アプリの組合せで専門家でなくてもAI技術を利活用できる

プロジェクトオーガナイザの吉田聖書よしだみふみです。

今回は、岡山大学が10月18日に出した「個人で手軽に AI(人工知能)による画像自動分類が可能に」というプレスリリースを取り上げます。

岡山大学のプレスリリースはこちら。
個人で手軽に AI(人工知能)による画像自動分類が可能に!~様々な分野の研究の省力化に貢献~

先週10月18日に岡山大学の資源植物科学研究所から、「個人で手軽に AI(人工知能)による画像自動分類が可能に」というプレスリリースが出されました。

全然知りませんでしたが、今の顕微鏡は自動で撮影する機能がついているんですね。私は、理工系の学部を卒業していまして、4年次で半導体分野の研究室に入りました。そして卒業研究の中で、いくつかの実験を行いまして、結果を調べるために電子顕微鏡や原子間力顕微鏡などを使わせてもらいました。ただこれが結構根気の要る作業で、サンプルの物体は小さくても、顕微鏡でミクロの世界に入るとかなり大きく感じます。もちろん見たいものがサンプルの全体にあるのであれば、ピントだけ合わせれば良いのですが、そもそも見たいものがサンプルのどこにあるか分からないという時はそれを探すのに結構な時間を使いました。結構な時間を使ったのに撮影した写真が数枚といった感じで、今振り返ると結構生産性が低いことをやっていたんだなと思います。

ところが自動で撮影する機能がついていると、ある程度見つけたいものを狙えるのかもしれませんが、基本的には無作為だと思います。使ったことが無いので間違っているかもしれませんが、無作為でサンプルの全体を撮影してくれる。そして写真も(私が学生の頃はアナログでしたけれども)今では最初からデジタルデータでしょうから、フィルムの枚数を気にせず次々に大量の画像データを吐き出すのだと想像します。そうすると今度はそれらの大量の画像データの中から欲しい画像を見つけるという作業が発生します。やることは変わったけど結局は根気が要る作業には変わらないということになります。

今回の岡山大学の研究は、人工知能を活用して、そういった大量の撮影データの中から欲しい画像データをピックアップする仕組を構築したということです。これはかなりの生産性の改善効果だろうと思います。もちろん、人工知能ですから、最初からそんなに精度が良いわけではなく、ある程度学習させなければいけないというのは他の機械学習と変わりません。

この研究の成果として強調されているのは、身近に手に入る既存のアプリケーションを組み合わせてこの仕組みを簡単に構築したということです。アップル社が開発者向けに無料で公開している Create ML というアプリケーションを利用して機械学習のモデルを作成し、それとRectLabelという市販のソフトウェアで画像にタグ付けを行ったということです。ちなみに、タグごとに画像をフォルダに分類する機能は自前で開発したそうです。


※ この記事は、先日公開した以下の音声コンテンツを基に編集したものです。


機械学習の入門書を読むと、結構コマンドを叩いたりとか、本当の入門者にはとっつきにくいことが多いんですが、このプレスリリースで紹介されている方式はコマンドを叩くことなく、他のGUIアプリケーションと同様に操作ができるというメリットがあるということです。

面白いですよね。こういう活用事例が発表されると、機械学習のハードルがぐっと下がります。何より必要に迫られて開発してしまったというエピソードがいいですよね。私も経験ありますが、やはり必要は発明の母ですよね。ちなみに、私の両親はよく「横着は発明の父」と申していましたが、それもまた真実かと思います。



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