Microsoft Word以外のワープロにまだ活躍の場はあるか

プロジェクトオーガナイザの吉田聖書よしだみふみです。

12月1日に、日本語入力システムATOKでお馴染みの株式会社ジャストシステムがニュースリリースを出しまして、日本語ワープロソフト「一太郎2023」を来年2月10日に発売すると発表しました。

※ 登録商標(™及び®)などの記述は省略していますが、記載の製品名は各社の商標または登録商標です

「伝わる」文書作成を極めた日本語ワープロソフト「一太郎2023 プラチナ」を、2023年2月10日(金)より発売(2022/12/01 株式会社ジャストシステム)

一太郎というと「まだあったんだ!」と思う方もいると思いますが、毎年のようにバージョンアップを重ねて、今回発表された2023年版はバージョン番号で言うと33番目にあたるそうです。今回の目玉機能として紹介されている「相違点比較表」作成機能は、同じ文書の変更前のファイルと変更後のファイルの差分を一覧にしてくれるものですが、ドキュメントのバージョン管理で重宝しそうです。

今はワープロというとほとんどの人がマイクロソフト社のWordかその互換ソフトウェアを使っていると思います。Windowsが登場する前(私が中高生くらいの頃)は「ワープロと言えば一太郎、表計算ソフトと言えばLotus1-2-3」という時代がありました。Windowsが登場するとWordが普及してきまして、特に、マイクロソフト社のOfficeスイートがプリインストールされているWindowsパソコンが登場して、買ったその日からWordが使えるという状況が普及に拍車をかけたと思われます。

WindowsやWordの普及とインターネットの普及が同じようなタイミングでしたから、それまではあまり電子データをやり取りするということは無かったんですけれども、直接メールに添付してファイルをやり取りする機会が増え、送られてくるデータがWordだから自分もWordがないと困るとか、相手がWordじゃないと読めないからこっちもWordデータを送らなければいけないという状況もさらに追い打ちをかけたと思われます。

でも、一太郎は人気があり、(ただ人気があるということではなく、一定のニーズに応えているプロダクトであるということなのですが、)今まで開発を続けてきました。Wordはちょっとした文書を作るにはいいんですけれども、私の周辺で聞かれる不満はWordは編集が難しいということです。意図したとおりにレイアウトできないと言いますか、表組とか改ページとかなかなか思い通りにならなくて苦労した経験が私にもあります。

あと、縦書きですよね。Wordでも縦書きは一応対応しているんですが、ちょっと私はWordで縦書きの文書を作成しようという気は起きないです。そういうガチな日本語文書を作成する時には日本語に特化したワープロソフトがまだまだ活躍できるのではないかと考えます。ただ、一太郎にもWindowsにしか対応していないとか(昔はMacintoshにも対応していたようです)、Wordと互換性がない(別途、Wordと互換性のあるJUST Noteをリリースしていますね)といったデメリットもあります。なので、職場の事情など特段の理由がない限りは、一太郎でないといけない必然性はあまりないのかなと思います。

私は学生の時に展示会で見た「パーソナル編集長」という日本語ワープロソフトを愛用しています。愛用と言っても何回かバージョンアップした程度で、今となっては数年に1回くらいしか使わない骨董品のような存在ですが、やはり縦書きの文書は作りやすかったですね。

パーソナル編集長の特長は表計算ソフトのようなワークシートに分かれていることです。もちろんワークシートを1つしか使わなければWordと同じように使えます。ワークシートのメリットは、例えば1セクション1シートで作成しておいて、途中でセクションの順番を入れ替える事が容易にでき、その時は大変重宝しました。同じことをWordでやろうとすると、そういうワークシートの概念が無いので大変です。


※ この記事は、先日公開した以下の音声コンテンツを基に編集したものです。


ITの現場では、よく仕様書や設計書を表計算ソフトで作成することがあると思います。20年くらい前はドキュメントを印刷して納品することが多かったので、ドキュメントはWordで作成していました。Wordは書式を簡単に揃えるのが良かったですが、編集に苦労しました。表計算ソフトは柔軟にレイアウトできますが書式を揃えるのが大変です。ただ、近年はドキュメントを印刷して納品することもなくなったので問題にならなくなったのでしょう。

一般的なOfficeスイートというと、ワープロソフト、表計算ソフト、プレゼンテーションソフトという組み合わせが定番ですが、IT関連のドキュメントを作る時には一長一短だと感じています。ワープロソフトのように体裁が統一でき、表計算ソフトのようにワークシートが使え、プレゼンテーションソフトのようにページを意識したレイアウトやスライドショー機能が使える夢のようなアプリケーションがあれば…といつも思います。



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