プロジェクトオーガナイザの吉田聖書です。
SalesNow DBという日本国内の企業データベースを展開する株式会社QuickWorkが、10月13日にプレスリリースを出しまして、プログラミング言語別の求人数ランキングを発表しました。
プレスリリースはこちら
求人数から読み解く、最新エンジニア人気言語ランキングTOP10／SalesNow DBレポート（2022/10/13 株式会社QuickWork）
SalesNow DB
https://db.salesnow.jp/
このブログでは以前も何回かプログラミング言語のランキングを引用して取り上げてきました。それらはアンケートを基に集計したランキングだったり、検索エンジンのヒット数のランキングだったりしたわけですが、今回は公開されている求人数を集計したランキングという点が特徴です。
調査対象は、今年8月1日から8月31日までの1か月間にWeb上で公開されている求人情報ということで、非公開の求人は調査対象となっていないようです。また、ハローワークのWebサイトのような公的な求人情報も含まれているのかについては読み取れませんでした。
あと、企業が出している求人情報だと、おそらく正社員とかパート・アルバイトの募集だと思われます。つまり、そこには派遣社員の募集とかSESの案件は含まれていないのだろうということは考慮した方が良いのではないかと思いました。ここで発表されている数字が全てではないということですね。
さて、具体的なランキングですが、上位からJava言語、PHP、Python、Ruby、C#という順番になっています。母数が分からないのでパーセンテージは出せないのですが、プレスリリースに掲載されている10位までの言語の件数に対する割合で行くと、Java言語が32.9％、PHPが22.6％となりまして、Java言語とPHPだけで約半分となっています。（ここは母数を記載して欲しかったですね。）
Java言語がトップだった理由として、OSに依存しない、処理速度が速い、セキュリティが高い、安定しているといった事を挙げています。昔は「Javaは処理速度が遅い」とエンジニアの間で不評でしたので隔世の感がありますね。個人的にはJava言語が求められる理由として、もちろんサーバーサイドの開発でよく使われますが、Android OSの存在が大きいのではないかと思います。
また、2位のPHPが求められている理由として、WordPressの存在を挙げていますが、どうなんでしょう。求人としては自社でWordPressを運用しているからPHPができる人を募集しますというケースが多いという意味なんでしょうか。PHPはスクリプト言語なので、Webサイトを停止しないでプログラムを簡単に差し替えられるメリットがあります。そもそもJavaと違ってWebサイト構築向けの言語ですし、PHPが流行り始めた時はそういう運用の手軽さで選ばれているという側面がありましたが、そこは今も変わっていないと思われます。
※ この記事は、先日公開した以下の音声コンテンツを基に編集したものです。
このプレスリリースの中で一つ気になることがありまして、それは、この調査は求人数に基づくランキングなんですが、タイトルが「最新エンジニア人気言語ランキング」となっている点です。（プログラミング言語を単に言語と省略している点も気になりますが、そこは許容範囲でしょう。）
つまりランキングの高さはエンジニアによる人気の高さを表しているのではなく、あくまでも企業が必要としている度合いの高さであるということです。企業の求人とエンジニアの人気とでは全く正反対です。何故そこを間違えてしまったのか分かりませんが、特徴のある素晴らしい調査だけに、これはちょっといただけないですね。
ITエンジニアにアンケート調査をする場合も、「本人が好きなプログラミング言語」と「仕事でよく使うプログラミング言語」は必ずしも一致しませんので、設問の文言には気を遣った方が良いだろうと思います。一般的に、何を調査したいのかを調査を始める前に明瞭にすることが大切です。この調査も求人数を集計したけれども、本当に調べたかったのが「エンジニアに人気のプログラミング言語」の方だったとしたら、調査方法が全く間違っていると言わざるを得ません。
関連記事
プロマネの右腕
プロジェクトマネジメントの支援を行っています。
新サービスの企画を任されたけど どう進めていいか悩んでいる担当者、
部下に新しい企画を任せたけど このままで大丈夫か不安な管理職の方、
以下のサイトをご参照ください。
https://www.crossidea.co.jp/services/right-hand-pmo.html
YouTubeにて動画配信中！
プロジェクトマネジメントのノウハウをYouTubeで配信しています。
ブログと併せてご活用ください。