脂が乗ってくると、仕事が楽しくてつい働き過ぎてしまうということがあると思います。一休みするとか立ち止まるということが少ないので、会社で強制されない限りは健康診断に行くこともないですし、ちょっと調子が悪いくらいでは「休むと勿体ない」と思って休まず働き続けてしまいがちです。40歳前後になるとそういったことができなくなってしまうのですが…。

でもこういったソリューションを導入すれば、わざわざ計測のための計測をしなくても、日常生活を送っている中で健康状態を把握できるということですから、忙しい人には向いているのではないかなと思います。たった30秒間歩くだけで診断できるということですし、お手軽です。ただ、猫に鈴をつけるようなもので、そもそもこういったツールは必要ないと思っている人に使わせるのは難しいと思いますが、それはまた別の問題ですかね。


※ この記事は、先日公開した以下の音声コンテンツを基に編集したものです。


個人的に気になったのは、自分が持っている靴に取り付けられたらいいのになということです。ビジネスシューズ、特に革靴は、毎日履くよりも何足かをローテーションして、休ませながら使用すると長持ちすると言われています。なので1足だけ買って毎日履くのは早く傷んでしまう心配がありますし、かといって同じシリーズの靴を何足も買うというのも楽しくないですよね。

それに複数の靴があって、それらが同じ人の連続したデータとして処理できなければあまり意味がありません。例えば靴Aと靴Bと靴Cがあって、昨日はAを履いたから今日はBを履こうとなった時に、昨日のAのデータと今日のBのデータが同じ人のものであるという認識をさせたいと思うんですよ。それが難しければ、センサーをインソールに取り付けることができて、スニーカーでも革靴でも自分が持っている靴のインソールに簡単に着脱できれば、昨日はAの靴に取り付けて、今日はBの靴に取り付けるといったことができますので、靴も長持ちして、かつ、自分の連続データが蓄積されていくことが期待できるなと思いました。

実はORPHEがそういった着脱可能なソリューションを既に提供しています。なので、ORPHEのセンシング技術と、アシックスのデータ分析アルゴリズムを組み合わせるということであれば、何も靴とセットの商品でなくてもいいのかなと思いました。(もちろん靴メーカーとしては靴を売りたいという側面はあるかと思いますが。)

あと、今はまだ男性向けのソリューションですけれども、これがパンプスとかハイヒールとか、女性向けの靴にも発展するといいですよね。ペタンコ靴を履いている時の心身の状態と、ハイヒールを履いている時の心身の状態を比較して、それを靴の選択に使えたら面白そうです。

こういった健康をテーマにしたIoTのソリューションは昔からありますけれど、健康という問題が長期の取り組みであるのに対し、技術の進歩(つまり陳腐化)は早く、サービスも長続きしない側面があると思います。そうした時に、自分の測定データを以前のソリューションから次世代のソリューションに移行して、生涯にわたって蓄積できるようになったら、また新しい社会が到来しそうです。



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