freee株式会社の調査結果から見る、インボイス制度の浸透具合

プロジェクトオーガナイザの吉田聖書よしだみふみです。

10月20日に、クラウド会計でお馴染みのfreee株式会社が、インボイス制度についてのアンケート調査の結果を公表しました。

ニュースリリースはこちら。

freeeがインボイス制度に関するアンケート調査を公表(2022/10/20 freee株式会社)

まず、調査の概要ですが、調査対象は個人事業主と企業の経理担当者にインターネットでアンケートを実施しています。この調査、ITに関係あるのかと思う方もいるかもしれませんが、ITエンジニアはフリーランスとして活動している人も多いですし、そんなフリーのITエンジニアを採用する企業も多いと思いますので、そういう意味では全く無関係とは言い切れないですよね。

個人事業主に対しては先月9月26日~27日の2日間に個人事業主は20代から50代の926名から、経理担当者に対しては先月9月12日~16日の5日間に558名から回答があったそうです。結構幅広く集めたなという印象です。

まず、個人事業主に対する調査結果ですが、最初の質問は「インボイス制度を知っているか」です(回答は4択)。「①知っていて内容も理解している」と「②知っているが内容は何となくしか知らない」を合わせると47%(約半数)、残りの半数のうち「③聞いたことあるが内容は知らない」と「④聞いたことすらない」で更に半々といった状況です。「聞いたことすらない」ってどういうことなのだろうかと思いますよね。これだけメディアで話題になっているのに信じ難いです。

次に、最初の質問で「知っている」と回答した約半分の人に対して「インボイス制度にあなたは賛成ですか?反対ですか?」と質問したところ、賛成は僅か4.4%、約半数の47.1%が反対と回答しました。「どちらともいえない」が39.1%ということで、賛成すると回答した人が本当に少ないことがよく分かります。

その理由はおそらく左派政党やメディアによるネガティブキャンペーンが影響しているのではないかと思われます。インボイス制度というのは、消費税の本来の意図に沿って正確に納税してもらうための制度だと私は理解しています。消費税を正確に納めるというのは、預かった税額から支払った税額を差し引いて納めることです。でも支払った先が免税事業者だったら、支払った消費税は免税事業者の懐に入るわけですから、それを差し引くのはおかしいよね、代わりに払ってよね…ということです。

元々の制度が歪だったのであって、本来あるべき正しい姿に帰るということです。決して悪い制度に成り下がるわけではありません。ただ、免税事業者のままでは取引が停止されるかもしれないし、かと言って課税事業者になると預かった消費税を懐に入れられなくなります。今まで美味しい思いをしていた人が反対しているのだと思いますが、それに影響されて反対と回答した人も多かったのではないでしょうか。


※ この記事は、先日公開した以下の音声コンテンツを基に編集したものです。


そして、経理担当者に対する調査結果ですが、最初の質問は「免税事業者との取引はありますか」です。「はい」が4割強、「いいえ」と「わからない」が3割弱ずつという結果でした。まあ、今まで購買先が免税事業者かどうかなんて確認する必要がなかったので「わからない」というのもやむを得ない部分があるかと思います。今後明らかになっていくでしょう。

次に、最初の質問で「はい」と回答した4割強の人に対して「免税事業者に対して課税事業者への変更を依頼したことがありますか」と質問したところ、「すでに行った」と「今後行う予定」を合わせると約6割の経理担当者が、購買先に課税事業者への変更を依頼すると回答しました。

インボイス制度は来年の10月1日から開始されます。課税事業者となってその日にインボイスを発行するには来年の3月末までに税務署への申請が必要と案内されていますので、直前になって慌てないように準備を進めたいところですよね。

インボイス制度の詳細はこちら。
国税庁・インボイス制度特設サイト



関連記事

プロマネの右腕

クロスイデアでは、新サービス・新ビジネスの 立上げや計画を中心に
プロジェクトマネジメントの支援を行っています。

新サービスの企画を任されたけど どう進めていいか悩んでいる担当者、
部下に新しい企画を任せたけど このままで大丈夫か不安な管理職の方、
以下のサイトをご参照ください。
https://www.crossidea.co.jp/services/right-hand-pmo.html

YouTubeにて動画配信中!

プロジェクトマネジメントのノウハウを
YouTubeで配信しています。
ブログと併せてご活用ください。

Comments are closed.